2018年F1第三戦中国GPの決勝レースが15日(日)に行われ、6番グリッドからスタートしたアストンマーチン・レッドブルのダニエル・リカルドが昨年のアゼルバイジャンGP以来となる大逆転勝利を飾り、ファステストラップの称号も合わせて手にした。

2位表彰台を獲得したのはメルセデスAMGのバルテリ・ボッタス、3位にはスクーデリア・フェラーリのキミ・ライコネンが続いた。ポールシッターのセバスチャン・ベッテルはクラッシュに巻き込まれ8番手、フロントロー独占のフェラーリ勢には厳しい結末が待ち受けていた。

ポディウムセレモニーでの自国オーストラリア国歌に聞き入ったリカルド、その目には薄っすらと涙が光っていた。シャンパンファイトではお決まりのシューイも飛び出し、脇に並んだ二人のフィンランド人ドライバー達は静かな表情でこれを見つめた。

ぐずついた肌寒い天候が一転、日曜の上海インターナショナル・サーキット上空は晴れ渡り、気温18℃、路面温度39℃の暖かな陽気に包まれ、2万9000人を収容するグランドスタンドには多くのファンが詰めかけた。

レース前半はオーバーテイクシーンも限られ淡々としたレース展開が続いたが、周回半分を消化して以降、立て続けにドラマが生まれた。

まずは29周目、トロロッソ・ホンダ勢が痛恨の同士討ち。バックストレート終端のヘアピンでイン側に飛び込んだピエール・ガスリーがブレンドン・ハートレーの右リアタイヤに激突。ガスリーは「ドアを閉められた！」とチームメイトを批判したが、スチュワードはガスリーに責任があるとして10秒ペナルティを科した。

クラッシュの影響でガスリーのフロントウイングは破損、不要なピットストップを強いられ15位完走に終わった。被害者側のハートレーは大きく後退、残り4周でリタイヤを選んだ。周囲のライバルがソフトタイヤでのスタートを決め込んだ一方、ハートレーにウルトラソフト、ガスリーにミディアムを履かせる選択をし、積極的な戦略を打ち出したトロロッソ・ホンダであったが、忘れ去りたいリザルトとなってしまった。

ホンダ勢のクラッシュによって飛び散ったコース上のデブリ除去のためセーフティカーが出動。これをチャンスと見るやレッドブル勢の2台がすかさずピットイン、新品ソフトに履き替えた。この英断が勝負の行方を大きく決した。

2発目のドラマはリスタート後の42周目に起こった。4番手を走行していたマックス・フェルスタッペン、14コーナー終端のイン側に飛び込み前走のベッテルとクラッシュ。2台が派手にスピンを喫した事で後続のニコ・ヒュルケンベルグとルイス・ハミルトンがポジションアップを果たした。一件は審議対象となり、フェルスタッペンに10秒ペナルティが科せられた。

コンディションと完全にマッチアップしたソフトの性能を最大限に引き出したリカルドは、6番手からオーバーテイクショーを繰り広げ、45周目に6コーナーのブレーキングでラップリーダーのバルテリ・ボッタスを豪快にオーバーテイク。そのまま逃げ切りトップでチェッカーフラッグを受けた。

2018年F1第3戦中国GP決勝リザルト

コンディション

セッション概要

サーキット

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