雨による大興奮のスターティンググリッド争いとなった2018年F1第12戦ハンガリー公式予選。メルセデスAMGのルイス・ハミルトンが、1分35秒658のトップタイムでポールポジションを獲得した。2番手は0.260秒遅れでバルテリ・ボッタス。今週末一度もトップに立てなかったメルセデスが雨の恵みを味方につけ、ハンガロリンクの最前列を手に入れた。

2列目にはスクーデリア・フェラーリ。キミ・ライコネンが100分の2秒差でセバスチャン・ベッテルを抑えて3番手につけた。5番手にはルノー・スポールのカルロス・サインツ。フロントロウへの挑戦を口にしていたレッドブル勢は、マックス・フェルスタッペンの7番手が最上位。ダニエル・リカルドは12番手に終わった。

トロロッソ・ホンダ勢は今季初のダブルQ3進出。ピエール・ガスリーは本家レッドブルを凌ぐ6番グリッドを獲得。ブレンドン・ハートレーはミッドフィールド先頭をリードするハースF1の2台を従え8番グリッドを手にした。

ここは抜けないハンガロリンク。セッションを振り返ったホンダの田辺豊治テクニカル・ディレクターは、2台揃ってのトップ10に満足感を示した上で「ドライでのペースも悪くないため決勝が楽しみ」とコメント。日曜のレースでのダブル入賞が期待される。

© Getty Images / Red Bull Content Pool、水しぶきを上げるレッドブルRB14

週末を通してドライコンディションに恵まれてきたブタペストだが、予選セッション開始30分前に雨粒が落ち、セクター1を中心に路面はウェットコンディションとなった。雨は予選開始時には上がっていたもの、各車Q1ラウンドはインターミディエイトタイヤを履きコースに入った。

1回目のタイムを計測し終えたミッドフィールド勢は、いち早くウルトラソフトにチェンジ。大接戦の戦いを勝ち抜くためにドライタイヤで勝負に出た。その後路面は急速に改善。目まぐるしくポジションが入れ替わる気の抜けない15分間の争いとなった。

リカルド1台のみが温まりの悪いソフトでアタックを続けるなど優勝候補勢の脱落も期待されたが、波乱らしい波乱とはならず、ストフェル・バンドーン、シャルル・ルクレール、セルゲイ・シロトキン、そして破産手続きが開始されたフォース・インディアの2台がQ1ノックアウトとなった。

天候の悪化が予測されタイヤ選択が悩ましい中、Q2最初のランで各車スリックを履きアウトラップに出た一方、ベッテルのみがインターでコースイン。セッション間に降った雨の影響で、路面は完全なインターミディエイトコンディションであったため、ベッテル以外の全車はアウトラップそのままに再びピットインする事を強いられた。

雨脚が強まる中、判断を誤ったベッテル以外のマシンがインターを履きコースに出るも時既に遅し。コース全域に渡ってかなりの降雨がコースを打ち付け、アクアプレーニングを引き起こすほどのバッドコンディションとなってしまった。結果、早めにタイムを計測した10台のマシンがQ3に進出。出遅れたダニエル・リカルドが涙を飲み、まさかのQ2敗退となった。

Q3は完全なフルウェットコンディション。セッションを通しての路面の変化も少なく、雨の中での最速争いに。路面50℃を超えるドライであれば、レッドブルにすら負ける可能性のあったメルセデスには恵みの雨。他車がトラクションをかけられずに苦労する中、メルセデスW09が速さを示した。

F1ハンガリーグランプリ決勝レースは、日本時間7月29日(日)22時10分から行われ、ヘルマン・ティルケが設計した1周4381mのハンガロリンクを70周する事で勝敗を決する。

2018年F1第12戦ハンガリーGP予選リザルト

コンディション

セッション概要

サーキット

F1ハンガリーGP特集