ウィリアムズのアレックス・アルボンとアルピーヌのフェルナンド・アロンソ、2022年6月11日F1アゼルバイジャンGP
Courtesy Of Williams / Alpine Racing

罰せられるべきだ!と”賢い”F1王者に憤慨のアルボン、対するアロンソの言い分は?

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故意に低速走行した挙げ句にエスケープゾーンに逃れて黄旗を出した等として、ウィリアムズのアレックス・アルボンは大ベテランのF1王者、フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)は罰せられるべきだと批判した。

ランス・ストロール(アストンマーチン)のクラッシュによりQ1で赤旗が振られた際、アロンソは11番手、対するアルボンはノックアウト・ゾーンの17番手にいた。アロンソがQ1最終ラップでエスケープに逃れた事で黄旗が振られ、背後にいたアルボンはフライングラップを終えることができず17番手で敗退を喫した。

アロンソがコース外に逃れた際、アルボンは「あいつにはペナルティが必要だ。こんなの馬鹿げている」「ラップを通して、わざと低速で走行していた。馬鹿げてる。あれほど早めにブレーキングしておきながら、コースオフするなんて」と憤りをあらわにした。

ヘルメットを脱いだアルボンは幾らか冷静さを取り戻したものの不満を隠す事はなく、アロンソは「システムを利用する」ことで後続車両のタイム計測のチャンスを奪おうとしたと主張した。

「あれはゲームさ。ラップを開始できる人数を減らすんだよ。その上で黄旗を出してQ2に駒を進めるんだ」

アルボンはアロンソに妨害されなければ「99%」確実にQ2に進出できていたはずだと主張して、インディカー・シリーズのように黄旗や赤旗を出したドライバーのラップタイムを削除するようなルールを設けるべきだと訴えた。

そして「フェルナンドに腹を立てているわけじゃない。ただ彼は賢い男だし、システムを上手く利用したんだと思ってる」と付け加えた。

対するアロンソは「不満があるのは分かる」と述べ、アルボンに同情しながらも、「リアのロックとリアブレーキのオーバーヒートが酷かった」「(ガレージに)停まった時でさえ、ブレーキから大量の煙が上がっていた」などと主張し、意図的な行為であるという主張を退けた。

更に、セバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)がターン15のバリアにぶつかったこと等を例に挙げて「今日、あのコーナーを攻略するのは決して楽だったとは思わない。それに僕のタイヤは古かったんだ」と語った。

「セバスチャンはコーナーを曲がろうとしてウォールに接触した。マクラーレンの連中はコーナーを曲がるかどうか決めかねて、僕と同じようにエスケープロードを使った」

「コンマ1秒を争う状況での判断はいつだって難しい。僕は逃げ道を確保する決断を下したんだ」

アロンソはまた「僕も何度も同じような状況に置かれた事があるから彼らの気持ちは分かるし、エステバンだってQ2に振られた黄旗のせいでQ3を逃す事になったんだと思う」として、ルール改訂の必要性を認めた。


2022年F1アゼルバイジャンGP予選ではシャルル・ルクレール(フェラーリ)が4戦連続となるポールポジションを獲得した。最前列2番手にはセルジオ・ペレス(レッドブル)が並ぶ。角田裕毅(アルファタウリ)は8番手から入賞を目指す。

決勝レースは日本時間6月12日(日)20時にフォーメーションラップが開始され、1周6,003mのバクー市街地コースを51周する事でチャンピオンシップを争う。

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