ホンダF1とレッドブル、3-4グリッドに対照的な評価…ミディアムスタートを捨てた理由
レッドブルとホンダにとってのF1ハンガリーGP公式予選結果に対する見解は対照的だ。マックス・フェルスタッペンはポールのルイス・ハミルトンに0.4秒という大差で遅れる3番手に留まり、セルジオ・ペレスは4番手でヘルメットを脱いだ。
順位 | ドライバー | チーム | Q1 | Q2 | Q3 |
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1 | ハミルトン | メルセデス | 1:16.424 | 1:16.553 | 1:15.419 |
2 | ボッタス | メルセデス | 1:16.569 | 1:16.702 | 1:15.734 |
3 | フェルスタッペン | レッドブル | 1:16.214 | 1:15.650 | 1:15.840 |
4 | ペレス | レッドブル | 1:17.233 | 1:16.443 | 1:16.421 |
5 | ガスリー | アルファタウリ | 1:16.874 | 1:16.394 | 1:16.483 |
「厳しい」の一方「励みになる」
ホンダF1の田辺豊治テクニカル・ディレクターは、ハミルトンとバルテリ・ボッタスのメルセデス勢に先行を許した事に触れて3-4番手というリザルトを「厳しい結果」と評した。
「壁のないモナコ」との表現が象徴するように、ハンガロリンクは追い抜き困難な事で知られており、グリッド位置の重要性が非常に高い。
「初日と比べて気温は若干下がったものの、今日の予選は気温30℃、路面60℃というコンディションの中で行われ、フェルスタッペン選手が3番手、ペレス選手が4番手と、2列目を獲得しましたが、フロントローにはメルセデス2台が並んでおり、明日のレースに向けて厳しい結果になりました」(田辺TD)
一方のミルトンキーンズの指揮官、クリスチャン・ホーナー代表は昨年のハンガロリンクと比較すれば遥かに接近できていたとして「励みになる結果」との認識を示した。
「今週末を通して終始、ここではメルセデスの方が上手だった。ただ、Q2のマックスのタイムは本当に素晴らしかった。Q3のマシンバランスはマックスを完全に満足させる事はできず、今日は3番手が精一杯だった」とホーナー。
「シルバーストンとブダペストがメルセデスの牙城である事は周知の通りで、昨年の成績で我々はシルバーストンで1秒遅く、ブダペストではそれ以上の差があったわけで、こうして接近できた事は励みになる」
ミディアムで突破できたのに何故?
スタートタイヤが決まる予選Q2の最中、レッドブル・ホンダは状況に応じて戦略を切り替えた。いや、ホーナーの説明に従えば「切り替えざるを得なかった」と言った方が適切かもしれない。
決勝でのロングライフを見据えて2台のRB16Bは1回目の計測でミディアム(C3)タイヤを装着したが、2回目のランでソフトに履き替えタイムを塗り替えた。対するメルセデスはミディアムを貫き通した。
ソフトに履き替えたのはミディアムでのQ3進出を危ぶんだためではない。実際両者ともに結果的にも残るに足る十分なタイムを残していた。
急遽戦略を変更した理由についてホーナーは「ミディアムではルイスと同等レベルのタイムが残せなかったため、戦略的には別のルートを取った方が良いと判断した」と語り、ライバルとは異なるソフトを選ぶ事で、逆転の可能性を最大化したのだと説明した。あくまでも勝ちに拘るレッドブル・レーシングらしい姿勢だ。
「スタートに関して言えばソフトの方がアドバンテージがある。ここはオーバーテイクが難しいため、戦略面でアグレッシブになる必要がある」
「マックスとチェコ(ペレス)が並んで2列目に並んだ事で戦略面での選択肢が広がったし、メルセデスとは戦略が異なるためレースはエキサイティングなものになると思う」
2021年 F1ハンガリーグランプリ決勝レースは、日本時間8月1日(日)22時にスタート。1周4,381mのハンガロリンクを70周する事でチャンピオンシップを争う。