セッション開始に向けてヘルメットを手に取るランド・ノリス(マクラーレン)、2022年7月29日F1ハンガリーGP
Courtesy Of McLaren

2022 F1ハンガリー PU投入状況:初のエキゾースト降格聴牌はルクレール、ガスリーがピットレーンスタート

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国際自動車連盟(FIA)のF1テクニカル・デリゲートによる発表を元に、2022年F1第13戦ハンガリーGPにおける各ドライバー毎のパワーユニット(PU)投入状況を以下にまとめる。

「壁のないモナコ」と称されるハンガロリンクでグリッド降格ペナルティを好んで消化しよう等と考える者があるはずもなく、週末を前にPUコンポーネントを交換したのはランド・ノリス(マクラーレン)のみ。今季4基目となるエキゾーストを開封した。

メルセデスPUは全PUメーカーの中で今年、最も高い信頼性を誇っているが、そのメルセデスユーザーの中で最もグリッド降格に近いのが、このノリスとルイス・ハミルトンだ。二人は7コンポーネント中、4コンポーネントが年間上限基数に達している。

また2日目に向けての交換も3基目のMGU-Kを開封したジョージ・ラッセル(メルセデス)と、8基目のエキゾーストに交換したシャルル・ルクレール(フェラーリ)の2名に留まった。

なおルクレールはこれによってエキゾーストの年間許容基数を全て使い切った形で、エキゾーストで降格聴牌となったのはルクレールが初めてだ。

決勝を前にしては、予選19番手のQ1敗退を経てアルファタウリのエール・ガスリーがエキゾーストを除く全コンポーネントを交換した。年間上限基数を超えた。残りのシーズンを見据えての戦略的交換と思われる。

通常であれば単なる最後尾スタートとなるが、スチュワードによるとチームはテクニカル・デリゲートのジョー・バウアーの許可を得る事なく変更した。これはF1競技規定第40条3項違反であり、スチュワードはガスリーにピットレーンスタートを命じた。

また、予選Q3でパワーロスに見舞われたレッドブルもマックス・フェルスタッペンとセルジオ・ペレスに今季3基目となるICE(内燃エンジン)、ターボチャージャー、MGU-K/H、そして5基目のエキゾーストを開封。主要4コンポーネントは年間上限基数に達した。

V6ハイブリッド・ターボ導入9年目の今年はICE、ターボ、MGU-H、MGU-Kが各々年間3基まで、CE、ESは各2基まで、そしてエキゾースト・システムは年間8セットまでに使用が制限されている。

F1ハンガリーGP:パワーユニット投入状況

Team Driver ICE TC MGU-H MGU-K ES CE EX
メルセデス G.ラッセルRUS 2 2 2 3 2 2 3
L.ハミルトンHAM 2 3 3 2 2 2 3
レッドブル・RBPT M.フェルスタッペンVER 3 3 3 3 1 1 5
S.ペレスPER 3 3 3 3 1 2 5
フェラーリ C.ルクレールLEC 4 4 4 4 2 3 8
C.サインツSAI 4 4 4 4 2 3 5
マクラーレン・メルセデス D.リカルドRIC 2 2 2 2 1 1 2
L.ノリスNOR 3 3 3 3 1 1 4
アルピーヌ・ルノー F.アロンソALO 5 5 5 4 4 4 5
E.オコンOCN 3 3 3 3 2 2 3
アルファタウリ・RBPT P.ガスリーGAS 4 4 4 4 3 3 5
角田裕毅TSU 4 4 4 4 3 3 5
アストンマーチン・メルセデス L.ストロールSTR 2 2 2 2 2 2 2
S.ベッテルVET 2 2 2 3 2 2 2
ウィリアムズ・メルセデス A.アルボンALB 2 2 2 2 2 2 2
N.ラティフィLAT 2 2 2 2 2 2 2
アルファロメオ・フェラーリ V.ボッタスBOT 4 5 5 4 2 3 5
周冠宇ZHO 3 3 3 3 2 2 4
ハース・フェラーリ K.マグヌッセンMAG 4 4 4 4 2 2 5
M.シューマッハMSC 3 3 3 3 2 2 5

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