ホンダ、若手ドライバー育成を2027年度から刷新。選抜前倒しで「即戦力強化」、佐藤琢磨は理念継承を強調

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ホンダ・レーシング(HRC)は、2027年度からドライバー育成スクールのカリキュラムを刷新すると発表した。スカラシップ生の選抜を従来の秋から夏までに前倒しし、選抜後には翌シーズンのレース参戦に備えた「即戦力強化プログラム」を導入する。

これに伴い、ホンダ・レーシング・スクール・鈴鹿(HRS)のFormulaクラスは「Honda Racing Driver Academy(ホンダ・レーシング・ドライバーアカデミー)」へと改称される。

走行時間は維持、選抜後に個別指導

従来のHRS Formulaクラスでは、春から夏にアドバンスコースを実施。その受講生から候補生を絞り込み、秋の選考会でスカラシップ獲得者を決めていた。

新たなアカデミーでは、従来と同等の走行時間を確保しながら、夏までにカリキュラムを終えてスカラシップ生を選抜する。その後の「即戦力強化プログラム」では、HRCが各選手の課題や目標に合わせてトレーニングを組み、レース参戦後の早い段階で力を発揮することを目指す。

従来のHRS Formulaクラスと2027年度からのHonda Racing Driver Academyの育成スケジュールを比較したカリキュラム変更図、2026年10月1日(木)Courtesy Of Honda Motor Co., Ltd

従来のHRS Formulaクラスと2027年度からのHonda Racing Driver Academyの育成スケジュールを比較したカリキュラム変更図、2026年10月1日(木)

日程の見直しには、海外からの受講希望者が近年増えている事情もある。HRCは選抜までの課程を夏に終えることで長期滞在の負担を軽減し、選抜後は国内外を問わず、一人ひとりに適した育成環境を整える方針だ。

佐藤琢磨、成長の過程を見る理念を継承

アカデミーのプリンシパルを務める佐藤琢磨は、今回の刷新にかかわらず、今後も一定期間をかけて選手の可能性を見極める考え方を引き継ぐと説明した。

「オーディションでの一度の走りだけで判断するのではなく、一定期間にわたり選手一人ひとりと向き合い、成長の過程を見ることで、その時点の実力だけでは測り切れないポテンシャルを見出すことは、私たちが大切にしている育成理念の一つです」と佐藤は語った。

「今回導入する新カリキュラムでも、その考え方は継承しながら、より効率的かつ実践的に一人ひとりの力を伸ばしていける内容としました」

HRSは、旧称の鈴鹿サーキット・レーシング・スクール(SRS)時代から30年以上にわたり、国内外のカテゴリーへドライバーを送り出してきた。HRCの渡辺康治社長は「モータースポーツ人材の育成は、HRCにとって極めて重要な使命であり、今後もより一層注力していく所存です」と述べた。

2027年度の入校エントリーは、2026年10月2日午前10時に始まる。エントリーフォームも同時刻に公開される予定だ。