フェルスタッペン「一体何なんだよ!」エンジン異常で今季最悪の10番グリッド…何が起きたのか?
マックス・フェルスタッペン(レッドブル)は7月30日(土)のF1ハンガリーGP公式予選Q3でパワーダウンに見舞われポールポジション獲得のチャンスを失い、今季ワーストの10番手に終わった。
Q2を最速で通過したフェルスタッペンはQ1の1回目の計測の際にターン2で大きく膨らみ、フェラーリは愚か、ミッドフィールド達にも先行を許すトップから1.3秒落ちの7番手と劣勢に追い込まれた。
「最悪のコース」でのトラブル発生
フェルスタッペンは逆転を狙って最終ラップに臨んだものの、アウトラップでパワーがないと報告。レースエンジニアのジャンピエロ・ランビアーゼからの指示を受け、コックピット内でダッシュを操作し解決に取り組んだ。
だが、トラブルを解決できないままにラップを始める事となり、他車が改善する中、自己ベストを塗り替える事ができず10番手に終わった。チームへの無線には「一体何なんだよ!くそったれ!」と苛立ちを爆発させるフェルスタッペンの声が響き渡った。
よりもよって、カレンダーの中で最もオーバーテイクが困難なコースの1つであるハンガロリンクでトラブルに見舞われたのだから、そのフラストレーションは十分に理解できる。
レッドブル・レーシングのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコはORFとのインタビューの中で「モナコやシンガポールを除けば、このサーキットはこうした事が起こる上で最悪のサーキットだろう」と語った。
「Q2を終えてかなり楽観視していたが、Q3の1回目の走行ではアウトラップでロックがありフロントタイヤがダメージを受け、2回目の走行ではエンジントラブルに苦しむ事になった」
フェルスタッペンがViaplayとのインタビューで語ったところによると、この技術的な問題はガレージを出た段階で既に発生していた。
「問題はピットを出た時に既に起きていたんだ。何がどうなっていたのかは、まだチームに確認していないから分からないけど」とフェルスタッペン。
「本当に苛立たしい。スピードがあるように見えた後にトラブルが出るなんて、本当に悔しい」
トラブルなく走れていればポールポジションは可能だったと思うかと問われると「そう思う。Q2は全てがかなり良くなっているように感じられたからね」と答えた。
実際に何が問題だったのか興味深いところだが、ランビアーゼがフェルスタッペンに「無線では詳しい事は言えない。分かるだろ?」と口にしていたように、チームがトラブルの詳細について開示することを期待するのは難しい。
不運の一方で明るい材料も
初日を終えた段階でフェルスタッペンは、雨なしにフェラーリに太刀打ちするのは不可能だとしていたが、チームの努力の甲斐もあり2日目のRB18は競争力を引き上げた。
フェルスタッペンはSky Sportsとのインタビューの中で「昨日から状況から本当に上手く巻き返せたと思う」と語った。
「昨日、何が上手くいかなかったのかを理解するために、ファクトリーの皆が懸命に分析作業に取り組んでくれてね。兎に角、それが今日、プラスに働いたんだ」
「問題の原因を理解できたし、ここはハンドリングという点で僕らのクルマ向きじゃないコースだけど、今日は遥かに良かった」
「今週末だけじゃなく、残りのシーズンを考えても凄くポジティブな事だよ。さほど自分たちが強さを発揮できないコースで改善できたんだから」
10番グリッドはフェルスタッペンにとってハンガリーGPにおけるワーストポジションだが、ディフェンディングチャンピオンはキャリアを通して過去に、10番手以下から3回、表彰台を獲得した事があるだけに、決勝での奇跡を期待したい。
30日(土)のF1ハンガリーGP予選では、ジョージ・ラッセル(メルセデス)がキャリア初のポールポジションを獲得。2番手にカルロス・サインツ、3番手にシャルル・ルクレールと、後方にフェラーリの2台が続く結果となった。
2022年F1ハンガリーGPの決勝レースは日本時間7月31日(日)22時にフォーメーションラップが開始され、1周4381mのハンガロリンクを70周する事でチャンピオンシップを争う。