バクー市街地コースを走行するフェラーリのシャルル・ルクレール、2022年6月10日F1アゼルバイジャンGP
Courtesy Of Ferrari S.p.A.

ルクレール、給油問題のペレス抑えて4戦連続ポール!角田裕毅は堂々8番手 / F1アゼルバイジャンGP《予選》結果とダイジェスト

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2022年シーズンのFIA-F1世界選手権8戦アゼルバイジャンGPの公式予選が6月11日にバクー市街地コースで行われ、スクーデリア・フェラーリのシャルル・ルクレールが圧巻のラップを決め、4戦連続、今季6回目のポールポジションを獲得した。

ルクレールと共に最前列2番手に並ぶのはセルジオ・ペレス。レッドブルのチームメイト、マックス・フェルスタッペンを1000分の65秒差で3番手に抑えた。カルロス・サインツは4番手に続いた。

予選を終えてシャルル・ルクレール(フェラーリ)と語らうセルジオ・ペレス(レッドブル)、2022年6月11日F1アゼルバイジャンGPCourtesy Of Red Bull Content Pool

予選を終えてシャルル・ルクレール(フェラーリ)と語らうセルジオ・ペレス(レッドブル)、2022年6月11日F1アゼルバイジャンGP

Q3の最終ラップに向けてコースインが遅れたペレスは「最後にエンジンに問題が出てしまい始動できず、トウ無しで走らなきゃなかった。どれだけ失ったかは分からないけど、理想的とは言えなかった」と振り返った。

レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表はこれについて「燃料補給の際にちょっとした問題があって、残念ながら遅れてしまった。トウがあればもっと近づけたと思うが、それを差し引いても今日はポールに足るペースがなかったと思う」と補足した。

バクー市街地コースでは最終セクターでスリップストリームを得られるかどうかがラップタイムを大きく左右する。だたフェラーリのマッティア・ビノット代表は予選を前に、第2セクターまでの区間で前走車がいるとそれ以上に多くを失うとして、意図的にチームメイト間でトウを与え合う戦略を取らない意向を明かした。

中団最上位となる5番手を確保したのはメルセデスのジョージ・ラッセルだった。アルファタウリのピエール・ガスリーは0.133秒届かず6番手となり、ルイス・ハミルトンが7番手に続いた。

角田裕毅は2名のF1ワールドチャンピオンを従える堂々の8番手を刻んだ。セバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)が9番手、フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)が10番手に並んだ。

バクー市街地コースを周回するアルファタウリの角田裕毅、2022年6月11日F1アゼルバイジャンGP予選にてCourtesy Of Red Bull Content Pool

バクー市街地コースを周回するアルファタウリの角田裕毅、2022年6月11日F1アゼルバイジャンGP予選にて

予選Q1:ストロールがクラッシュ

FP3の開始遅延に伴い決勝のスタートグリッドを決する争いは15分遅れとなり、気温25℃、路面37.1℃、湿度67%、気圧1015.5hPaのドライコンディションでスタートした。公式タイヤサプライヤーのピレリはハード(白色)にC3、ミディアム(黄色)にC4、ソフト(赤色)にC5コンパウンドを持ち込んだ。

残り4分でランス・ストロール(アストンマーチン)がTecProバリアに正面から突っ込んだ。目視できる限りダメージはなく、そのまま計測ラップに向かったものの、直後にターン2でクラッシュを喫して今週末初となる赤旗が振られた。

時計は残り2分30秒で止められ、ピットレーンはセッション再開を待つマシンで大渋滞となった。

残り時間が限られる中、後方車両はレースさながらのトラックポジションバトルを繰り広げた。幸いにも全車が時間内に最終ラップをスタートさせたが、後方勢にタイム改善の余地は殆どなかった。

ハースとウィリアムズはWノックアウト。ノックアウト・ゾーンに沈んでいたバルテリ・ボッタス(アルファロメオ)は15番手ギリギリで突破を果たした。

最終ラップではアロンソがエスケープに逃れ、セクター2に一時期旗が振られた。アロンソの後方を走行していて17番手で敗退したアレックス・アルボンは「あいつにはペナルティが必要だ。こんなの馬鹿げている」と憤りをあらわにした。

「ラップを通して、わざと低速で走行していた。馬鹿げてる。あれほど早めにブレーキングしておきながら、コースオフするなんて」

Pos Driver Team Time Gap Laps
1 マックス・フェルスタッペン レッドブル・RBPT 1:42.722 7
2 セルジオ・ペレス レッドブル・RBPT 1:42.733 + 0.011 6
3 シャルル・ルクレール フェラーリ 1:42.865 + 0.143 7
4 カルロス・サインツ フェラーリ 1:42.957 + 0.235 7
5 ピエール・ガスリー アルファタウリ・RBPT 1:43.268 + 0.546 11
6 セバスチャン・ベッテル アストンマーチン・メルセデス 1:43.279 + 0.557 7
7 角田裕毅 アルファタウリ・RBPT 1:43.595 + 0.873 10
8 ジョージ・ラッセル メルセデス 1:43.754 + 1.032 10
9 周冠宇 アルファロメオ・フェラーリ 1:43.777 + 1.055 9
10 エステバン・オコン アルピーヌ・ルノー 1:43.903 + 1.181 7
11 ルイス・ハミルトン メルセデス 1:43.939 + 1.217 9
12 フェルナンド・アロンソ アルピーヌ・ルノー 1:44.083 + 1.361 8
13 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 1:44.237 + 1.515 9
14 ダニエル・リカルド マクラーレン・メルセデス 1:44.437 + 1.715 9
15 バルテリ・ボッタス アルファロメオ・フェラーリ 1:44.478 + 1.756 9
16 ケビン・マグヌッセン ハース・フェラーリ 1:44.643 + 1.921 9
17 アレックス・アルボン ウィリアムズ・メルセデス 1:44.719 + 1.997 9
18 ニコラス・ラティフィ ウィリアムズ・メルセデス 1:45.367 + 2.645 8
19 ランス・ストロール アストンマーチン・メルセデス 1:45.371 + 2.649 7
20 ミック・シューマッハ ハース・フェラーリ 1:45.775 + 3.053 9

予選Q2:アルファタウリ、W突破

角田裕毅は暫定Q3のポジションを確保するも、タイヤをロックさせ最終ラップを棒に振り危機的な状況に追い込まれたが、マクラーレン勢が不発に終わった事で、10番手ギリギリでQ3進出を果たした。

残り7分というタイミングでは、ベッテルがブレーキに問題を抱えたようで、Q1でのチームメイトと同じようにTecProに正面から突っ込む場面があったが、幸いにもフロントにダメージはなく、7番手で最終ラウンドに駒を進めた。

Pos Driver Team Time Gap Laps
1 セルジオ・ペレス レッドブル・RBPT 1:41.955 12
2 シャルル・ルクレール フェラーリ 1:42.046 + 0.091 13
3 カルロス・サインツ フェラーリ 1:42.088 + 0.133 13
4 マックス・フェルスタッペン レッドブル・RBPT 1:42.227 + 0.272 13
5 ピエール・ガスリー アルファタウリ・RBPT 1:43.129 + 1.174 17
6 ルイス・ハミルトン メルセデス 1:43.182 + 1.227 16
7 セバスチャン・ベッテル アストンマーチン・メルセデス 1:43.268 + 1.313 14
8 ジョージ・ラッセル メルセデス 1:43.281 + 1.326 17
9 フェルナンド・アロンソ アルピーヌ・ルノー 1:43.360 + 1.405 14
10 角田裕毅 アルファタウリ・RBPT 1:43.376 + 1.421 16
11 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 1:43.398 + 1.443 16
12 ダニエル・リカルド マクラーレン・メルセデス 1:43.574 + 1.619 17
13 エステバン・オコン アルピーヌ・ルノー 1:43.585 + 1.630 13
14 周冠宇 アルファロメオ・フェラーリ 1:43.790 + 1.835 13
15 バルテリ・ボッタス アルファロメオ・フェラーリ 1:44.444 + 2.489 13

予選Q3:ルクレール、圧巻のラップ

トップ10グリッドを決する予選最終ラウンドのQ3では、日も暮れ始め、路面温度は5度近く低下。ホイールを壁に擦るマシンが目立った。

1回目の計測を終えての上位4台の並びはサインツ、ルクレール、ペレス、フェルスタッペンと、走行順となった。ルクレールはターン12でリアをスライドさせ、タイムをロスした。

最終計測ではサインツがリアを滑らせセクター1で戦線離脱。後続のルクレールが全体ファステストをコンマ4秒更新するスーパーラップを決めて暫定ポールについた。

フェルスタッペンはコンマ3秒届かず3番手となり、ペレスは問題を抱えてエンジンが始動せずラップに出遅れ、コンマ28秒遅れの2番手でセッションを終えた。

2022年F1アゼルバイジャングランプリ決勝レースは日本時間6月12日(日)20時にフォーメーションラップが開始され、1周6,003mのバクー市街地コースを51周する事でチャンピオンシップを争う。

2022年F1第8戦アゼルバイジャンGP予選リザルト

Pos No Driver Team Q1 Q2 Q3 Laps
1 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 1:42.865 1:42.046 1:41.359 19
2 11 セルジオ・ペレス レッドブル・RBPT 1:42.733 1:41.955 1:41.641 18
3 1 マックス・フェルスタッペン レッドブル・RBPT 1:42.722 1:42.227 1:41.706 19
4 55 カルロス・サインツ フェラーリ 1:42.957 1:42.088 1:41.814 19
5 63 ジョージ・ラッセル メルセデス 1:43.754 1:43.281 1:42.712 23
6 10 ピエール・ガスリー アルファタウリ・RBPT 1:43.268 1:43.129 1:42.845 23
7 44 ルイス・ハミルトン メルセデス 1:43.939 1:43.182 1:42.924 22
8 22 角田裕毅 アルファタウリ・RBPT 1:43.595 1:43.376 1:43.056 22
9 5 セバスチャン・ベッテル アストンマーチン・メルセデス 1:43.279 1:43.268 1:43.091 18
10 14 フェルナンド・アロンソ アルピーヌ・ルノー 1:44.083 1:43.360 1:43.173 20
11 4 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 1:44.237 1:43.398 16
12 3 ダニエル・リカルド マクラーレン・メルセデス 1:44.437 1:43.574 17
13 31 エステバン・オコン アルピーヌ・ルノー 1:43.903 1:43.585 13
14 24 周冠宇 アルファロメオ・フェラーリ 1:43.777 1:43.790 13
15 77 バルテリ・ボッタス アルファロメオ・フェラーリ 1:44.478 1:44.444 13
16 20 ケビン・マグヌッセン ハース・フェラーリ 1:44.643 9
17 23 アレックス・アルボン ウィリアムズ・メルセデス 1:44.719 9
18 6 ニコラス・ラティフィ ウィリアムズ・メルセデス 1:45.367 8
19 18 ランス・ストロール アストンマーチン・メルセデス 1:45.371 7
20 47 ミック・シューマッハ ハース・フェラーリ 1:45.775 9

コンディション

天気晴れ
気温25℃
路面温度37.1℃

セッション概要

グランプリ名 F1アゼルバイジャンGP
セッション種別 予選
セッション開始日時

サーキット

名称 バクー市街地コース
設立 2016年
全長 6003m
コーナー数 20
周回方向 時計回り

F1アゼルバイジャンGP特集