1-2フィニッシュを達成してお互いの健闘を称え合うレッドブルのマックス・フェルスタッペンとセルジオ・ペレス、2022年6月12日F1アゼルバイジャンGP決勝レース
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フェラーリ全滅…フェルスタッペン雪辱でレッドブル1-2!角田裕毅、翼折れる / F1アゼルバイジャンGP《決勝》結果とダイジェスト

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2022シーズンFIA-F1世界選手権第8戦アゼルバイジャンGP決勝レースが6月12日に行われ、予選3番グリッドのポイントリーダー、マックス・フェルスタッペンが逆転の今季5勝目を飾り、タイヤバーストにより勝利を奪われた昨年の雪辱を果たした。

2位にセルジオ・ペレスが続き、レッドブル・レーシングが第6戦スペインGP以来となる1-2フィニッシュを達成した。3位表彰台にはジョージ・ラッセル(メルセデス)が滑り込んだ。

表彰台に上がったレッドブルのセルジオ・ペレスとマックス・フェルスタッペン、メルセデスのジョージ・ラッセル、2022年6月12日F1アゼルバイジャンGP決勝レースCourtesy Of Red Bull Content Pool

表彰台に上がったレッドブルのセルジオ・ペレスとマックス・フェルスタッペン、メルセデスのジョージ・ラッセル、2022年6月12日F1アゼルバイジャンGP決勝レース

フェラーリ勢はテクニカルトラブルによって全滅した。カルロス・サインツはハイドロリック系、シャルル・ルクレールはトップを快走していたものの、エンジンが悲鳴を上げて衝撃のリタイヤを余儀なくされた。

機械的な問題によってレースを終えたのは本家だけではなかった。同じフェラーリ製F1パワーユニットを搭載するケビン・マグヌッセン(ハース)、周冠宇(アルファロメオ)もチェッカーを前にクルマを降りた。予防措置としてガレージにクルマを入れたランス・ストロール(アストンマーチン)を含め、計5台がリタイヤした。

4位はルイス・ハミルトン(メルセデス)。ピエール・ガスリー(アルファタウリ)を抑え切った。その後方には6位にセバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)、7位にフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)と、ベテランのF1王者達が続いた。

角田裕毅は入賞に向けて上位を走行していたものの、DRSのアクチュエーターが取れるアクシデントを経て、6番手を走行していた37周目にリアウイングのフラップが破損するトラブルに見舞われた。

安全上の理由からオレンジボールフラッグが振られ39周目にピットイン。テープで仮補修し、ソフトを履いて13番手でコースに戻ると、そのポジションのままにフィニッシュした。

8位にはダニエル・リカルド、9位にはランド・ノリスと、マクラーレンの2台が並び、入賞枠の最後、10位にはエステバン・オコン(アルピーヌ)が続く結果となった。

レース概要

公式タイヤサプライヤーのピレリは最も柔らかいレンジのC3からC5までのコンパウンドを投入。リカルド、オコン、ストロール、バルテリ・ボッタス(アルファロメオ)、ミック・シューマッハ(ハース)の計5台がハードを、その他はミディアムをスタートタイヤに選んだ。

決勝は日本時間12日(日)20時にブラックアウトを迎え、1周6,003mのコースを51周する事で争われた。現地バクーは晴れ、チャンピオンシップポイントを争う決勝のフォーメーションラップは気温25.9℃、路面48.2℃、湿度57%、気圧1010.2hPaのドライコンディションで開始された。

オープニングラップでは、2番グリッドのペレスがターン1のイン側に飛び込み、ルクレールを交わしてトップに浮上。フェルスタッペンも好スタートを切ったが、行き場がなく3番手をキープした。

ベッテルは角田裕毅を交わして8番手に浮上するも、13周目のターン3でエスケープに飛び出して2つポジションを失った。

フォーメーションラップ直前にクルーがクルマに振れた事で、ニコラス・ラティフィ(ウィリアムズ)は10秒のストップ&ゴーペナルティが科された。また、終盤に青旗無視で5秒ペナルティを食らい、完走15台中最下位の15位でフィニッシュした。

9周目に入ると、4番手を走行していたサインツが油圧関連のトラブルに見舞われターン4でストップ。黄旗を経てバーチャル・セーフティーカー(VSC)が導入されると、ルクレールを筆頭に、ハミルトンやベッテル、アルファタウリ勢を含む10台がピットに向かいハードタイヤに交換した。ルクレールはジャッキダウンに手間取りタイムをロスした。

レッドブル勢は対照的にステイアウトを選択。フェルスタッペンは15周目のターン1でチームメイトをパスしてトップに浮上した。タイヤに苦しみペースの上がらないペレスに対しては、エンジニアから「戦うな」との指示が飛んでいた。

その後、ピットウォールはペレスに対して17周目にピットインを指示。ところが作業で遅れ、3秒近くを失い、ルクレールの後方10秒の位置、3番手でコースに復帰した。フェルスタッペンはその2周後にピットイン。こちらもややタイムを失ったが、チームメイトの3.5秒前方でコースに戻った。

20周目、首位のルクレールがホームストレートで大量の白煙を吐き、惰性でピットへと転がり込みリタイアを喫した。だがフェラーリPU勢の悪夢は本家に留まらなかった。

24周目には12番手を走行していた周冠宇に対し、トラブル発生に付きリタイアせよとの指示がピットから飛んだ。更に33周目にはマグヌッセンがルクレールと同じように白煙を吐きストップ。再びVSCが導入された。

これを機にレッドブルはWストップを敢行。メルセデス勢、そして第1スティントを引っ張っていたリカルド及びオコンも同じようにタイヤ交換に動いた。

角田裕毅は37周目にフラップが破損。珍しくもオレンジボールが振られた。これを踏まえてか、レッドブルは首位を快走するフェルスタッペンに対し、DRSを使用しないよう指示を出した。

ドラマは終わらず、48周目にはポイント圏外を走行していたストロールがオシレーション(揺動)を理由にリタイヤした。

ペレスを抜き去りトップに躍り出た後のフェルスタッペンは俊足を刻み続け、チームメイトに20.823秒差をつけてトップチェッカーを受けた。

2022年F1第8戦アゼルバイジャンGP決勝リザルト

Pos No Driver Team Laps Time PTS
1 1 マックス・フェルスタッペン レッドブル・RBPT 51 1:34:05.941 25
2 11 セルジオ・ペレス レッドブル・RBPT 51 +20.823s 19
3 63 ジョージ・ラッセル メルセデス 51 +45.995s 15
4 44 ルイス・ハミルトン メルセデス 51 +71.679s 12
5 10 ピエール・ガスリー アルファタウリ・RBPT 51 +77.299s 10
6 5 セバスチャン・ベッテル アストンマーチン・メルセデス 51 +84.099s 8
7 14 フェルナンド・アロンソ アルピーヌ・ルノー 51 +88.596s 6
8 3 ダニエル・リカルド マクラーレン・メルセデス 51 +92.207s 4
9 4 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 51 +92.556s 2
10 31 エステバン・オコン アルピーヌ・ルノー 51 +108.184s 1
11 77 バルテリ・ボッタス アルファロメオ・フェラーリ 50 +1 lap 0
12 23 アレックス・アルボン ウィリアムズ・メルセデス 50 +1 lap 0
13 22 角田裕毅 アルファタウリ・RBPT 50 +1 lap 0
14 47 ミック・シューマッハ ハース・フェラーリ 50 +1 lap 0
15 6 ニコラス・ラティフィ ウィリアムズ・メルセデス 50 +1 lap 0
16 18 ランス・ストロール アストンマーチン・メルセデス 46 DNF 0
NC 20 ケビン・マグヌッセン ハース・フェラーリ 31 DNF 0
NC 24 周冠宇 アルファロメオ・フェラーリ 23 DNF 0
NC 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 21 DNF 0
NC 55 カルロス・サインツ フェラーリ 8 DNF 0

コンディション

天気晴れ
気温25.9℃
路面温度48.2℃
周回数51

セッション概要

グランプリ名 F1アゼルバイジャンGP
レース種別 決勝
レース開始日時

サーキット

名称 バクー市街地コース
設立 2016年
全長 6003m
コーナー数 20
周回方向 時計回り

F1アゼルバイジャンGP特集