
6台が消える波乱の開幕戦―ノリス優勝、角田は一時2位も入賞ならず / F1オーストラリアGP 2025《決勝》結果と詳報
2025年FIA-F1世界選手権の開幕戦、オーストラリアGPの決勝レースが3月16日に行われた。雨による混乱で6台が姿を消した57周のレースは、ランド・ノリス(マクラーレン)のポール・トゥ・ウインで締め括られた。通算5勝目。角田裕毅(レーシング・ブルズ)は一時、2番手を走行したが12位に終わった。
日曜のアルバート・パーク・サーキットは雨に見舞われ、フォーメーションラップからクラッシュが発生。最終的には2度のF1ワールドチャンピオン、フェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)を含む6台がチェッカーフラッグを前にクルマを降りた。
天候は不安定で、一旦はドライ路面となったが、終盤に向けて土砂降りが到来。ファイナルラップには強い日差しが照りつけた。マクラーレン勢はレース序盤から圧倒的な速さを見せていたが、一転、ドラマティックな展開となった。
2番手を走行していたオスカー・ピアストリ(マクラーレン)は最終セクションのターン12でスピン。約1分間芝に捕まり、惜しくも母国表彰台を逃して9位に終わった。ノリスも同じコーナーでコースオフしたが、すぐにコースへ復帰。インターミディエイトタイヤに交換し、優勝を果たした。これによりノリスは、キャリア初のドライバーズ選手権リーダーとなった。
マックス・フェルスタッペン(レッドブル)はステイアウトを選択したが、雨が激しくなり、やむを得ずピットに。最終周にはノリスのDRS圏内に入り猛追したが、0.895秒及ばず2位に留まった。3位表彰台はジョージ・ラッセル(メルセデス)。レース前半こそトップ争いには絡めなかったが、適切なタイヤ戦略で終盤に順位を上げた。
角田はレースを通してトップ6を争っていたが、終盤の土砂降りの中、フェラーリ勢らとともにステイアウトを選択。これにより2番手に浮上したが、ウェットコンディションでグリップを失い、順位を落とした。その後インターミディエイトタイヤに交換したものの、5番手スタートからの12位と、無念の入賞圏外に終わった。
チームメイトのルーキー、アイザック・ハジャーはフォーメーションラップ中にクラッシュし、この影響でレースは15分遅れで開始された。あまりの失望になかなかヘルメットを脱ぐことができず、ルイス・ハミルトンの父アンソニーが慰める場面があった。
Anthony Hamilton with his arm around a dejected Isack Hadjar 🥺#F1 #AusGP pic.twitter.com/YxuUpljVcw
— Formula 1 (@F1) March 16, 2025
その後のオープニングラップでもさらなるアクシデントが発生し、ジャック・ドゥーハン(アルピーヌ)が壁に突っ込んだ直後、カルロス・サインツ(ウィリアムズ)がスピン。早くもセーフティーカー(SC)が導入された。
中盤にはアロンソがクラッシュし、終盤の豪雨の中ではリアム・ローソン(レッドブル)とガブリエル・ボルトレト(ザウバー)がコントロールを失いクラッシュ。3回目のSCが導入され、レースは残り6周のスプリント勝負となった。
CHAOS!! The @astonmartin Safety Car is deployed once again 🟡
Lawson makes contact with the wall and Bortoleto is off the road#F1 #AusGP pic.twitter.com/cGjFwFPjsS
— Formula 1 (@F1) March 16, 2025
ルーキーのアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)は17番手スタートから驚異的な追い上げを見せ、4位でチェッカーを受けたが、アンセーフ・リリースにより5秒ペナルティを受け、5位に降格したものの、レース後の再審理によりペナルティが撤回されたことで4位の座を取り戻した。5位にはアレックス・アルボン(ウィリアムズ)、6位にはランス・ストロール(アストンマーチン)が入った。
Q1敗退から見事に巻き返したニコ・ヒュルケンベルグは7位でフィニッシュ。2024年のザウバーの年間総獲得ポイントを超える6ポイントを持ち帰った。
フェラーリにとっては悪夢のようなレースとなった。ルイス・ハミルトンはフェラーリ移籍後初レースで、わずか1ポイント(10位)に終わり、チームメイトのシャルル・ルクレールも8位と低迷した。レーシング・ブルズ同様、終盤の雨に際してスリックのまま走らせ続ける戦略を採用したことが仇となった。
2025年F1第1戦 オーストラリアGP 決勝リザルト
Pos | No | Driver | Team | Laps | Time | PTS |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 4 | ノリス | マクラーレン | 57 | 1:42:06.304 | 25 |
2 | 1 | フェルスタッペン | レッドブル | 57 | +0.895s | 18 |
3 | 63 | ラッセル | メルセデス | 57 | +8.481s | 15 |
4 | 23 | アルボン | ウィリアムズ | 57 | +12.773s | 12 |
5 | 12 | キミ・アントネッリ | メルセデス | 57 | +15.135s | 10 |
6 | 18 | ストロール | アストンマーチン | 57 | +17.413s | 8 |
7 | 27 | ヒュルケンベルグ | ザウバー | 57 | +18.423s | 6 |
8 | 16 | ルクレール | フェラーリ | 57 | +19.826s | 4 |
9 | 81 | ピアストリ | マクラーレン | 57 | +20.448s | 2 |
10 | 44 | ハミルトン | フェラーリ | 57 | +22.473s | 1 |
11 | 10 | ガスリー | アルピーヌ | 57 | +26.502s | 0 |
12 | 22 | 角田裕毅 | レーシングブルズ | 57 | +29.884s | 0 |
13 | 31 | オコン | ハース | 57 | +33.161s | 0 |
14 | 87 | ベアマン | ハース | 57 | +40.351s | 0 |
NC | 30 | ローソン | レッドブル | 46 | DNF | 0 |
NC | 5 | ボルトレート | ザウバー | 45 | DNF | 0 |
NC | 14 | アロンソ | アストンマーチン | 32 | DNF | 0 |
NC | 55 | サインツ | ウィリアムズ | 0 | DNF | 0 |
NC | 7 | ドゥーハン | アルピーヌ | 0 | DNF | 0 |
NC | 6 | ハジャー | レーシングブルズ | 0 | DNS | 0 |
コンディション
天気 | 雨 |
---|---|
気温 | 15℃ |
路面温度 | 19℃ |
周回数 | 57 |
セッション概要
グランプリ名 | F1オーストラリアGP |
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レース種別 | 決勝 |
レース開始日時 |
サーキット
名称 | アルバート・パーク・サーキット |
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設立 | 1996年 |
全長 | 5278m |
コーナー数 | 14 |
周回方向 | 時計回り |