レッドブルとアストンマーチンは”不公平”なタイヤ変更の犠牲者、とフェルナンド・アロンソ
F1第11戦イギリスGPで導入された新型ピレリタイヤについてフェルナンド・アロンソは、レッドブルとアストンマーチンはこの変更により不利を被った「犠牲者」かもしれないとの考えを示し、シーズン途中での変更は「不公平」だと主張した。
グランドエフェクトカーが初めて導入された昨シーズンを経て、各チームのマシンが当初の予想を上回るペースで高速化を果たしている事が確認されたため、ピレリと国際自動車連盟(FIA)は安全性を理由にシーズン途中にも関わらず、2024年に向けて開発を進めていた新しいマテリアルを前倒し採用してた構造強化版タイヤを導入した。
シルバーストン・サーキットで行われた新タイヤ導入一発目の予選でアロンソは9番手と、今シーズンのワースト記録を塗り替え、これに続くハンガリーGP予選でも8番手と沈んだ。
英「RaceFans」によると2度のF1ワールドチャンピオンは、新しいタイヤはシーズン前半に表彰台を量産したレッドブルとアストンマーチンの競争力にマイナスの影響を与えた可能性があるとして「公平ではない」と主張した。
「レッドブルとアストンマーチンにとって、シルバーストンとハンガリーは最高のサーキットではなかったように思う。僕らは犠牲者かもしれない。この先の数レースを見守るつもりだ」
また英「Autosport」によると、新タイヤの導入を機に「クルマにかなり満足しているチームがある」とも述べ、「僕らだけではなくレッドブルがこのタイヤで打撃を受けた事は間違いないと思う」と続けた。
「彼らは全ての予選で1-2、全てのレースで1-2を達成してきたのに、今ではポールポジションにすら届いていない。チェコ(ペレス)はトップ10入りに苦戦している」
「シルバーストンのレースでは、ランド(ノリス)がマックス(フェルスタッペン)の僅か3秒後方にいたと思う。シルバーストン以来、少し異常なように思う」
「僕はレッドブルがシルバーストン以来、パフォーマンスを失ったと考えているが、それは事実だ」
ハンガリーGP予選ではルイス・ハミルトン(メルセデス)が2年ぶりのポールポジションを獲得。マックス・フェルスタッペン(レッドブル)は2番手に終わり、連続ポール記録は5で潰えた。
シーズン序盤、下位に沈み続けてきたマクラーレンは3-4番手を確保し、コンストラクターズ選手権で最下位争いを演じるアルファロメオは周冠宇が驚きの5番手、バルテリ・ボッタスも7番手をマークした。
アロンソはまた、ここ数レースのアストンマーチンの競争力の低下は開発競争による側面があるとも指摘した。ライバルが続々と新たなアップグレードを投じる一方、AMR23にはさほど変化がない。
それでもなお、ポールポジションとのギャップはこれまでのシーズン平均とほぼ同じコンマ4秒程度であり、クルマは「いい感じ」だったとして、ハンガロリンクでの予選には「満足している」と語った。
また、オーバーテイクが難しいハンガロリンクの特性に触れつつも、決勝では「トップ6以内」を目指していきたいとも語った。
チーム代表を務めるマイク・クラックは「我々は通常、土曜より日曜の方が競争力がある」とした上で、デグラデーションが比較的大きいため、好成績のためには適切なレース戦略を立てる事が重要との認識を示した。
2023年F1ハンガリーGP予選ではルイス・ハミルトン(メルセデス)が2年ぶりにポールポジションを獲得し、2番手にマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、3番手にランド・ノリス(マクラーレン)が続く結果となった。
決勝レースは日本時間7月23日(日)22時にフォーメーションラップが開始され、1周4381mのハンガロリンクを70周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。