フェルスタッペン、怒涛の追い抜きで逆転優勝!フェラーリ失策…メルセデスW表彰台 / F1ハンガリーGP《決勝》結果とダイジェスト
マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が7月31日に行われた2022年FIA-F1世界選手権第13戦ハンガリーGPで予選10番手からの今季8勝目を挙げ、2年連続のタイトル獲得に向けてこれ以上ない形でシーズン前半戦を締め括った。
MGU-Kと見られるパワーユニットのトラブルに見舞われ、予選10番手と沈んだディフェンディングチャンピオンは、1周目に2ポジションアップを果たすと残り20周で首位に浮上。追い抜き困難なハンガロリンクで怒涛のオーバーテイクショーを繰り広げた。
2位はルイス・ハミルトン、3位はポールシッターのジョージ・ラッセルと、前戦フランスGPと同じくメルセデスがW表彰台に上がった。
予選2・3番手と、1-2フィニッシュの可能性もあったフェラーリは、カルロス・サインツが4位、シャルル・ルクレールに至っては6位と、またも戦略上の失策によって後退した。
ルクレールは70周のレースの31周目、ターン1への見事なブレーキングでラッセルを仕留めてトップに立ったものの、第3スティントにハードタイヤを選んだ事が仇となりズルズルと後退。結局、再度のピットインを余儀なくされ3ポジションダウンでレースを終えた。ルクレールはミディアムでのスティントを伸ばすよう要求していた。
この結果、フェルスタッペンはルクレールに対するチャンピオンシップでの差を80ポイントにまで拡大した。予選11番手の僚友セルジオ・ペレスも5位と巻き返した。
フェラーリ同様、アルピーヌは最初のピットストップで2台にハードを装着したために、コンストラクター4位を争うマクラーレンのランド・ノリスに7位を許す結果となった。フェルナンド・アロンソは8位、エステバン・オコンは9位でフィニッシュした。
10位には、週末に先立って今季限りでの引退を発表したセバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)が滑り込んだ。
アルファタウリ勢は目標としていたダブル入賞を果たせず、パルクフェルメ規定違反でピットレーンからスタートしたピエール・ガスリーが12位、16番グリッドの角田裕毅はスピンを喫する場面もあり、完走19台中19位という最下位でレースを終えた。
リタイヤは1台のみだった。残り3周、12番手を走行していたバルテリ・ボッタス(アルファロメオ)が「パワーが無い!」と訴えターン11の脇にクルマを停めた。レースは残り2周で再開された。
レース概要
決勝は日本時間31日(日)22時にブラックアウトを迎え、1周4381mのコースを70周する事で争われた。
現地モジョロードはレース開始直前に雨粒が落ち始めたが、チャンピオンシップポイントを争う決勝のフォーメーションラップは気温18.7℃、路面26.3℃、湿度68%、気圧985.5hPaのドライコンディションで開始された。
レース中の降水確率は60%と、しばしば小雨が落ちる展開となったが、本降りになる事はなく、雨用タイヤの出番はなかった。
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— Formula 1 (@F1) July 31, 2022
ピレリは中間レンジのC2からC4までのコンパウンドを投入。マクラーレン、レッドブル、アルファタウリ、アストンマーチンの各2台とポールのラッセルはソフトタイヤを、その他はミディアムを履いてグリッドに着いた。
オープニングラップではポールのラッセルを含む奇数列グリッド勢が好スタートを切った。ターン2ではベッテルとアレックス・アルボン(ウィリアムズ)が接触。脱落したデブリ回収のためにバーチャル・セーフティーカー(VSC)が導入された。
1周目に8番手にまで浮上したフェルスタッペンは5周目、挙動を乱したアロンソを見逃さずターン4を前にオーバーテイク。その翌周にオコン、12周目にハミルトンと並んでノリスを交わすと、早々に5番手にまでポジションを上げた。
7周目、フロントウイングを破損したケビン・マグヌッセン(ハース)にオレンジボールフラッグが振られた。ハースは第2スティントにハードをチョイス。ミック・シューマッハは14位、マグヌッセンは16位でレースを終えた。
ピット戦略で先行したのは角田裕毅だった。15番手を走行していた13周目にソフトからミディアムに交換。35周目に再びソフトを履く戦略を取ったもののリアを滑らせスピン。ラスト26周に渡って最後尾を走り続けた。
LAP 35/70
Tsunoda goes spinning coming out of the chicane. He's now pointing in the right direction and on his way again. #HungarianGP #F1 pic.twitter.com/gVrhTWAxCR
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フェラーリ陣営のピットコールを受け、ラップリーダーのラッセルとフェルスタッペンが17周目にピットイン。ミディアムに交換した。右前輪の交換に手間取りタイムをロスしたラッセルは6番手、フェルスタッペンは8番手で復帰した。翌周にオーバーカット狙いのサインツがピットに飛び込んだが、こちらも作業が遅れて不発に終わった。
フェルスタッペンは20周目、ミディアムからミディアムへと交換したハミルトンをアンダーカット。4番手に浮上した。
ルクレールは21周目にミディアムからミディアムに交換。サインツをオーバーカットして2番手でコースに戻ると、31周目にラッセルを交わしてトップに躍り出た。
表彰台を目指すフェルスタッペンは3番手サインツのDRSを捕まえた瞬間、再びピットへと向かいソフトに交換。アンダーカットを警戒した首位ルクレールと2番手ラッセルがその翌40周目にカウンターを打った。
ラッセルがミディアムを選択した一方、ルクレールはハードを装着。フェルスタッペンは熱が入らず苦しむルクレールを41周目のターン1で仕留めると、そのままトップを快走かと思いきや、翌周のターン13の立ち上がりで激しく白煙を上げスピン。得たばかりのポジションを失った。
LAP 42/70
Verstappen spins and Leclerc gets back in front of his rival #HungarianGP #F1 pic.twitter.com/7mCfo1BGLy
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だが、圧倒的なペース不足のルクレールに為す術はなく、45周目に再びフェルスタッペンにトップを許すと、52周目にはラッセルにも交わされ3番手に後退。2ストッパー狙いでハードを履いたものの、結局残り16周で再びピットへと向かい、ソフトに履き替えざるを得なかった。
ハードに手を付けず、ミディアムを2スティント続けてきたハミルトンは51周目にソフトに交換。残り8周でサインツを交わして表彰台を手にすると、残り6周でチームメートを交わして2位でチェッカーを受けた。
2022年F1第13戦ハンガリーGP決勝リザルト
Pos | No | Driver | Team | Laps | Time | PTS |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | フェルスタッペン | レッドブル | 70 | 1:39:35.912 | 25 |
2 | 44 | ハミルトン | メルセデス | 70 | +7.834s | 19 |
3 | 63 | ラッセル | メルセデス | 70 | +12.337s | 15 |
4 | 55 | サインツ | フェラーリ | 70 | +14.579s | 12 |
5 | 11 | ペレス | レッドブル | 70 | +15.688s | 10 |
6 | 16 | ルクレール | フェラーリ | 70 | +16.047s | 8 |
7 | 4 | ノリス | マクラーレン | 70 | +78.300s | 6 |
8 | 14 | アロンソ | アルピーヌ | 69 | +1 lap | 4 |
9 | 31 | オコン | アルピーヌ | 69 | +1 lap | 2 |
10 | 5 | ベッテル | アストンマーチン | 69 | +1 lap | 1 |
11 | 18 | ストロール | アストンマーチン | 69 | +1 lap | 0 |
12 | 10 | ガスリー | アルファタウリ | 69 | +1 lap | 0 |
13 | 24 | 周冠宇 | アルファロメオ | 69 | +1 lap | 0 |
14 | 47 | シューマッハ | ハース | 69 | +1 lap | 0 |
15 | 3 | リカルド | マクラーレン | 69 | +1 lap | 0 |
16 | 20 | マグヌッセン | ハース | 69 | +1 lap | 0 |
17 | 23 | アルボン | ウィリアムズ | 69 | +1 lap | 0 |
18 | 6 | ラティフィ | ウィリアムズ | 69 | +1 lap | 0 |
19 | 22 | 角田裕毅 | アルファタウリ | 68 | +2 laps | 0 |
20 | 77 | ボッタス | アルファロメオ | 65 | DNF | 0 |
コンディション
天気 | 小雨 |
---|---|
気温 | 18.7℃ |
路面温度 | 26.3℃ |
セッション概要
グランプリ名 | F1ハンガリーGP |
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レース種別 | 決勝 |
レース開始日時 |
サーキット
名称 | ハンガロリンク |
---|---|
設立 | 1986年 |
全長 | 4381m |
コーナー数 | 16 |
周回方向 | 時計回り |