マックス及ばず3番手…レッドブル、PPハミルトンを「反則スレスレ」と指摘も容認 / F1ハンガリーGP《予選》結果とダイジェスト
2021 FIA-F1世界選手権11戦ハンガリーGPの公式予選が7月31日にハンガロリンクで行われ、メルセデスのルイス・ハミルトンが第4戦スペインGP以来のポールポジションを獲得した。
2番手には僚友バルテリ・ボッタスがコンマ3秒落ちで続き、フリー走行で2度の最速を刻んだメルセデスW12がフロントローを独占した。
レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンはソフトタイヤのグリップ不足に見舞われ、ポールへの挑戦権なくコンマ4秒落ちの3番手に留まった。
Q3最後の争いはレッドブル・ホンダ陣営曰く、どんな犠牲を払っても勝つというスポーツマンシップの対極にあるゲームマンシップ(反則スレスレのプレー)の様相を呈した。
1回目の計測を終えて3番手に留まったフェルスタッペンに対し、暫定ポールのハミルトンはピットレーンでその前に出た。ハミルトンはミラーを見て背後のライバルを確認すると、ピットレーン出口に差し掛かって前が空いた後も低速走行を続けた。
アウトラップの中盤から終盤に掛けてもスロー走行を繰り返し、フェルスタッペンの後方にいたペレスはその煽りを受け、時間切れとなった事で最終アタックを逃す事となった。
ペレスから何が起きたのか?と問われたレースエンジニアは「ちょっとしたゲームマンシップがあったんだ」と返した。ペレスは走行機会を逃した事に失望しつつも、ハミルトンの故意性を否定した。
更に計測ラップにおいてもハミルトンは、セクター1でコンマ3秒、セクター2までで1.2秒自己ベストから遅れたにも関わらず、計測を中止する事はせずにフェルスタッペンの前に留まった。ダーティーエアの影響をモロに受けたフェルスタッペンは大幅改善叶わずクルマを降りた。
仮に十分なアウトラップが得られてもポールは不可能だったと考えるフェルスタッペンは、パルクフェルメですれ違ったハミルトンと拳を合わせて健闘を称え合ったが、グランドスタンドの一部ファンはブーイングを浴びせた。
予選後インタビューに応じたハミルトンは「ブーイングを受けてこれほど気分が良かったことはないね。どちらかと言えば僕を焚き付けるだけだし、あまり気にしていない」と語った。また「僕に駆け引きの必要はない」とも主張した。
アウトラップで不必要にスローダウンしたとの指摘に対してメルセデスは、Q3最初のアウトラップタイムよりも速かったと反応した。
レッドブル・ホンダのクリスチャン・ホーナー代表はハミルトンの行為を「ゲームマンシップ」としながらも、「彼(ルイス)は我々をクリーンに走らせたくないがために、抑えて走行をしていたのだ。だがそれはトラックポジションを持っていた彼の権利だ」と理解を示した。
予選Q1:角田裕毅ノックアウト
午前のFP3に引き続き現地ブタペストは晴れ、決勝のスタートグリッドを決する争いは気温29℃、路面60℃、湿度47%のドライコンディションでスタートした。
公式タイヤサプライヤーのピレリはハード(白色)にC2、ミディアム(黄色)にC3、ソフト(赤色)にC4コンパウンドを投入した。
FP3でクラッシュを喫したミック・シューマッハ(ハース)はヘルメットを着用して出番を待つも、2時間で壊れたクルマを修復する事は叶わず、一度もコースに出る事はできなかった。
FP1のクラッシュによる走行不足が大きく響いたか。角田裕毅は16番手でQ1敗退を喫した。チーム無線に対して「全然グリップがなかった」と訴えた。僚友ピエール・ガスリーとは1.1秒差がついた。
ノックアウト
- 角田裕毅
- ジョージ・ラッセル
- ニコラス・ラティフィ
- ニキータ・マゼピン
予選Q2:サインツが赤旗クラッシュ
4台が脱落し残る15台のマシンが挑んだQ2では、カルロス・サインツ(フェラーリ)が計測ラップの最終コーナーでリアを失い、車体左側からバリアに激突した。
このクラッシュによって赤旗が振られ、時計の針は6分40秒で止められた。サインツは無線でチームに謝罪。ノータイムで15番手敗退を喫した。ギアボックスの損傷が懸念される。
最終アタックを前にノックアウト・ゾーンに沈んでいたランド・ノリスはタイムを更新。2番手でQ3に駒を進めたものの、マクラーレンの僚友ダニエル・リカルドは10番手突破のセバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)に1000分の77秒届かず、11番手でノックアウトを喫した。
トップチームの4台は1回目の計測でミディアムを装着。フェルスタッペンは暫定2番手を刻んでいたものの、ペレス共々ソフトタイヤでタイムを更新した。路面改善傾向を踏まえて安牌を切った形だが、結果としてはその必要はなかったそれには及ばなかった。
対するメルセデスは1回目のタイムを維持。ミディアムタイヤを履いて決勝レースをスタートする。
ノックアウト
- ダニエル・リカルド
- ランス・ストロール
- キミ・ライコネン
- アントニオ・ジョビナッツィ
- カルロス・サインツ
予選Q3:ゲームマンシップのPP争い
フェルスタッペンは1回目の計測を終えてグリップ不足を訴え、暫定トップのハミルトンに0.565秒もの大差で遅れる3番手に留まった。この時点で敗北が決した。
ミッドフィールド最速はアルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリー。4番手ペレスに1000分の62秒と迫る堂々の5番グリッドを獲得した。
マクラーレン対フェラーリの中団争いはマクラーレンに軍配が上がった。ノリスはシャルル・ルクレールに1000分の7秒差で競り勝ち6番グリッドを手にした。
トップ2以外で唯一、2台をQ3に進めたアルピーヌは、エステバン・オコンが1000分の62秒差でフェルナンド・アロンソを下して8番手タイムをマークした。
2021年 F1ハンガリーグランプリ決勝レースは、日本時間8月1日(日)22時にスタート。1周4,381mのハンガロリンクを70周する事でチャンピオンシップを争う。
2021年F1第11戦ハンガリーGP予選リザルト
Pos | No | Driver | Team | Q1 | Q2 | Q3 | Laps |
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1 | 44 | ハミルトン | メルセデス | 1:16.424 | 1:16.553 | 1:15.419 | 18 |
2 | 77 | ボッタス | メルセデス | 1:16.569 | 1:16.702 | 1:15.734 | 18 |
3 | 33 | フェルスタッペン | レッドブル | 1:16.214 | 1:15.650 | 1:15.840 | 17 |
4 | 11 | ペレス | レッドブル | 1:17.233 | 1:16.443 | 1:16.421 | 16 |
5 | 10 | ガスリー | アルファタウリ | 1:16.874 | 1:16.394 | 1:16.483 | 15 |
6 | 4 | ノリス | マクラーレン | 1:17.081 | 1:16.385 | 1:16.489 | 17 |
7 | 16 | ルクレール | フェラーリ | 1:17.084 | 1:16.574 | 1:16.496 | 17 |
8 | 31 | オコン | アルピーヌ | 1:17.367 | 1:16.766 | 1:16.653 | 15 |
9 | 14 | アロンソ | アルピーヌ | 1:17.123 | 1:16.541 | 1:16.715 | 15 |
10 | 5 | ベッテル | アストンマーチン | 1:17.105 | 1:16.794 | 1:16.750 | 15 |
11 | 3 | リカルド | マクラーレン | 1:17.664 | 1:16.871 | 13 | |
12 | 18 | ストロール | アストンマーチン | 1:17.038 | 1:16.893 | 12 | |
13 | 7 | ライコネン | アルファロメオ | 1:17.553 | 1:17.564 | 15 | |
14 | 99 | ジョビナッツィ | アルファロメオ | 1:17.776 | 1:17.583 | 12 | |
15 | 55 | サインツ | フェラーリ | 1:16.649 | 5 | ||
16 | 22 | 角田裕毅 | アルファタウリ | 1:17.919 | 8 | ||
17 | 63 | ラッセル | ウィリアムズ | 1:17.944 | 8 | ||
18 | 6 | ラティフィ | ウィリアムズ | 1:18.036 | 8 | ||
19 | 9 | マゼピン | ハース | 1:18.922 | 9 |
コンディション
天気 | 晴れ |
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気温 | 29℃ |
路面温度 | 60℃ |
セッション概要
グランプリ名 | F1ハンガリーGP |
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セッション種別 | 予選 |
セッション開始日時 |
サーキット
名称 | ハンガロリンク |
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設立 | 1986年 |
全長 | 4381m |
コーナー数 | 16 |
周回方向 | 時計回り |