マクラーレン最前列、角田はフェラーリ凌駕の5番手―”2つのビッグチーム”がチーム内明暗 / F1オーストラリアGP 2025《予選》結果と詳報

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2025年シーズンの開幕を告げるFIA-F1世界選手権1戦オーストラリアGPの予選が3月15日にアルバート・パーク・サーキットで行われ、ランド・ノリスが1分15秒096でポールポジションを獲得。オスカー・ピアストリが0.084秒差で2番手に続き、マクラーレンが最前列を独占した。角田裕毅(レーシング・ブルズ)は大健闘の3列目5番グリッドを獲得した。

マックス・フェルスタッペン(レッドブル)は第1・2セクターで全体ベストを記録し、1分15秒671で暫定トップに立ったが、マクラーレンが最終ラップでギアを一気に引き上げた。ノリスは最初のラップがターン4のトラックリミットにより抹消されたが、最終ラップは完璧にまとめ上げ、昨年のポールタイムを0.8秒上回るタイムを記録した。

下馬評以上にメルボルンでのマクラーレンMCL39のパフォーマンスは高く、3番手フェルスタッペンとの間にはコンマ3秒以上のギャップが広がった。

アルバート・パーク・サーキットを走行するランド・ノリスのマクラーレンMCL39、2025年3月15日(土) F1オーストラリアGP FP3(アルバート・パーク・サーキット)Courtesy Of Red Bull Content Pool

アルバート・パーク・サーキットを走行するランド・ノリスのマクラーレンMCL39、2025年3月15日(土) F1オーストラリアGP FP3(アルバート・パーク・サーキット)

レーシング・ブルズの2025年型マシン「VCARB 02」は、プレシーズンテストを終えた段階で、中団下位の競争力と広く予想されていた。しかし角田は、最終アタックに向けて最も遅くコースインし、0.124秒及ばなかったものの、4番手のジョージ・ラッセル(メルセデス)に迫る驚異的な走りを披露し、一気にダークホースとして浮上した。

スクーデリア・フェラーリは、ティフォシを失望させる結果となった。マクラーレンの対抗馬と見なされていたものの、シャルル・ルクレールはトップから0.659秒遅れの7番手、フェラーリに移籍した7度のF1王者ルイス・ハミルトンは8番手に留まった。

一方、ウィリアムズはトップ6を争うパフォーマンスを発揮し、アレックス・アルボンが角田に0.067秒差の6番手タイムを記録した。カルロス・サインツは10番グリッドを獲得し、ウィリアムズはマクラーレン、フェラーリと並んで、2台のマシンをQ3に進出させた唯一のチームとなった。

予選Q1:レッドブルとメルセデスが脱落する波乱の幕開け

全20台で争われる18分間の予選第一ラウンドのQ1は、いきなり波乱に見舞われた。

オリバー・ベアマン(ハース)は、FP1でのクラッシュ、その後のFP2欠場、さらにFP3でのグラベルストップという厳しいプラクティスを経て、Q1開始と同時にコースに向かったが、ギアボックスにトラブルを抱えてガレージに戻り、結局1周も走行できずに予選を終えた。

2つのビッグチームがQ1で1台を失った。

Q3に向けたタイヤ温存戦略か。メルセデスは両車ともにミディアムタイヤ(C4)を装着してコースインした後、2セット目にソフトに履き替える変則的な戦略を採った。

ラッセルは2番手通過を果たしたが、期待の新人アンドレア・キミ・アントネッリは、ホイールをグラベルに落とし、ガブリエル・ボルトレート(ザウバー)の蹴落とされ、16番手でQ1敗退を喫した。チームメイトに対して0.554秒遅れた。

Q1終了後、メルセデスはアントネッリのマシンのビブ(Tトレイ)に損傷があったことを明かし、その影響で最終2ラップでパフォーマンスを失ったと説明した。

同様に、レッドブルもチーム内で明暗が分かれた。フェルスタッペンはノリスに0.047秒差の3番手で通過したが、リアム・ローソンはチームメイトから1.076秒も遅れ、エステバン・オコン(アルピーヌ)を上回るのが精一杯。最終的に18番手でQ1ノックアウトとなった。

角田は最終ラップでハミルトンと遜色ない7番手タイムをマークし、順調にQ2に進出した。チームメイトのアイザック・ハジャーも健闘し、最初のラップでは角田を0.027秒上回る11番手につけ、最終ラップではチームメイトとの差を0.129秒に押さえ、13番手で次のラウンドに進出した。

アストンマーチンは、プレシーズンテストやイベント初日で目立った成績を残さなかったが、フェルナンド・アロンソが9番手と遂に本領を発揮。ランス・ストロールも14番手でギリギリながらQ2進出を果たした。

予選Q2:ハミルトン、黄旗スピン

5台が脱落し、残る15台が挑んだQ2。角田は最終ラップで自己ベストを更新することはできなかったが、それでも8番手でQ3進出を果たした。

一方、ハジャーは10番手のピエール・ガスリー(アルピーヌ)に0.063秒届かず、惜しくも11番手でQ2敗退となったが、F1初予選で素晴らしいパフォーマンスを示し、自身を強く印象付けた。

ウィリアムズはサインツが7番手、アルボンが9番手と、ダブルQ3進出を果たした。一方で、アストンマーチンはアロンソが12番手、ストロールが13番手でQ2敗退に終わった。

ハミルトンは残り1分という最終盤、スピンを喫して黄旗を招いたが、それでも6番手でQ3進出を果たした。このスピンによって、数名のドライバーが影響を受けた。

ガブリエル・ボルトレート(ザウバー)は17番手に終わったニコ・ヒュルケンベルグを上回り、Q2進出を果たして15番グリッドを持ち帰った。


決勝レースは日本時間3月16日(日)13時にフォーメーションラップが開始され、1周5278mのアルバート・パーク・サーキットを58周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNフジテレビNEXTで生配信・生中継される。

2025年F1第1戦オーストラリアGP予選リザルト

Pos No Driver Team Q1 Q2 Q3 Laps
1 4 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 1:15.912 1:15.415 1:15.096 20
2 81 オスカー・ピアストリ マクラーレン・メルセデス 1:16.062 1:15.468 1:15.180 18
3 1 マックス・フェルスタッペン レッドブル・ホンダRBPT 1:16.018 1:15.565 1:15.481 17
4 63 ジョージ・ラッセル メルセデス 1:15.971 1:15.798 1:15.546 21
5 22 角田裕毅 レーシングブルズ・ホンダRBPT 1:16.225 1:16.009 1:15.670 18
6 23 アレックス・アルボン ウィリアムズ・メルセデス 1:16.245 1:16.017 1:15.737 21
7 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 1:16.029 1:15.827 1:15.755 20
8 44 ルイス・ハミルトン フェラーリ 1:16.213 1:15.919 1:15.973 23
9 10 ピエール・ガスリー アルピーヌ・ルノー 1:16.328 1:16.112 1:15.980 21
10 55 カルロス・サインツ ウィリアムズ・メルセデス 1:16.360 1:15.931 1:16.062 21
11 6 アイザック・ハジャー レーシングブルズ・ホンダRBPT 1:16.354 1:16.175 12
12 14 フェルナンド・アロンソ アストンマーチン・メルセデス 1:16.288 1:16.453 13
13 18 ランス・ストロール アストンマーチン・メルセデス 1:16.369 1:16.483 15
14 7 ジャック・ドゥーハン アルピーヌ・ルノー 1:16.315 1:16.863 15
15 5 ガブリエル・ボルトレート ザウバー・フェラーリ 1:16.516 1:17.520 13
16 12 アンドレア・キミ・アントネッリ メルセデス 1:16.525 9
17 27 ニコ・ヒュルケンベルグ ザウバー・フェラーリ 1:16.579 9
18 30 リアム・ローソン レッドブル・ホンダRBPT 1:17.094 7
19 31 エステバン・オコン ハース・フェラーリ 1:17.147 9
RT 87 オリバー・ベアマン ハース・フェラーリ 1

コンディション

天気晴れ
気温30℃
路面温度41℃

セッション概要

グランプリ名 F1オーストラリアGP
セッション種別 予選
セッション開始日時

サーキット

名称 アルバート・パーク・サーキット
設立 1996年
全長 5278m
コーナー数 14
周回方向 時計回り

F1オーストラリアGP特集