フェルスタッペンからは「当然、常に敵意が向けられるだろう」とハミルトン、F1ハンガリー衝突事故を経て
F1ハンガリーGPの終盤に展開された3位表彰台を巡る攻防を経てルイス・ハミルトン(メルセデス)は、自身は敵意を以て振る舞ってはいないとしつつも、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)はその限りではないとの考えを示した。
残り8周、ハミルトンを攻略すべくDRSを使ってターン1のイン側に飛び込んだフェルスタッペンの左リアとメルセデスの右フロントが接触。リアが宙に舞ったフェルスタッペンはコース外に弾き飛ばされた。
結果、後方シャルル・ルクレール(フェラーリ)にポジションを奪われフェルスタッペンは5位でフィニッシュした。一方のハミルトンはキャリア通算200回目の表彰台に上がった。
フェルスタッペンとのバトルについて、メルセデスのかつてのチームメイト、ニコ・ロズベルグから「神経がすり減った?」と問われたハミルトンはこれを否定して「特定のコーナーであれだけ速くギャップを縮められると思わず笑っちゃうよ。自分にはできないことだからね」と返した。
「後ろから追いかけてくるのをずっと見ていたんだ。僕よりも遥かにブレーキを遅らせることができていた」
「もちろん、終盤の接戦はゾクッとした。でもこれがモーターレースってものさ。ポイントを獲得できて本当に嬉しいし、チームには本当に感謝している」
最終的に不問との決定を下した今回の件についてスチュワードは、ハミルトンがブレーキング中に進路を変更したとのフェルスタッペンの主張を受け入れなかったが、同時にハミルトンには衝突回避の余地があったとも指摘した。
ハミルトンはフェルスタッペンに対して敵意を抱いていないと主張する一方、数々の物議を醸した2021年のタイトル争いのライバルは、その限りではないとの考えを示した。
接触事故についてハミルトンは「バックマーカーを追い越してブレーキングゾーンに入ったら、マックスが僕の後ろのクルマを追い越そうとするのが見えたから防御するために進路を変えたんだ」と振り返る。
「イン側に十分なスペースを残したけど、マックスはロックしてしまい、僕とは違うラインを行くことになった」
「その時、僕はコーナーにアプローチしていたんだけど、彼は猛スピードで横切ってきた。あれはレーシングアクシデントだと思う」
「ああいうミスは容易に起こり得る。だから敵意を抱くべきじゃないと思う。でも当然、彼からは、常に敵意が向けられるだろう」
レースはマクラーレンの圧勝で幕を閉じた。チームオーダーを巡る内紛があったものの、ランド・ノリスは残り3周でポジションを返上。オスカー・ピアストリが初優勝を飾った。
ハミルトンは「結局のところ、マクラーレンやレッドブルのペースには及ばなかったけど、レースの序盤はなんとか踏ん張ることができた。タイヤを保たせるのは本当に、本当に大変だった」と振り返り、次のように続けて自らのデビューチームを祝福した。
「マクラーレンのワンツーフィニッシュを心から祝福したい。マクラーレンは僕にとって、古くからの家族みたいな存在だからね。彼らが再び上位に返り咲いたことを本当に嬉しく思う」
「オスカーは素晴らしかった。おめでとう。率直に言って、デビュー以来、彼は本当に素晴らしい仕事をしてきた。一貫性があったし、勝つのは時間の問題だと思ってた」
「今日は彼にとって素晴らしい1日になった。最初から見事なペースを刻んでいた。彼と彼の家族のことを思うと本当に嬉しい」
2024年F1第13戦ハンガリーGPでは2番グリッドからスタートしたオスカー・ピアストリ(マクラーレン)が逆転のキャリア初優勝を飾った。
スパ・フランコルシャンを舞台とする次戦ベルギーGPは7月26日のフリー走行1で幕を開ける。