アルテリックスのロゴが掲載されたマクラーレンの2021年型F1マシン「MCL35M」
Courtesy Of McLaren

マクラーレン、分析プロセスの自動化で高効率のマシン開発へ…アルテリックスと提携

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マクラーレンF1チームは米国カリフォルニア州に本社を構えるアルテリックス(Alteryx)との複数年の技術提携を結び、同社が得意とする分析プロセスの自動化技術を用いて高効率のマシン開発を進めていく。

アルテリックスはデータサイエンスとデータ分析を通じて行われる意思決定までの必要時間を大幅に短縮する事で、売上の向上や顧客離れの抑制、税務と監査の自動化、サプライチェーンの最適化、保険金の予測、従業員の業績向上等に取り組む企業をサポートしている。

マクラーレンを含む現代のF1チームはレース週末のみならずオペレーション全域を強化すべく、データドリブンなアプローチを採用している。ただ分析プロセスは得てして膨大な時間が掛かるため、短期間で成果を挙げる事は簡単ではない。

マクラーレンはアルテリックスとの提携を通じて、デジタルマニュファクチャリング、物流、ファンとの交流、バックオフィスの自動化といった領域でのデータ分析を強化する。

現行マシンは概ね2万5,000以上もの部品で構成されている。設計や製造に際してリアルタイム自動分析やモデリングによる効率化を図る事で、マシン開発を最適化すると共にコスト削減を実現する。F1では今季より史上初となる予算上限ルールが施行された。

各週末に向けて必要となる重量貨物や設備、パーツ類の輸送作業は極めて複雑かつ高コストだが、地理空間分析等を通してプロセス及びタイミングを最適化することで、搬送ミスというリスクを減らす事が可能となる。

予算上限を遵守しつつ、高いパフォーマンスを発揮していくためには、表立って見えてこない財務プロセス上でのマニュアル作業の合理化も必要だ。データ分析の自動化はバックオフィスの運営費の削減にも役立つ。

ランド・ノリスとダニエル・リカルドによるファンとの交流にも自動分析が用いられる。チームはレース日程に合わせて人間の行動や感情の自動分析を通じてファンとの交流を最適化していく。

マクラーレンのザク・ブラウンCEOは「データの収集方法が一変」したとした上で「自動分析によって瞬時にデータを分析して迅速な意思決定を行う環境を簡単に手に入れることができた」と述べ、アルテリックスとの提携の意義を強調した。

契約の一貫として今季型F1マシン「MCL35M」並びに、ノリス、リカルド双方が着用するレーシングスーツ、更にはピットクルースーツやチームのSNS・デジタルプラットフォームの各所にアルテリックスのロゴが掲載される。