ルクレール、給油問題のペレス抑えて4戦連続ポール!角田裕毅は堂々8番手 / F1アゼルバイジャンGP《予選》結果とダイジェスト
2022年シーズンのFIA-F1世界選手権8戦アゼルバイジャンGPの公式予選が6月11日にバクー市街地コースで行われ、スクーデリア・フェラーリのシャルル・ルクレールが圧巻のラップを決め、4戦連続、今季6回目のポールポジションを獲得した。
ルクレールと共に最前列2番手に並ぶのはセルジオ・ペレス。レッドブルのチームメイト、マックス・フェルスタッペンを1000分の65秒差で3番手に抑えた。カルロス・サインツは4番手に続いた。
Q3の最終ラップに向けてコースインが遅れたペレスは「最後にエンジンに問題が出てしまい始動できず、トウ無しで走らなきゃなかった。どれだけ失ったかは分からないけど、理想的とは言えなかった」と振り返った。
レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表はこれについて「燃料補給の際にちょっとした問題があって、残念ながら遅れてしまった。トウがあればもっと近づけたと思うが、それを差し引いても今日はポールに足るペースがなかったと思う」と補足した。
バクー市街地コースでは最終セクターでスリップストリームを得られるかどうかがラップタイムを大きく左右する。だたフェラーリのマッティア・ビノット代表は予選を前に、第2セクターまでの区間で前走車がいるとそれ以上に多くを失うとして、意図的にチームメイト間でトウを与え合う戦略を取らない意向を明かした。
中団最上位となる5番手を確保したのはメルセデスのジョージ・ラッセルだった。アルファタウリのピエール・ガスリーは0.133秒届かず6番手となり、ルイス・ハミルトンが7番手に続いた。
角田裕毅は2名のF1ワールドチャンピオンを従える堂々の8番手を刻んだ。セバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)が9番手、フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)が10番手に並んだ。
予選Q1:ストロールがクラッシュ
FP3の開始遅延に伴い決勝のスタートグリッドを決する争いは15分遅れとなり、気温25℃、路面37.1℃、湿度67%、気圧1015.5hPaのドライコンディションでスタートした。公式タイヤサプライヤーのピレリはハード(白色)にC3、ミディアム(黄色)にC4、ソフト(赤色)にC5コンパウンドを持ち込んだ。
残り4分でランス・ストロール(アストンマーチン)がTecProバリアに正面から突っ込んだ。目視できる限りダメージはなく、そのまま計測ラップに向かったものの、直後にターン2でクラッシュを喫して今週末初となる赤旗が振られた。
Stroll is ok but there is debris strewn across the track
The Q1 clock has stopped with 2m 30s remaining ⏱#AzerbaijanGP #F1 pic.twitter.com/VJFWfMue9W
— Formula 1 (@F1) June 11, 2022
時計は残り2分30秒で止められ、ピットレーンはセッション再開を待つマシンで大渋滞となった。
残り時間が限られる中、後方車両はレースさながらのトラックポジションバトルを繰り広げた。幸いにも全車が時間内に最終ラップをスタートさせたが、後方勢にタイム改善の余地は殆どなかった。
ハースとウィリアムズはWノックアウト。ノックアウト・ゾーンに沈んでいたバルテリ・ボッタス(アルファロメオ)は15番手ギリギリで突破を果たした。
最終ラップではアロンソがエスケープに逃れ、セクター2に一時期旗が振られた。アロンソの後方を走行していて17番手で敗退したアレックス・アルボンは「あいつにはペナルティが必要だ。こんなの馬鹿げている」と憤りをあらわにした。
「ラップを通して、わざと低速で走行していた。馬鹿げてる。あれほど早めにブレーキングしておきながら、コースオフするなんて」
Pos | Driver | Team | Time | Gap | Laps |
---|---|---|---|---|---|
1 | フェルスタッペン | レッドブル | 1:42.722 | 7 | |
2 | ペレス | レッドブル | 1:42.733 | + 0.011 | 6 |
3 | ルクレール | フェラーリ | 1:42.865 | + 0.143 | 7 |
4 | サインツ | フェラーリ | 1:42.957 | + 0.235 | 7 |
5 | ガスリー | アルファタウリ | 1:43.268 | + 0.546 | 11 |
6 | ベッテル | アストンマーチン | 1:43.279 | + 0.557 | 7 |
7 | 角田裕毅 | アルファタウリ | 1:43.595 | + 0.873 | 10 |
8 | ラッセル | メルセデス | 1:43.754 | + 1.032 | 10 |
9 | 周冠宇 | アルファロメオ | 1:43.777 | + 1.055 | 9 |
10 | オコン | アルピーヌ | 1:43.903 | + 1.181 | 7 |
11 | ハミルトン | メルセデス | 1:43.939 | + 1.217 | 9 |
12 | アロンソ | アルピーヌ | 1:44.083 | + 1.361 | 8 |
13 | ノリス | マクラーレン | 1:44.237 | + 1.515 | 9 |
14 | リカルド | マクラーレン | 1:44.437 | + 1.715 | 9 |
15 | ボッタス | アルファロメオ | 1:44.478 | + 1.756 | 9 |
16 | マグヌッセン | ハース | 1:44.643 | + 1.921 | 9 |
17 | アルボン | ウィリアムズ | 1:44.719 | + 1.997 | 9 |
18 | ラティフィ | ウィリアムズ | 1:45.367 | + 2.645 | 8 |
19 | ストロール | アストンマーチン | 1:45.371 | + 2.649 | 7 |
20 | シューマッハ | ハース | 1:45.775 | + 3.053 | 9 |
予選Q2:アルファタウリ、W突破
角田裕毅は暫定Q3のポジションを確保するも、タイヤをロックさせ最終ラップを棒に振り危機的な状況に追い込まれたが、マクラーレン勢が不発に終わった事で、10番手ギリギリでQ3進出を果たした。
残り7分というタイミングでは、ベッテルがブレーキに問題を抱えたようで、Q1でのチームメイトと同じようにTecProに正面から突っ込む場面があったが、幸いにもフロントにダメージはなく、7番手で最終ラウンドに駒を進めた。
Vettel hits the barriers at Turn 15 💥
The German has reversed out and returned to the pits for repairs#AzerbaijanGP #F1 pic.twitter.com/OS8yai0Bka
— Formula 1 (@F1) June 11, 2022
Pos | Driver | Team | Time | Gap | Laps |
---|---|---|---|---|---|
1 | ペレス | レッドブル | 1:41.955 | 12 | |
2 | ルクレール | フェラーリ | 1:42.046 | + 0.091 | 13 |
3 | サインツ | フェラーリ | 1:42.088 | + 0.133 | 13 |
4 | フェルスタッペン | レッドブル | 1:42.227 | + 0.272 | 13 |
5 | ガスリー | アルファタウリ | 1:43.129 | + 1.174 | 17 |
6 | ハミルトン | メルセデス | 1:43.182 | + 1.227 | 16 |
7 | ベッテル | アストンマーチン | 1:43.268 | + 1.313 | 14 |
8 | ラッセル | メルセデス | 1:43.281 | + 1.326 | 17 |
9 | アロンソ | アルピーヌ | 1:43.360 | + 1.405 | 14 |
10 | 角田裕毅 | アルファタウリ | 1:43.376 | + 1.421 | 16 |
11 | ノリス | マクラーレン | 1:43.398 | + 1.443 | 16 |
12 | リカルド | マクラーレン | 1:43.574 | + 1.619 | 17 |
13 | オコン | アルピーヌ | 1:43.585 | + 1.630 | 13 |
14 | 周冠宇 | アルファロメオ | 1:43.790 | + 1.835 | 13 |
15 | ボッタス | アルファロメオ | 1:44.444 | + 2.489 | 13 |
予選Q3:ルクレール、圧巻のラップ
トップ10グリッドを決する予選最終ラウンドのQ3では、日も暮れ始め、路面温度は5度近く低下。ホイールを壁に擦るマシンが目立った。
1回目の計測を終えての上位4台の並びはサインツ、ルクレール、ペレス、フェルスタッペンと、走行順となった。ルクレールはターン12でリアをスライドさせ、タイムをロスした。
最終計測ではサインツがリアを滑らせセクター1で戦線離脱。後続のルクレールが全体ファステストをコンマ4秒更新するスーパーラップを決めて暫定ポールについた。
フェルスタッペンはコンマ3秒届かず3番手となり、ペレスは問題を抱えてエンジンが始動せずラップに出遅れ、コンマ28秒遅れの2番手でセッションを終えた。
2022年F1アゼルバイジャングランプリ決勝レースは日本時間6月12日(日)20時にフォーメーションラップが開始され、1周6,003mのバクー市街地コースを51周する事でチャンピオンシップを争う。
2022年F1第8戦アゼルバイジャンGP予選リザルト
Pos | No | Driver | Team | Q1 | Q2 | Q3 | Laps |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 16 | ルクレール | フェラーリ | 1:42.865 | 1:42.046 | 1:41.359 | 19 |
2 | 11 | ペレス | レッドブル | 1:42.733 | 1:41.955 | 1:41.641 | 18 |
3 | 1 | フェルスタッペン | レッドブル | 1:42.722 | 1:42.227 | 1:41.706 | 19 |
4 | 55 | サインツ | フェラーリ | 1:42.957 | 1:42.088 | 1:41.814 | 19 |
5 | 63 | ラッセル | メルセデス | 1:43.754 | 1:43.281 | 1:42.712 | 23 |
6 | 10 | ガスリー | アルファタウリ | 1:43.268 | 1:43.129 | 1:42.845 | 23 |
7 | 44 | ハミルトン | メルセデス | 1:43.939 | 1:43.182 | 1:42.924 | 22 |
8 | 22 | 角田裕毅 | アルファタウリ | 1:43.595 | 1:43.376 | 1:43.056 | 22 |
9 | 5 | ベッテル | アストンマーチン | 1:43.279 | 1:43.268 | 1:43.091 | 18 |
10 | 14 | アロンソ | アルピーヌ | 1:44.083 | 1:43.360 | 1:43.173 | 20 |
11 | 4 | ノリス | マクラーレン | 1:44.237 | 1:43.398 | 16 | |
12 | 3 | リカルド | マクラーレン | 1:44.437 | 1:43.574 | 17 | |
13 | 31 | オコン | アルピーヌ | 1:43.903 | 1:43.585 | 13 | |
14 | 24 | 周冠宇 | アルファロメオ | 1:43.777 | 1:43.790 | 13 | |
15 | 77 | ボッタス | アルファロメオ | 1:44.478 | 1:44.444 | 13 | |
16 | 20 | マグヌッセン | ハース | 1:44.643 | 9 | ||
17 | 23 | アルボン | ウィリアムズ | 1:44.719 | 9 | ||
18 | 6 | ラティフィ | ウィリアムズ | 1:45.367 | 8 | ||
19 | 18 | ストロール | アストンマーチン | 1:45.371 | 7 | ||
20 | 47 | シューマッハ | ハース | 1:45.775 | 9 |
コンディション
天気 | 晴れ |
---|---|
気温 | 25℃ |
路面温度 | 37.1℃ |
セッション概要
グランプリ名 | F1アゼルバイジャンGP |
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セッション種別 | 予選 |
セッション開始日時 |
サーキット
名称 | バクー市街地コース |
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設立 | 2016年 |
全長 | 6003m |
コーナー数 | 20 |
周回方向 | 時計回り |