
アロンソ、歓喜と皮肉「あんなのは初めて見た!」セパン8位入賞の裏でFIAの異例対応に“チクリ”
ポイントを争う機会が限られるからこそ、その週末にミスは許されない――フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン・ホンダ)は、2026年F1第16戦バーレーンGPでの8位入賞を喜び、波乱のレースを戦い抜いたチームを高く評価した。
10月4日(日)にマレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットで行われた55周のレースでアロンソは、タイヤ選択の失敗からレース序盤に大きく後退するも、その後見事な挽回を果たし、モナコGP、オランダGPに続く今季3度目のポイントを獲得した。
アストンマーティン・ホンダが予選で最後列を独占し、レースでダブルリタイヤした前戦アゼルバイジャンGPの1週間後のことだった。
「すごく満足してる。僕らがポイントを獲得できる週末は、そう多くない。だからこそ、そういう機会が訪れた時に、ミスをするわけにはいかない。今日はレースをうまく進められたと思う。チームのことを思っても嬉しい」とアロンソは振り返った。
スリック賭け失敗も、SCで挽回
突如として到来した雷雨の影響で、レース開始前のセパンは水浸しとなった。それでもアストンマーティン・ホンダは、路面に水が残る状況でアロンソにスリックタイヤを履かせた。これにより、序盤に大きくタイムを失った。
インターミディエイトを履くライバル勢とのタイム差は、1周あたり最大で20秒近くにまで達していたが、それでもピットには向かわず、コース上にとどまった。その理由についてアロンソは、次のように説明した。
「最初はスリックタイヤでスタートする賭けに出た。路面の状態が分からなかったんだ。もちろん、結果的には最善の判断じゃなかったけど、マシンを壊さず、コース上にとどまることができた。その時点では、後方にいたフェラーリ勢より僕らの方が速かった。それで走り続けたんだ」
その後、バルテリ・ボッタス(キャデラック)がターン13でコースを外れ、グラベルで動けなくなったことでSCが導入された。これにより、序盤についた差がリセットされた。
「セーフティーカーが一番の助けになった。みんなの差がなくなって、その瞬間から新しいレースが始まった。全体として、今週末は普段より競争力があったし、そのパフォーマンスを結果につなげることができた」
リンブラッド攻略、ノリス抑えて8位
セパンで通算3勝を挙げているアロンソは、低中速コーナーで力強い走りを見せた。41周目のターン1、2ではアーヴィッド・リンブラッド(レーシング・ブルズ)と接触寸前のバトルを繰り広げ、10番手に浮上した。
終盤にバーチャル・セーフティーカー(VSC)が導入された際にはステイアウトしたが、SCへの切り替え後にタイヤを交換。ジョージ・ラッセル(メルセデス)のリタイヤとランド・ノリス(マクラーレン)のコースオフによって、さらに順位を上げた。
最後はノリスから追撃を受けたものの、チェッカーフラッグまで先行を許さなかった。競争力が上向いた週末を、確実にポイントに結び付けた。
レース中断への皮肉「あんなのは初めて見た」
一方、ラッセルのリタイヤやノリスの転落にも少し助けられたのでは?と問われると、アロンソはレース開始前の混乱に話を向けた。複数のマシンがフォーメーションラップ中に停止し、スタート手順が中断された一件だ。
「それよりも、フォーメーションラップで何台かが止まったことの方が大きかった。あんなのは初めて見たよ!本来だったら、あれが一番の助けになるはずだった」
アロンソは、レースの中断ではなく、止まったマシンを撤去し、そのまますぐにレースを再開するべきだったと考えており、自身が今季経験してきたリタイヤを引き合いに、レースコントロールの対応を笑顔で皮肉った。
「僕は今年、半分くらいのレースでリタイヤしているけど、レースが中断されたことなんて一度もなかった。次に僕らが止まったときにも、同じようにしてほしいね!」
F1競技規則では、グリッド上で動けなくなったり、追加のフォーメーションラップを引き起こしたりしてピットレーンに退避したマシンは、トラブルを修復して出走できる状態になったとしても、元のグリッド位置に戻ることはできず、ピットレーン最後尾からスタートしなければならないと定められている。
だが今回は、コース上で停止した全てのマシンが元のグリッド順でレースを再開した。
雷雨とマシンに相次いだ技術的トラブルにより、2度の開始遅延を余儀なくされた2026年F1第16戦バーレーンGPでは、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)がポール・トゥ・ウインで今季初勝利を挙げた。
マリーナベイ市街地コースを舞台とする次戦シンガポールGPは、10月9日のフリー走行1回目(FP1)で幕を開ける。