同性愛告白のシューマッハを「全面的に支持」するアロンソやハミルトンらF1ドライバー
元F1ドライバーのラルフ・シューマッハが同性愛関係にあると公表したことについて、かつてF1グリッドで競い合ったライバルのフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)は「全面的に支持する」として祝福した。
7度のF1王者ミハエル・シューマッハの弟で、1997年から2007年にかけて6回のグランプリで優勝を果たしたシューマッハは、ゲイ(男性同性愛者)であるのかバイセクシュアル(両性愛者)であるのかは不明ながらも、ハンガリーGPを前にソーシャルメディアを通して同性愛関係にあることを発表した。
現役当時のシューマッハとコース上で争った経験があるアロンソは「祝福したい。僕は全面的に支持するし、F1コミュニティ全体も同じだと思う。彼が幸せであることは素晴らしいことだし、僕らも彼のことを思うと嬉しい」と語った。
シューマッハの勇気ある告白は多くの支持を集めたが、同時に悪意あるリプライも多く寄せられた。
シューマッハと同じドイツ出身のニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)は、「ヘイトは常に存在するものだけど、特に、容易に憎しみを抱いたり、それをぶつけたりするオンラインではそれが顕著だ。隠れることができるしね。それは褒められたことじゃないけど、それを除けば万事良いことだと思う」と語った。
「現代社会は多様性が重視されているわけで、自らカミングアウトすることに何も悪いことはないし、僕は彼を祝福する」
オスカー・ピアストリ(マクラーレン)は、「誰もが受け入れられ、人生における様々なことを安心してカミングアウトできるような環境を整えること」がF1にとって重要だと指摘した。
「抵抗なく彼がそうやってカミングアウトしたというのは素晴らしいことだと思う。彼にはおめでとうと言いたいし、良いことだと思う」
2021年のハンガリーGPでは、その直前に同国で成立した反LGBTQ法を巡り、ルイス・ハミルトンとセバスチャン・ベッテルが抗議の意思を表明した。
ハミルトンは「権力者がこうした法律を提出することは容認できないばかりか卑怯で見当違いだ。誰を愛し、どのようなアイデンティティを持っていようとも、誰もが自分らしく生きる自由を持つべきだ」と性的マイノリティに寄り添う姿勢を示し、ベッテルは胸に「SAME LOVE」のメッセージが描かれたレインボーカラーのTシャツとマスクを着用してレース前セレモニーに参加した。
米ESPNによるとハミルトンは、シューマッハが誹謗中傷を恐れず告白したことは「時代の変化」の表れであるとして歓迎する一方、「LGBTQ+に寛容だと言うことと、実際に人々がその環境で快適に過ごせるようにすることは別のことだ」と述べ、多様性の更なる推進に向けてF1が取り組むべき課題はまだ多いとも主張した。
シューマッハは2019年より独Sky Sportsの解説者として活動しており、今週末のハンガロリンクでもカメラの前に立つ見通しだ。