最速タイムを刻みグランドスタンドのファンに手を振るマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、2022年8月27日F1ベルギーGP予選
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最速フェルスタッペンの降格でサインツPP!角田裕毅は好機活かせず / F1ベルギーGP《予選》結果とダイジェスト

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2022年シーズンのFIA-F1世界選手権第14戦ベルギーGPの公式予選が8月27日にスパ・フランコルシャンで行われ、週末を圧倒し続けたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が1分43秒665という圧巻の最速タイムを刻んだ。

ただ、パワーユニット交換ペナルティが科される事から、0.632秒遅れの2番手を刻んだカルロス・サインツ(フェラーリ)が繰り上がりのポールポジションを獲得する結果となった。ディフェンディング・チャンピオンは15番グリッドに並ぶ。

予選後のグリッドで話を交わすセルジオ・ペレス(レッドブル)とカルロス・サインツ(フェラーリ)、2022年8月27日F1ベルギーGPCourtesy Of Red Bull Content Pool

予選後のグリッドで話を交わすセルジオ・ペレス(レッドブル)とカルロス・サインツ(フェラーリ)、2022年8月27日F1ベルギーGP

FP3でトップタイムを刻んだセルジオ・ペレス(レッドブル)は、肝心の予選でサインツに0.165秒及ばず3番手に留まった。決勝ではフロントロー2番手に並ぶ。

フェルスタッペンと同じく「バック・オブ・ザ・グリッド」のシャルル・ルクレール(フェラーリ)は4番手タイムを刻み16番グリッドを、エステバン・オコン(アルピーヌ)は5番手をマークして17番グリッドを確保した。

今週末は計7名にグリッド降格ペナルティが科された。その内、フェルスタッペンとルクレール、オコンを含む6名は最後尾スタートの対象で、15~20番グリッドを懸けて予選を争う事となった。バルテリ・ボッタス(アルファロメオ)は25番グリッド降格で、自動的に14番グリッドを手にした。

フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)は6番手、ルイス・ハミルトン(メルセデス)は7番手を刻んだ。前の3台が降格となるため、各々レースでは2列目に並ぶ。

8番手にはジョージ・ラッセル(メルセデス)、9番手にはアレックス・アルボン(ウィリアムズ)、10番手にはランド・ノリス(マクラーレン)が続く結果となった。アルボンのQ3進出は今季初。

アルファタウリ勢はピエール・ガスリーが12番手タイムでQ2進出を果たした一方、角田裕毅はミスを喫して19番手でQ1敗退を喫する事となり、降格祭の好機を活かす事はできなかった。

予選Q1:角田裕毅がノックアウト

直前のFP3に引き続き現地フランコルシャンはどんよりとした空に覆われ、決勝のスタートグリッドを決する争いは気温15℃、路面20.7℃、湿度85%、気圧969hPaのドライコンディションでスタートした。

公式タイヤサプライヤーのピレリはハード(白色)にC2、ミディアム(黄色)にC3、ソフト(赤色)にC4コンパウンドを持ち込んだ。

サポートレースのポルシェ・スーパーカップの予選中にターン12で発生したクラッシュに伴うバリア修復のため、F1の予選セッションは開始時刻が25分延期された。

「オー・ルージュで雨がパラパラ降っている」との報告が飛ぶ中、角田裕毅は最終ラップの最終シケインでタイヤスモークを上げコースアウト。0.35秒及ばずQ1敗退を喫した。

ランス・ストロール(アストンマーチン)は最後のアタックでノックアウト・ゾーンから脱するも、チームメイトのセバスチャン・ベッテルは16番手で敗退した。

ニコラス・ラティフィが17番手に沈んだ一方、ウィリアムズの僚友アルボンは堂々の6番手を刻んだ。

レッドブル及びフェラーリのトップ4は2回の計測ラップは必要ないと判断。早々にガレージに籠もり、Q2以降に備えた。

Pos Driver Team Time Gap Laps
1 マックス・フェルスタッペン レッドブル・RBPT 1:44.581 3
2 カルロス・サインツ フェラーリ 1:45.050 + 0.469 3
3 セルジオ・ペレス レッドブル・RBPT 1:45.377 + 0.796 3
4 シャルル・ルクレール フェラーリ 1:45.572 + 0.991 4
5 ジョージ・ラッセル メルセデス 1:45.650 + 1.069 8
6 アレックス・アルボン ウィリアムズ・メルセデス 1:45.672 + 1.091 6
7 ルイス・ハミルトン メルセデス 1:45.736 + 1.155 8
8 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 1:45.745 + 1.164 6
9 エステバン・オコン アルピーヌ・ルノー 1:46.039 + 1.458 5
10 フェルナンド・アロンソ アルピーヌ・ルノー 1:46.075 + 1.494 5
11 周冠宇 アルファロメオ・フェラーリ 1:46.178 + 1.597 6
12 ピエール・ガスリー アルファタウリ・RBPT 1:46.183 + 1.602 6
13 ダニエル・リカルド マクラーレン・メルセデス 1:46.212 + 1.631 6
14 ランス・ストロール アストンマーチン・メルセデス 1:46.256 + 1.675 6
15 ミック・シューマッハ ハース・フェラーリ 1:46.342 + 1.761 8
16 セバスチャン・ベッテル アストンマーチン・メルセデス 1:46.344 + 1.763 6
17 ニコラス・ラティフィ ウィリアムズ・メルセデス 1:46.401 + 1.820 7
18 ケビン・マグヌッセン ハース・フェラーリ 1:46.557 + 1.976 6
19 角田裕毅 アルファタウリ・RBPT 1:46.692 + 2.111 6
20 バルテリ・ボッタス アルファロメオ・フェラーリ 1:47.866 + 3.285 5

予選Q2:マクラーレンとアルピーヌが牽引対決

レッドブル勢は1回目の計測を終えてトップ2を独占し、その後はガレージに留まった。暫定トップのフェルスタッペンは中古でのアタックだった。

アルピーヌとマクラーレンは共に、降格ドライバーにチームメイトを牽引させる作戦を決行。アロンソは8番手でQ3進出を果たしたが、ダニエル・リカルドはノリスが9番手を刻む一方、1000分の92秒及ばず11番手で敗退した。

アルボンは10番手に滑り込みQ3進出を達成。ガスリーは0.15秒届かず12番手で涙を飲んだ。降格組の周冠宇対ミック・シューマッハ(ハース)の争いは、13番手をマークした中国人ドライバーに軍配が上がった。

Pos Driver Team Time Gap Laps
1 シャルル・ルクレール フェラーリ 1:44.551 10
2 マックス・フェルスタッペン レッドブル・RBPT 1:44.723 + 0.172 6
3 セルジオ・ペレス レッドブル・RBPT 1:44.794 + 0.243 6
4 カルロス・サインツ フェラーリ 1:45.418 + 0.867 8
5 ルイス・ハミルトン メルセデス 1:45.420 + 0.869 14
6 ジョージ・ラッセル メルセデス 1:45.461 + 0.910 14
7 エステバン・オコン アルピーヌ・ルノー 1:45.475 + 0.924 10
8 フェルナンド・アロンソ アルピーヌ・ルノー 1:45.552 + 1.001 11
9 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 1:45.603 + 1.052 11
10 アレックス・アルボン ウィリアムズ・メルセデス 1:45.675 + 1.124 12
11 ダニエル・リカルド マクラーレン・メルセデス 1:45.767 + 1.216 9
12 ピエール・ガスリー アルファタウリ・RBPT 1:45.827 + 1.276 12
13 周冠宇 アルファロメオ・フェラーリ 1:46.085 + 1.534 12
14 ランス・ストロール アストンマーチン・メルセデス 1:46.611 + 2.060 12
15 ミック・シューマッハ ハース・フェラーリ 1:47.718 + 3.167 13

予選Q3:牽引活かせずもサインツがポール

フェラーリは当初の計画とは異なり、誤ってルクレールに新品タイヤを履かせた事を認めた。どうやらレース向けに温存するプランだったようだ。

1分43秒665の暫定ポールタイムを刻んだフェルスタッペンは、ペレスを牽引する事なく最終計測を前にクルマを降りた。

1セット目に4番手を刻んだルクレールも一旦マシンを降りたが、その後再び乗り込み、アウトラップでサインツにスリップストリームを与えた。

サインツは僚友の支援を受けるも、全セクターで自己ベストに届かず。ただ、ペレスも同じ様に不発に終わったために2番手をキープした。

唯一、1アタックに懸けたアロンソは6番手をマーク。メルセデス勢はハミルトンが7番手、ラッセルが8番手に続いた。

2022年F1ベルギーグランプリ決勝レースは日本時間8月28日(日)22時にフォーメーションラップが開始され、1周7,004mのスパ・フランコルシャンを44周する事でチャンピオンシップを争う。

2022年F1第14戦ベルギーGP予選リザルト

Pos No Driver Team Q1 Q2 Q3 Laps
1 1 マックス・フェルスタッペン レッドブル・RBPT 1:44.581 1:44.723 1:43.665 9
2 55 カルロス・サインツ フェラーリ 1:45.050 1:45.418 1:44.297 14
3 11 セルジオ・ペレス レッドブル・RBPT 1:45.377 1:44.794 1:44.462 12
4 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 1:45.572 1:44.551 1:44.553 14
5 31 エステバン・オコン アルピーヌ・ルノー 1:46.039 1:45.475 1:45.180 15
6 14 フェルナンド・アロンソ アルピーヌ・ルノー 1:46.075 1:45.552 1:45.368 16
7 44 ルイス・ハミルトン メルセデス 1:45.736 1:45.420 1:45.503 20
8 63 ジョージ・ラッセル メルセデス 1:45.650 1:45.461 1:45.776 20
9 23 アレックス・アルボン ウィリアムズ・メルセデス 1:45.672 1:45.675 1:45.837 18
10 4 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 1:45.745 1:45.603 1:46.178 14
11 3 ダニエル・リカルド マクラーレン・メルセデス 1:46.212 1:45.767 9
12 10 ピエール・ガスリー アルファタウリ・RBPT 1:46.183 1:45.827 12
13 24 周冠宇 アルファロメオ・フェラーリ 1:46.178 1:46.085 12
14 18 ランス・ストロール アストンマーチン・メルセデス 1:46.256 1:46.611 12
15 47 ミック・シューマッハ ハース・フェラーリ 1:46.342 1:47.718 13
16 5 セバスチャン・ベッテル アストンマーチン・メルセデス 1:46.344 6
17 6 ニコラス・ラティフィ ウィリアムズ・メルセデス 1:46.401 7
18 20 ケビン・マグヌッセン ハース・フェラーリ 1:46.557 6
19 22 角田裕毅 アルファタウリ・RBPT 1:46.692 6
20 77 バルテリ・ボッタス アルファロメオ・フェラーリ 1:47.866 5

コンディション

天気曇り
気温15℃
路面温度20.7℃

セッション概要

グランプリ名 F1ベルギーGP
セッション種別 予選
セッション開始日時

サーキット

名称 スパ・フランコルシャン
設立 1921年
全長 7004m
コーナー数 19
周回方向 時計回り

F1ベルギーGP特集