2位表彰台に上がったアストンマーチンのセバスチャン・ベッテル、2021年8月1日F1ハンガリーGP決勝レースにて
Courtesy Of Aston Martin Lagonda Limited

2位ベッテルが燃料サンプル違反で失格処分…ハミルトン、フェルスタッペンに対するリードを拡大 / F1ハンガリーGP

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F1ハンガリーGPのスチュワードはテクニカルデリゲートからの報告を受け、燃料サンプル違反があったとして2位フィニッシュしたセバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)を失格処分とする裁定を下した。

これによりルイス・ハミルトン(メルセデス)が2位に、カルロス・サインツ(フェラーリ)が3位表彰台に繰り上がる事となり、チャンピオンシップ争いにおけるマックス・フェルスタッペンとハミルトンとの差が更に拡大した。

ドライバーズ・ランキングでのハミルトンとの差はプラス2点の8点に、コンストラクター・ランキングでのメルセデスとの差は同じくプラス2点の12点に広がった。

チェッカーフラッグ後に燃料残量に懸念が生じた事から、ベッテルはチームからの指示に従いクールダウンラップを終えずにターン12のコース脇にクルマを停めたものの、テクニカルデリゲートのジョー・バウアーは、5号車アストンマーチンAMR21から規約で定められた規定量の燃料が回収できなかったと報告した。

F1競技規約第6条6項2は「競技参加者はイベント期間中の如何なる時においても、車両から1リットルの燃料サンプルを抽出できる状態を確保しなければならない」と定めている。

スチュワードの報告によると、タンクから燃料を取り出す機会をチームに対して何度か与えたものの、レース後のベッテルのマシンから取り出せたのは0.3リットルに過ぎなかったという。

なおアストンマーティンのチーム代表者は、FFMやインジェクターモデルを使って計算した結果として「タンクには1.44リットル残っているはず」と主張していた。

アストンマーチン、失格処分控訴へ

同様のケースとしては、2012年スペインGPでのハミルトンと、同年アブダビGPのベッテルの件が記憶に新しい。いずれも十分な量の燃料サンプルが提供できなかったとして、両者は予選セッションから除外された。

ベッテルの失格処分により、3年ぶりのW入賞を果たしたウィリアムズ勢は更に多くのポイントを獲得。キミ・ライコネンはノーポイントから一転、10位で1ポイントを手にし、アルファタウリ・ホンダの角田裕毅も6位に昇格と、決勝最高位を更新した。

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