インターミディエイトタイヤを履いて雨のハンガロリンクを走行するニコラス・ラティフィ(ウィリアムズ)、2022年7月30日F1ハンガリーGP FP3
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ラティフィ、初の最速!雨のハンガロリンクでウィリアムズが1-3…角田裕毅は苦戦 / F1ハンガリーGP《FP3》結果とダイジェスト

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イベント2日目を迎えた7月30日、2022年F1第13戦ハンガリーGP土曜3回目のフリー走行が雨のハンガロリンクで行われ、ニコラス・ラティフィ(ウィリアムズ)が1分41秒480をマーク。キャリア初のF1プラクティス最速タイムを刻んだ。

今季限りでのシート喪失が強く囁かれる27歳のカナダ人ドライバーは、第1セクターで全体ベスト、第2・3セクターで自己ベストをつなぎ、同じインターミディエイト・タイヤを履くシャルル・ルクレール(フェラーリ)を0.661秒差で2番手に抑えた。

ラティフィとのタイム差を知らされたルクレールは本当に困惑したような様子を見せた。ラティフィにとってハンガロリンクは、昨年のグランプリでF1キャリア初ポイントを獲得した思い出の地だ。

3番手にはラティフィと同じウィリアムズFW44をドライブするアレックス・アルボンが続いた。適切なタイミングでの計測がタイムに反映された側面はあれど、イギリスで先行投入されたダウンフォース増を狙ったアップグレードが上手く機能している事は間違いなさそうだ。

土曜の現地モジョロードは午前中に豪雨となり、一時は中止も懸念されたが、その後雨脚は弱まり、予選前最後のプラクティスは気温19℃、路面22℃のウエットコンディションでスタートした。終盤には陽が差し始め、路面温度は28℃近くにまで急上昇した。

滑りやすい路面状況の中、残り8分というところで、セバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)がターン10でリアを失いバリアに衝突。赤旗が振られた。

幸いにもグラベルのおかげで衝突速度は低下したものの、車体後方から当たったためギアボックスへのダメージが懸念される。週末に先立って今シーズン限りでの引退を発表した4度のF1ワールドチャンピオンは無線で不満の叫びを上げ、9番手タイムと共にクルマを降りた。

残り10戦でもし勝つチャンスがあるとすれば、その1つがここ、抜くに抜けないハンガリーである事は間違いない。仮に予選が雨となって上位に立てれば、例えレースがドライになったとしても逃げ切れる可能性は十分にある。

チャンピオンシップリーダーのマックス・フェルスタッペン(レッドブル)はラティフィから1.7秒遅れの4番手をマーク。ジョージ・ラッセル(メルセデス)は5番手につけたが、11番手のチームメイト、ルイス・ハミルトン同様にタイヤ、特にリアのウォームアップに苦しんだ。メルセデスが雨を味方に付けるのは難しそうだ。

フェルスタッペンのチームメイト、セルジオ・ペレスは20番手最下位だった。各車概ね、フルウェットとインターで17周程度を走り込んだ中、レッドブルだけはウェットタイヤ温存のためか、どのチームよりも周回数を抑えてインターのみで10~11周を走行した。

水しぶきを上げながら雨のハンガロリンクを走行するマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、2022年7月30日F1ハンガリーGP FP3Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

水しぶきを上げながら雨のハンガロリンクを走行するマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、2022年7月30日F1ハンガリーGP FP3

6番手はフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)。同郷カルロス・サインツ(フェラーリ)を抑えた。8番手にはランド・ノリス(マクラーレン)が続き、事故のベッテルを挟んでアップグレード版ハースVF-22をドライブするケビン・マグヌッセンがトップ10に滑り込んだ。

アルファタウリ勢は角田裕毅が17番手、ピエール・ガスリーが19番手と、ドライコンディションの初日以上に後退した印象だ。

全3ラウンド、計1時間が予定される2022年F1ハンガリーグランプリ公式予選は、日本時間7月30日(土)22時からハンガロリンクにて行われる。

当初は1日を通して大雨になる予報が出ていたものの、最新の予報ではドライコンディションで予選が行われる可能性も出てきた。各チームはいずれのコンディションに対しても対応できるよう、柔軟に準備を進めていく必要がありそうだ。

2022年F1第13戦ハンガリーGPフリー走行3(FP3)リザルト

Pos No Driver Team Time Gap Laps
1 6 ニコラス・ラティフィ ウィリアムズ・メルセデス 1:41.480 17
2 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 1:42.141 +0.661 14
3 23 アレックス・アルボン ウィリアムズ・メルセデス 1:42.381 +0.901 19
4 1 マックス・フェルスタッペン レッドブル・RBPT 1:43.205 +1.725 10
5 63 ジョージ・ラッセル メルセデス 1:43.434 +1.954 13
6 14 フェルナンド・アロンソ アルピーヌ・ルノー 1:43.570 +2.090 16
7 55 カルロス・サインツ フェラーリ 1:43.589 +2.109 15
8 4 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 1:43.743 +2.263 13
9 5 セバスチャン・ベッテル アストンマーチン・メルセデス 1:44.178 +2.698 14
10 20 ケビン・マグヌッセン ハース・フェラーリ 1:44.655 +3.175 20
11 44 ルイス・ハミルトン メルセデス 1:44.832 +3.352 11
12 47 ミック・シューマッハ ハース・フェラーリ 1:45.156 +3.676 18
13 31 エステバン・オコン アルピーヌ・ルノー 1:45.570 +4.090 17
14 3 ダニエル・リカルド マクラーレン・メルセデス 1:45.624 +4.144 11
15 18 ランス・ストロール アストンマーチン・メルセデス 1:45.638 +4.158 17
16 24 周冠宇 アルファロメオ・フェラーリ 1:45.691 +4.211 17
17 22 角田裕毅 アルファタウリ・RBPT 1:45.850 +4.370 17
18 77 バルテリ・ボッタス アルファロメオ・フェラーリ 1:45.930 +4.450 20
19 10 ピエール・ガスリー アルファタウリ・RBPT 1:46.091 +4.611 18
20 11 セルジオ・ペレス レッドブル・RBPT 1:48.240 +6.760 11

コンディション

天気
気温19℃
路面温度22℃

セッション概要

グランプリ名 F1ハンガリーGP
セッション種別 フリー走行3
セッション開始日時

サーキット

名称 ハンガロリンク
設立 1986年
全長 4381m
コーナー数 16
周回方向 時計回り

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