ホンダF1復帰を進めた渡辺体制から次章へ、HRC新社長に安田啓一氏。2027年から「勝利」へ組織強化

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ホンダ・レーシング(HRC)は10月5日、2027年1月1日付で渡辺康治社長が退任し、安田啓一副社長が代表取締役社長に就任すると発表した。F1復帰やモータースポーツ体制の整備を進めてきた渡辺社長から、ホンダの人事部門やアジアの二輪現地法人を率いた安田副社長へ経営トップを引き継ぐ。

HRCは今回の交代について、「世界的な変革期に対応した経営体制の強化および次世代に向けた事業展開の加速を図るために計画された定期人事の一環」と説明した。

通例の4月1日ではなく年初の発令としたのは、モータースポーツのシーズン事情に合わせるためで、2027年シーズンの活動を最初から新体制で進めていくとしている。

F1復帰と二輪・四輪統合を進めた渡辺体制

HRC(株式会社ホンダ・レーシング)の渡辺康治社長、本田技研工業の三部敏宏社長、アストンマーチンF1のローレンス・ストロール会長、マーティン・ウィットマーシュ、2023年5月24日の2026年F1パートナーシップ締結発表会見にてCourtesy Of Honda Motor Co., Ltd

HRC(株式会社ホンダ・レーシング)の渡辺康治社長、本田技研工業の三部敏宏社長、アストンマーチンF1のローレンス・ストロール会長、マーティン・ウィットマーシュ、2023年5月24日の2026年F1パートナーシップ締結発表会見にて

渡辺社長は2020年、ホンダの執行職ブランド・コミュニケーション本部長兼広報部長に就任。モータースポーツを含むブランド戦略や情報発信を担い、二輪レース会社だったHRCに四輪レース活動を統合するプロジェクトに着手した。

2022年には、両分野を束ねる新体制のHRC社長に就任。本社での担当期間を含め、約6年にわたってホンダのモータースポーツ活動を牽引してきた。

渡辺社長は在任中の取り組みを、次のように振り返った。

「以来、F1への復帰を決め、米国HPDのHRC USへの改編、HRC UKの設立などグローバルなモータースポーツ体制を拡充しつつ、HRCのグローバルブランド構築にも取り組んできました。残りの3ヶ月も、最後まで勝利を目指して尽力してまいります」

F1では2025年末までレッドブルとの関係を支え、今シーズンはアストンマーティン・ホンダとして新たなパワーユニット(PU)規則の下での活動を開始した。序盤に相次いだ信頼性問題に加え、性能面でも苦戦が続いており、競争力の向上は次の経営陣にも引き継がれる課題となる。

人事と海外経営の経験を勝利につなげる

安田啓一(HRC代表取締役副社長)、2027年1月1日付で株式会社ホンダ・レーシング代表取締役社長に就任予定Courtesy Of Honda Motor Co., Ltd

安田啓一(HRC代表取締役副社長)、2027年1月1日付で株式会社ホンダ・レーシング代表取締役社長に就任予定

安田副社長はホンダの文化と二輪レースに憧れ、1990年に入社した。当初から二輪営業やHRCへの配属を希望していたが、最初の配属先は人事部門だった。

その後、米国やインド、タイで人事関連業務を経験。2018年にはマレーシアのブンシュー・ホンダ、2020年にはインドネシアのアストラ・ホンダ・モーターの社長に就任し、念願の二輪事業で経営を担った。

2023年からはホンダの執行職人事統括部長として、全社の人事制度改革や人材戦略、人的資本経営を統括。2026年4月にHRC副社長へ就いた。

安田副社長は、新体制で果たす役割について次のように述べた。

「渡辺が築いたHRCの確かな基盤をしっかりと受け継ぎながら、さらに進化させ、全員のベクトルをレースでの勝利という目標に向けて一つにし、HRCをさらに強くしていくのが自分の使命だと考えています」

「これまでの海外現地法人社長としてのマネージメント経験や、人事畑での知見を活かし、勝利に向けて人への投資と組織の強化に力を入れてまいります」