2021年8月1日のF1ハンガリーGPで表彰台に上がったエステバン・オコン(アルピーヌ)、セバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)、ルイス・ハミルトン(メルセデス)
Courtesy Of Alpine Racing

エステバン・オコン、6台消えた波乱の78戦目で初勝利…王座戦は夏休みを前に逆転 / F1ハンガリーGP《決勝》結果とダイジェスト

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2021シーズンFIA-F1世界選手権 第11戦ハンガリーGP決勝レースが8月1日に行われ、予選8番手のエステバン・オコンがキャリア78戦目で自身およびアルピーヌにとっての初優勝を飾った。

2位は予選10番手のセバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)、3位表彰台にはポールシッターのルイス・ハミルトン(メルセデス)が滑り込んだが、レース後に燃料サンプル違反が発覚した事でベッテルが失格処分となり、ハミルトンが2位、カルロス・サインツ(フェラーリ)が繰り上がりの3位表彰台となった。

ハーフウェットで開始されたハンガロリンクでの70周の争いは、1周目に少なくとも7台が巻き込まれる多重玉突き事故が発生。6台がチェッカーフラッグを受けずにレースを去る大荒れのレースとなった。

オコンはこの混乱に乗じて2番手に浮上。ラップリーダーのハミルトンがタイヤ交換のタイミングを見誤って最後尾に転落した事から首位に躍り出ると、ベッテルからの猛烈なプレッシャーを受け続けながらも一切ミスをせず、表彰台セレモニーでフランス国歌を聞き入った。

レッドブル、事故に巻き込まれ僅か1点

レッドブル・ホンダ勢は1周目の事故の犠牲者となり、4番グリッドのセルジオ・ペレスが即時のリタイヤを強いられた。

2021年8月1日のF1ハンガリーGP決勝1周目のターン1でクラッシュに巻き込まれたセルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)、シャルル・ルクレール(フェラーリ)、マクラーレンのカルロス・サインツとダニエル・リカルドCourtesy Of Red Bull Content Pool

2021年8月1日のF1ハンガリーGP決勝1周目のターン1でクラッシュに巻き込まれたセルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)、シャルル・ルクレール(フェラーリ)、マクラーレンのカルロス・サインツとダニエル・リカルド

予期せぬクラックが確認された事で、急遽パワーユニット交換を行い3番グリッドに着いたマックス・フェルスタッペンは、バルテリ・ボッタスを起点とした玉突の煽りを受け、車体右側のフロア及びバージボード周りを大きく破損。後方転落を強いられ10位フィニッシュ(9位に昇格)に終わった。

物議醸すシルバーストンでのクラッシュに続く不運により、ここ2戦での獲得ポイントは僅か2点に留まり、フェルスタッペンはドライバーズチャンピオンシップでハミルトンに8点差での逆転を許した。更にコンストラクター・ランキングでも12点差でのリードを明け渡す事となった。

アルファタウリ・ホンダはW入賞

接触事故の煽りを受けたためと思われるが、5番グリッドのピエール・ガスリーは1周目を終えて12番手にまで転落した。ただ、見事なペースとタイヤマネジメントによってミッドフィールドを駆け上がると、最終6位でレースを終えた。

また、僅か1点に終わったフェルスタッペンへの援護射撃か否かは不明だが、残り5周でフリーストップを得てソフトタイヤに交換すると、ファイナルラップで1分18秒394を刻み、ハミルトンが保持していたボーナスポイント1点を奪い去った。

1周目の混乱で最も大きなゲインを得た一人である角田裕毅は、赤旗からのリスタート時にハミルトン大転落の恩恵を受け4番手に浮上した。

ただその後、サインツとアロンソにオーバーカットを許し、巻き返してきたハミルトンにオーバーテイクされ6番手にまでポジションを落とした。

その後は背後からチームメイトに迫られ、チームオーダーを受けて49周目にガスリーとポジションを交換。1回多いピットストップを消化した僚友から12秒落ちの7位でフィニッシュすると、6位昇格によってキャリアベストを更新すると共に、初の連続入賞を飾った。

同じ様にウィリアムズもニコラス・ラティフィが7位、ジョージ・ラッセルが8位に入り、3年ぶりとなるダブル入賞を果たした。

この日のDriver of the Dayは4位入賞を飾ったフェルナンド・アロンソだった。

ハンガリー開幕前日に40歳の誕生日を迎えた2度のF1ワールドチャンピオンはレース終盤、猛烈な勢いと共にフィールドを駆け上がってきたハミルトンと対峙。自身より一段柔らかく、8周分履歴が浅いミディアムを履くハミルトンに対し、一歩も引かない手に汗握る防衛戦を展開した。

最終的には65周目のターン1でややオーバーシュート気味となり前を許したものの、4位フィニッシュ(3位昇格)のカルロス・サインツ(フェラーリ)に続いて堂々のフィニッシュラインを駆け抜けた。

レース概要

決勝は日本時間1日(日)22時にブラックアウトを迎え、1周4,381mのコースを70周する事で争われた。チャンピオンシップポイントを争う決勝のフォーメーションラップは気温26℃、路面32℃、湿度73.3%のハーフウェット・コンディションで開始され、ウェット宣言が出された事で、全車がインターミディエイトタイヤを装着した。

オープニングラップのターン1では2台がブレーキングでミスを喫し、少なくとも7台が巻き込まれる多重玉突き事故が発生した。

蹴り出しに失敗して後退した2番グリッドのボッタスがタイヤをロックさせてランド・ノリスに接触。この衝撃でマクラーレンMCL35Mがフェルスタッペンを、メルセデスW12がペレスを直撃した。

やや後方では同じく制動でミスをしたランス・ストロール(アストンマーチン)がシャルル・ルクレール(フェラーリ)の右脇腹に衝突。破壊されたフェラーリSF21がダニエル・リカルド(マクラーレン)に接触した。

コース上には大量のデブリが飛散。レースコントロールはセーフティカーを導入させた後に判断を切り替え赤旗を出した。この事故でペレス、ストロール、ルクレール、ボッタス、そしてノリスの計5台がリタイヤした。

ヴィタントニオ・リウッツィを含むスチュワード団はボッタスの責任を認め、次戦ベルギーGPでの5グリッド降格と2点のペナルティポイントを科す裁定を下したストロールにも同様の罰則が下った

ダメージが大きく完全修復には至らなかったフェルスタッペンを含め、各チームのメカニック達は30分近く続いたレッドフラッグによる中断時間を使って、事故による損傷箇所の修理に取り組んだ。

前方車両の大量離脱及び脱落の恩恵を受けてサインツ(15番グリッド)は4番手に、角田裕毅(16番グリッド)は5番手に、ラティフィ(18番グリッド)は6番手、そしてミック・シューマッハ(20番手)は10番手に浮上した。

路面状況が改善してきた事から、リスタートではハミルトン以外の全車がグリッドに着かずそのままピットに向かってスリックタイヤに交換。ハミルトン1台のみでレースが再開される奇妙なシーンが展開された。

ハミルトンは1周を終えた後にタイヤ交換を実施。判断が遅れた事で最後尾に転落した。

一斉突入のピットレーンでは、ファストレーンを走行していたニキータ・マゼピン(ハース)がピットから出てきたキミ・ライコネン(アルファロメオ)と接触。右前サスペンションが破損したためにリタイヤを余儀なくされた。スチュワードはライコネンに10秒ペナルティを科す裁定を下した。

ここは抜けないハンガロリンク。攻略に手こずるハミルトンは20周目という早々にハードタイヤに交換。レッドブル・ホンダ陣営はアンダーカットを防ぐべく、9番手を走行していたフェルスタッペンをその翌周にピットに呼び、同じくハードに変えてコースに送り出したもののハミルトンに先行を許した。

事実上の第一スティントが短くなった事で、フェルスタッペンは40周目、ハミルトンは48周目にそれぞれ再度のピットストップを行いミディアムタイヤに交換した。

優勝争いを繰り広げるベッテルはアンダーカット狙いで37周目にピットインするもタイヤ交換に手間取り、翌周に反応したオコンが前を守った。この遅れが勝敗を決定づけた。

Pos No Driver Team Laps Time PTS
1 31 エステバン・オコン アルピーヌ・ルノー 70 2:04:43.199 25
DQ 5 セバスチャン・ベッテル アストンマーチン・メルセデス 70 +1.859s 0
2 44 ルイス・ハミルトン メルセデス 70 +2.736s 18
3 55 カルロス・サインツ フェラーリ 70 +15.018s 15
4 14 フェルナンド・アロンソ アルピーヌ・ルノー 70 +15.651s 12
5 10 ピエール・ガスリー アルファタウリ・ホンダ 70 +63.614s 11
6 22 角田裕毅 アルファタウリ・ホンダ 70 +75.803s 8
7 6 ニコラス・ラティフィ ウィリアムズ・メルセデス 70 +77.910s 6
8 63 ジョージ・ラッセル ウィリアムズ・メルセデス 70 +79.094s 4
9 33 マックス・フェルスタッペン レッドブル・ホンダ 70 +80.244s 2
10 7 キミ・ライコネン アルファロメオ・フェラーリ 69 +1 lap 1
11 3 ダニエル・リカルド マクラーレン・メルセデス 69 +1 lap 0
12 47 ミック・シューマッハ ハース・フェラーリ 69 +1 lap 0
13 99 アントニオ・ジョビナッツィ アルファロメオ・フェラーリ 69 +1 lap 0
NC 9 ニキータ・マゼピン ハース・フェラーリ 3 DNF 0
NC 4 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 2 DNF 0
NC 77 バルテリ・ボッタス メルセデス 0 DNF 0
NC 11 セルジオ・ペレス レッドブル・ホンダ 0 DNF 0
NC 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 0 DNF 0
NC 18 ランス・ストロール アストンマーチン・メルセデス 0 DNF 0

コンディション

天気
小雨
気温
27℃
路面温度
32℃

レース概要

グランプリ名
F1ハンガリーGP
レース種別
決勝
レース開始日時

サーキット

名称
ハンガロリンク
設立
1986年
全長
4381m
コーナー数
16
周回方向
時計回り

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