ウィリアムズ FW43、最下位脱出なるか「風洞良好、努力が実を結びつつある」と開発陣
目を背けたくなるようなシーズンを過ごしたウィリアムズ。新車「FW43」は昨年型が抱えていた問題を克服したのだろうか? ジョージ・ラッセルとニコラス・ラティフィは、1ラップダウンのチームメイトバトルではなく、中団グループ内でのライバルチームとの競争をエンジョイ出来るのだろうか?
ウィリアムズは苦戦続きであった昨季型「FW42」を調べ上げ、費用対効果が高そうなエリアに絞って開発を進めてきた。デザイン・ディレクターを務めるダグ・マッキーナンは次のように述べ、開発が順調に進んでいる事は風洞実験のデータからも明らかだと説明する。
「我々はFW42が抱えていたトラブルの原因を理解することにかなり神経をすり減らしてきた。今季マシンの開発に際してはパーツ選定を慎重に行った。FW43の基本コンセプトはFW42からの継続的な開発だ。根本からレイアウトを変更したというような事はない」
「マシン開発の方向性が正しいのかどうかについては、クルマの設計に使用しているツールキットと、実際のトラックデータから得られる情報との相関レベルによって明らかになることだろう。これが最も重要な指標となる」
「風洞上では健全に開発が進んでいる事が分かっており、冷却効率を合理的に解決するための改善策を発見する事が出来た。2019年シーズン中に発生した、ブレーキと車重に関するメカニカル上の問題は対処済みだ。我々は幾つかの領域でまずますの進歩を遂げており、シーズン中も改善できるよう集中して取り組み続けるつもりだ」
ポジティブな手応えを得ているのはダグ・マッキーナンだけではない。チーフ・エンジニアを務めるアダム・カーターは、ミッドフィールド復帰に向けた努力が徐々に実を結び始めているとの認識を示した。
「パフォーマンスを向上させるために、エンジニアリング部門内のあらゆるパートに導入したイニシアティブはFW43の設計と開発に現れている。懸命の努力が実を結んできて嬉しい」とアダム・カーターは語る。
「FW42のコアアーキテクチャの一部を保持するという決定によって我々は、新しいコンセプトの開発に投資するリソースを抑える事ができただけでなく、パッケージングとコンポーネントの細部に現れているように、デザインチームが彼らの仕事を突き詰められるよう余力を増やすこともできた」
「また、重要なパラメータの一部を変えることなくそのまま継続して使うことによって、空力開発プログラムを中断せずに推し進める事が可能になった。これはリソース効率を最大化する事に繋がる」
FW43の戦闘力やフィールドの正確な勢力図を知るには3月15日のメルボルンを待つ必要があるものの、2月19日からはスペイン・バルセロナでプレシーズンテストが開幕を迎える。
アダム・カーターは最後に「今週末は、自分たちの立ち位置を確認し、次にすべき事を理解するために、シングルタイムラップペース、ロングランペース、そしてドライバーからのフィードバックを詳しく分析する予定だ」と付け加えた。