フェルスタッペン、14番手から後続に18秒差の圧勝劇でレッドブル1-2!角田裕毅 無念 / F1ベルギーGP《決勝》結果とダイジェスト
2022シーズンのFIA-F1世界選手権第14戦ベルギーGP決勝レースが8月28日にスパ・フランコルシャンで行われ、14番グリッドのマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が後続に17.841秒もの大差を付ける大逆転優勝を飾った。
予選最速ながらもパワーユニット(PU)交換ペナルティで14番グリッドに着いたフェルスタッペンは、1周目に6ポジションアップを果たすと8周目に表彰台圏内に浮上。18周目にトップに浮上するとレースを支配下に置き、ファステストラップの1点を含む満額26ポイントを掴み取った。
2位にはチームメイトのセルジオ・ペレスが続き、レッドブル・レーシングが1-2フィニッシュの圧勝を飾った。3位表彰台にはタイヤのデグラデーションに苦しんだポールポジションのカルロス・サインツ(フェラーリ)が続く結果となった。
ジョージ・ラッセル(メルセデス)は好ペースを刻んでサインツに迫ったものの、2.2秒及ばず4位でチェッカーを受けた。チームメイトのルイス・ハミルトンは1周目に自らのミスでフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)と接触。リタイヤを喫した。
なお、事故後にメディカルチェックを拒否したとしてスチュワードはハミルトンを警告処分とすると共に、罰則強化も辞さない構えを示した。
フェルスタッペンと同じくPU降格で14番グリッドからスタートしたシャルル・ルクレールは5位フィニッシュを果たすも、ファステスト狙いで敢行したラスト2周のピットストップの際に痛恨のピットレーン速度違反を犯して5秒ペナルティを科され、最終6位に後退した。
代わって5位に輝いたのはアロンソ。僚友エステバン・オコンを7位に従え、アルピーヌが大量得点を挙げた。8位にはセバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)が続いた。
ピエール・ガスリー(アルファタウリ)はピットレーンスタートながらも9位入賞を飾り、アレックス・アルボン(ウィリアムズ)が10位に滑り込んだ。
角田裕毅はガスリーと同じくピットレーンからスタート。一時は7番手を走行していたものの、最初のピットストップで大きくタイムをロス。入賞まで後3.3秒という13位でレースを終えた。
レース概要
決勝は日本時間28日(日)22時にブラックアウトを迎え、1周7,004mのコースを44周する事で争われた。現地フランコルシャンは晴れ、チャンピオンシップポイントを争う決勝のフォーメーションラップは気温21.2℃、路面35.8℃、湿度42%、気圧971.2hPaのドライコンディションで開始された。
公式タイヤサプライヤーのピレリは中間レンジのC2からC4までのコンパウンドを投入。角田裕毅のみハードタイヤを、フェルスタッペン、フェラーリ勢、バルテリ・ボッタス(アルファロメオ)の4台はソフトを、それ以外の15台はミディアムをスタートタイヤに選択した。
詳細は不明ながらも、問題が生じたとしてアルファタウリはガスリーを急遽、ピットレーンスタートとした。
Gasly in the garage
He'll be starting from the pit lane alongside his team mate Tsunoda #BelgianGP #F1 pic.twitter.com/kXY660NSbh
— Formula 1 (@F1) August 28, 2022
注目のオープニングラップでは、最前列2番手のペレスが蹴り出しで遅れて5番手に後退 。フェルスタッペンはポジションを6つ上げて8番手に浮上した。
レ・コーム(ターン5)では、ハミルトンがイン側のアロンソに覆い被さる形で接触。44号車メルセデスW13は大きく宙に浮き、落下の際に路面に激しく打ち付けられリタイヤ第1号となった。
「なんて愚かなヤツなんだ!外からドアを閉めてきやがった。せっかく最高のスタートを切ったのに、こいつはトップからのスタート以外にどうドライビングすれば良いのかも分からねのかよ」とアロンソは無線で怒りを爆発させた。ただ、スチュワードはレーシングインシデントと判断した。
2周目には同じ場所でニコラス・ラティフィ(ウィリアムズ)がコントロールを失いスピン。セーフティカーが導入された。
これに巻き込まれたボッタスはグラベルに囚われヘルメットを脱いだ。一方のラティフィはフロントウイングを交換して隊列に戻ると、18位でレースを終えた。
LAP 2/44
More contact, this time between Latifi and Bottas at Turn 7. Both drivers are ok.
The collision brings out the Safety Car#BelgianGP #F1 pic.twitter.com/GoL3IKx5oK
— Formula 1 (@F1) August 28, 2022
この間、ルクレールは右フロントのブレーキダクトにティアオフが挟まってしまい緊急ピットインを余儀なくされ、最後尾にまで転落した。ルクレールは失意のチェッカーを経て無線で「ティアオフの糞ったれめ!」と感情を爆発させた。
レースは5周目にリスタートを迎えた。フェルスタッペンは7周目にラッセルを交わして表彰台圏内に浮上すると、15周目のケメルストレートでチームメイトを抜き去り名目上のトップに躍り出た。
ピットが動きだしたのは9周目。先陣を切ってガスリーとアルボンがミディアムからハードに交換。11周目にラップリーダーのサインツが、14周目にはペレスが、そしてその翌周にはフェルスタッペンが各々ミディアムに履き替えた。
18周目、フェルスタッペンがサインツを交わして名実ともにラップリーダーに躍り出ると、21周目にはペレスがサインツをオーバーテイク。レッドブルがワンツー体制を築いた。
ハードスタートの角田裕毅は誰よりも長く第1スティントを引っ張り、18周目にミディアムタイヤに交換。作業に手間取ったか、9秒以上のロスタイムがあり、17番手でコースに復帰した。
フェラーリ勢はデグラデーションに苦しみ、26周目に早くも2回目のピットストップを敢行。サインツはハードに、ルクレールはミディアムに履き替えた。
レッドブル陣営はその翌周に反応。ペレスをピットインさせるとハードを履かせてサインツの前でコースに送り出した。フェルスタッペンは31周目に最後のピットストップを消化。ミディアムタイヤに履き替え、余裕を持ってトップでコースに復帰すると、最後まで独走を貫いた。
2022年F1第14戦ベルギーGP決勝リザルト
Pos | No | Driver | Team | Laps | Time | PTS |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | フェルスタッペン | レッドブル | 44 | 1:25:52.894 | 26 |
2 | 11 | ペレス | レッドブル | 44 | +17.841s | 18 |
3 | 55 | サインツ | フェラーリ | 44 | +26.886s | 15 |
4 | 63 | ラッセル | メルセデス | 44 | +29.140s | 12 |
5 | 14 | アロンソ | アルピーヌ | 44 | +73.256s | 10 |
6 | 16 | ルクレール | フェラーリ | 44 | +74.936s | 8 |
7 | 31 | オコン | アルピーヌ | 44 | +75.640s | 6 |
8 | 5 | ベッテル | アストンマーチン | 44 | +78.107s | 4 |
9 | 10 | ガスリー | アルファタウリ | 44 | +92.181s | 2 |
10 | 23 | アルボン | ウィリアムズ | 44 | +101.900s | 1 |
11 | 18 | ストロール | アストンマーチン | 44 | +103.078s | 0 |
12 | 4 | ノリス | マクラーレン | 44 | +104.739s | 0 |
13 | 22 | 角田裕毅 | アルファタウリ | 44 | +105.217s | 0 |
14 | 24 | 周冠宇 | アルファロメオ | 44 | +106.252s | 0 |
15 | 3 | リカルド | マクラーレン | 44 | +107.163s | 0 |
16 | 20 | マグヌッセン | ハース | 43 | +1 lap | 0 |
17 | 47 | シューマッハ | ハース | 43 | +1 lap | 0 |
18 | 6 | ラティフィ | ウィリアムズ | 43 | +1 lap | 0 |
NC | 77 | ボッタス | アルファロメオ | 1 | DNF | 0 |
NC | 44 | ハミルトン | メルセデス | 0 | DNF | 0 |
コンディション
天気 | 晴れ |
---|---|
気温 | 21.2℃ |
路面温度 | 35.8℃ |
周回数 | 44 |
セッション概要
グランプリ名 | F1ベルギーGP |
---|---|
レース種別 | 決勝 |
レース開始日時 |
サーキット
名称 | スパ・フランコルシャン |
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設立 | 1921年 |
全長 | 7004m |
コーナー数 | 19 |
周回方向 | 時計回り |