メルセデスW13を駆るジョージ・ラッセル、2022年7月30日F1ハンガリーGP予選
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ラッセル、史上105人目のポールシッターに!フェルスタッペンは不運のパワーロス / F1ハンガリーGP《予選》結果とダイジェスト

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2022年シーズンのFIA-F1世界選手権13戦ハンガリーGPの公式予選が7月30日(土)にハンガロリンクで行われ、ジョージ・ラッセル(メルセデス)がキャリア初のポールポジションを獲得。F1史上105人目のポールシッターとして歴史に名を刻んだ。

カルロス・サインツ(フェラーリ)は1000分の44秒届かず2番手に。チームメイトのシャルル・ルクレールはトップから0.19秒遅れの3番手に続いた。

「昨日は多分、今シーズンの中で最悪の金曜日だったけど、今日は最終ラップのターン1、ターン2を完璧に決めて、スクリーンを見たらP1だった。最高だよ!」とラッセル。

「何が理由でこうなったのかを理解する必要があるけど、概して僕らはレースペースが良いし、明日のレースでは間違いなく狙っていくつもりだ」

暑くなった初日、そしてウェットとなった直前のFP3とは全く異なるコンディションの中、タイヤを適切なウインドウに収める事ができたのが勝因と考えられる。

マックス・フェルスタッペン(レッドブル)はQ1最初のアタックラップに失敗し、暫定7番手と劣勢に追い込まれた。巻き返しに向けて最終計測に向かったものの、アウトラップで「パワーがない」と報告。解決できず、最終10番手でセッションを終えた。

チームメイトのセルジオ・ペレスはトラフィックに阻まれQ2敗退に終わり、フェルスタッペンの後方11番グリッドに甘んじる事となった。

2列目3番手はランド・ノリス(マクラーレン)。その背後の4番手はフェルナンド・アロンソ、5番手はエステバン・オコンと、アルピーヌ勢が続いた。

ラッセルのポールはメルセデスにとっても今季初のポールとなったが、同じW13をドライブするルイス・ハミルトンはDRSのトラブルに見舞われた事もあり、7番手に留まった。

8番手はバルテリ・ボッタス(アルファロメオ)。9番手にはダニエル・リカルド(マクラーレン)が続いた。

アルファタウリ勢は角田裕毅が16番手、ピエール・ガスリーが19番手と、ダブルQ1敗退という非常に厳しい結果に終わった。

予選Q1:アルファタウリがWノックアウト

ウェットコンディションとなったFP3を経て現地モジョロードの雨は止み、決勝のスタートグリッドを決する争いは気温21.7℃、路面28.5℃、湿度77%、気圧984.2hPaのドライコンディションでスタートした。

路面は完全なドライとなったものの、上空には一部に黒い雨雲が垂れ込めた。公式タイヤサプライヤーのピレリはハード(白色)にC2、ミディアム(黄色)にC3、ソフト(赤色)にC4コンパウンドを持ち込んだ。

雨でラバーが洗い流されたことでコースはグリーンとなったため、路面の改善傾向は著しく、最後まで順位が大きく変動する展開となった。

PF3での赤旗クラッシュを受け、アストンマーチンのメカニックは懸命の修復作業に取り組み、フロア、ギアボックス、リアウィングを交換してQ1開始と共にセバスチャン・ベッテルをコースに送り出したが、Q2には1000分の68秒届かず18番手に終わった。

2本目の計測ラップがトラックリミットで抹消となった角田裕毅は、Q2進出に1000分の35秒届かず16番手に終わった。ガスリーは最終ラップでQ2進出タイムを刻んだものの、ターン5のトラックリミットによりタイム抹消となり19番手でノックアウトした。

FP3で最速を刻んだニコラス・ラティフィ(ウィリアムズ)はセクター1で全体ベストを刻んだものの最終コーナーで大きく挙動を乱し20番手と、17番手の僚友アレックス・アルボン共々、Q1敗退に終わった。

なおウィリアムズは、電子的に返却済みとしていたタイヤを誤ってアルボンに履かせるという異例のミスを犯し、スチュワードから罰金1,000ユーロ(約13万8,793円)を科された。

Pos Driver Team Time Laps
16 角田裕毅 アルファタウリ・RBPT 1:19.240 9
17 アレックス・アルボン ウィリアムズ・メルセデス 1:19.256 10
18 セバスチャン・ベッテル アストンマーチン・メルセデス 1:19.273 10
19 ピエール・ガスリー アルファタウリ・RBPT 1:19.527 9
20 ニコラス・ラティフィ ウィリアムズ・メルセデス 1:19.570 10

予選Q2:タイム抹消を巡る混乱

ペレスは1回目のラップで18秒561を刻むも、ターン5のトラックリミットでタイムが抹消された。ただ、レースコントロールは再度のレビューを経て抹消判断を撤回した。

ペレスは最終ラップで自己ベストを更新したものの、ケビン・マグヌッセン(ハース)に前を阻まれた事で改善幅は小幅に留まり、1000分の71秒差でQ3を逃した。

トップ通過はフェルスタッペン。1000分の65秒差でルクレールが続いた。

Pos Driver Team Time Laps
11 セルジオ・ペレス レッドブル・RBPT 1:18.516 16
12 周冠宇 アルファロメオ・フェラーリ 1:18.573 16
13 ケビン・マグヌッセン ハース・フェラーリ 1:18.825 18
14 ランス・ストロール アストンマーチン・メルセデス 1:19.137 16
15 ミック・シューマッハ ハース・フェラーリ 1:19.202 16

予選Q3:ラッセル、衝撃の逆転ポール

1回目の計測を終えて暫定ポールに立ったのは17秒505を刻んだサインツ。これにコンマ4秒遅れでラッセルとルクレールが続いた。フェルスタッペンはターン2で大きく膨らみ、1.3秒落ちの7番手と沈んだ。

フェルスタッペンは逆転を狙いに最終ラップに向かったものの、アウトラップでパワーがないと報告。結局、問題を解決できないままにラップを始める事となり、他車が改善する中、自己ベストを塗り替える事ができず10番手に終わった。

フロントロー独占が期待されるフェラーリ勢が自己ベストを更新する中、ラッセルは両者を更に上回る17秒377をマーク。シルバーアローのガレージは歓喜に包まれた。

2022年F1ハンガリーグランプリ決勝レースは日本時間7月31日(日)22時にフォーメーションラップが開始され、1周4381mのハンガロリンクを70周する事でチャンピオンシップを争う。

2022年F1第13戦ハンガリーGP予選リザルト

Pos No Driver Team Q1 Q2 Q3 Laps
1 63 ジョージ・ラッセル メルセデス 1:18.407 1:18.154 1:17.377 23
2 55 カルロス・サインツ フェラーリ 1:18.434 1:17.946 1:17.421 22
3 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 1:18.806 1:17.768 1:17.567 22
4 4 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 1:18.653 1:18.121 1:17.769 19
5 31 エステバン・オコン アルピーヌ・ルノー 1:18.866 1:18.216 1:18.018 20
6 14 フェルナンド・アロンソ アルピーヌ・ルノー 1:18.716 1:17.904 1:18.078 17
7 44 ルイス・ハミルトン メルセデス 1:18.374 1:18.035 1:18.142 21
8 77 バルテリ・ボッタス アルファロメオ・フェラーリ 1:18.935 1:18.445 1:18.157 20
9 3 ダニエル・リカルド マクラーレン・メルセデス 1:18.775 1:18.198 1:18.379 19
10 1 マックス・フェルスタッペン レッドブル・RBPT 1:18.509 1:17.703 1:18.823 21
11 11 セルジオ・ペレス レッドブル・RBPT 1:19.118 1:18.516 16
12 24 周冠宇 アルファロメオ・フェラーリ 1:18.973 1:18.573 16
13 20 ケビン・マグヌッセン ハース・フェラーリ 1:18.993 1:18.825 18
14 18 ランス・ストロール アストンマーチン・メルセデス 1:19.205 1:19.137 16
15 47 ミック・シューマッハ ハース・フェラーリ 1:19.164 1:19.202 16
16 22 角田裕毅 アルファタウリ・RBPT 1:19.240 9
17 23 アレックス・アルボン ウィリアムズ・メルセデス 1:19.256 10
18 5 セバスチャン・ベッテル アストンマーチン・メルセデス 1:19.273 10
19 10 ピエール・ガスリー アルファタウリ・RBPT 1:19.527 9
20 6 ニコラス・ラティフィ ウィリアムズ・メルセデス 1:19.570 10

コンディション

天気晴れ
気温21.7℃
路面温度28.5℃

セッション概要

グランプリ名 F1ハンガリーGP
セッション種別 予選
セッション開始日時

サーキット

名称 ハンガロリンク
設立 1986年
全長 4381m
コーナー数 16
周回方向 時計回り

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