ハミルトン、0.003秒差で歴代記録更新の2年ぶりポール!角田は初戦リカルドに敗北 / F1ハンガリーGP《予選》結果とダイジェスト
2023年シーズンのFIA-F1世界選手権12戦ハンガリーGP予選が7月22日(土)にハンガロリンクで行われ、ルイス・ハミルトン(メルセデス)が今季初のポールポジションを獲得した。角田裕毅(アルファタウリ)は17番手でQ1敗退を喫した。
初めて試験導入された代替タイヤ配分方式(ATA)はプラクティスでのソフト走行の機会を減少させると共に、驚きのドラマを演出した。タイヤの供給数は通常より2セット少ない11セットに削減され、Q1はハード(C3)、Q2はミディアム(C4)、Q3はソフト(C5)に装着タイヤが制限された。
ハンガロリンクで通算8勝を誇る7度のF1ワールドチャンピオンは、1回目の計測ラップでコンマ1秒遅れの2番手に留まったが、暫定ポールのマックス・フェルスタッペン(レッドブル)は最終アラックで自己ベストを更新できず、逆転に向けての舞台が整った。
セクター別では全体ベストを残せなかったものの、ハミルトンは1000分の3秒という僅差でポイントリーダーを退け、2021年のサウジアラビアGP以来、20か月ぶり、通算104回目のポールを獲得。更には単一コースでの歴代最多ポールポジション記録(9回)を更新した。
トップ2両名のチームメイトは奮わなかった。セルジオ・ペレスはQ3にこそ進出したものの9番手に留まり、ジョージ・ラッセルに至ってはトラフィックの餌食となって18番手でQ1敗退を喫した。
マクラーレン勢はランド・ノリスが3番手、オスカー・ピアストリが4番手と、アップグレードの最終第3弾が延期されたにも関わらず堂々の好結果を手にした。アルファロメオも2台揃ってQ3に駒を進め、周冠宇が大金星の5番手を、バルテリ・ボッタスが7番手を刻んだ。
チームメイト間で明暗が分かれたのはレッドブルとメルセデスだけではない。スクーデリア・フェラーリはシャルル・ルクレールが6番手を記録した一方、カルロス・サインツは1000秒の2秒及ばず11番手でノックアウトを喫した。
アストンマーチンも8番手につけたフェルナンド・アロンソとは対照的に、ランス・ストロールは14番手でQ2敗退に終わった。
トップ10最後の一枠には契約更新が確実視されるニコ・ヒュルケンベルグが滑り込んだ。ハースのチームメイト、二人目の子が生まれたばかりのケビン・マグヌッセンは19番手に沈んだ。
注目のアルファタウリは、FP1での事故を経て旧仕様のフロントウイングに戻した角田裕毅が1000分の13秒及ばず17番手でノックアウトを喫した。クルマから降りる際、ヘッドレストを乱暴に投げ置くなど苛立った様子を見せた。
一方で復帰戦のダニエル・リカルドは今週末が初のドライブながらもアップグレードされたAT04を乗りこなし、Q2に駒を進めて13番手をマークした。
予選Q1:角田裕毅とラッセルが敗退
決勝のスターティンググリッドを決する争いは気温26℃、路面45℃のドライコンディションでスタートした。18分間の予選第一ラウンドのQ1はハードタイヤ縛りでのタイム計測が行われた。
アルファ タウリのみ1回目のランで中古タイヤを装着。ノックアウトゾーンに沈んだ後、2セットの新品タイヤを投入したが、角田裕毅は僅差で及ばず敗退を喫した。リカルドは15番手ギリギリで突破を果たした。
最終セクションでは5台以上が低速走行を強いられる大規模なトラフィックが発生。フライングラップ直前に3台に交わされたラッセルは今季初のQ1敗退を喫した。チーム代表を務めるトト・ウォルフは拳をテーブルに叩きつけ憤りをあらわにした。
なおストロールはQ1でのインシデントに関して、ボッタスに対する走行妨害の疑いがあるとしてセッション後に調査される。
予選Q2:涙をのんだサインツ
フェルスタッペンは最初のセットで昨年のポールタイムを上回る全体ベストを刻んだものの、トラックリミットによりノータイム15番手と後手に回り、マクラーレンの2台がタイムシートのトップに並んだ。
ただ、2回目のセットに履き替えると堅実に3番手をマーク。無事Q3にコマを進めた。
ルクレールは6番手で突破を果たしたが、フェラーリの僚友サインツは1000秒の2秒及ばず11番手でノックアウトした。
リカルドはストロールとピエール・ガスリー(アルピーヌ)を退け13番手と、復帰初戦の予選で見事なパフォーマンスを残した。
2023年F1ハンガリーGP決勝レースは日本時間7月23日(日)22時にフォーメーションラップが開始され、1周4381mのハンガロリンクを70周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。
2023年F1第12戦ハンガリーGP予選リザルト
Pos | No | Driver | Team | Q1 | Q2 | Q3 | Laps |
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1 | 44 | ハミルトン | メルセデス | 1:18.577 | 1:17.427 | 1:16.609 | 20 |
2 | 1 | フェルスタッペン | レッドブル | 1:18.318 | 1:17.547 | 1:16.612 | 21 |
3 | 4 | ノリス | マクラーレン | 1:18.697 | 1:17.328 | 1:16.694 | 20 |
4 | 81 | ピアストリ | マクラーレン | 1:18.464 | 1:17.571 | 1:16.905 | 20 |
5 | 24 | 周冠宇 | アルファロメオ | 1:18.143 | 1:17.700 | 1:16.971 | 22 |
6 | 16 | ルクレール | フェラーリ | 1:18.440 | 1:17.580 | 1:16.992 | 21 |
7 | 77 | ボッタス | アルファロメオ | 1:18.775 | 1:17.563 | 1:17.034 | 20 |
8 | 14 | アロンソ | アストンマーチン | 1:18.580 | 1:17.701 | 1:17.035 | 21 |
9 | 11 | ペレス | レッドブル | 1:18.360 | 1:17.675 | 1:17.045 | 23 |
10 | 27 | ヒュルケンベルグ | ハース | 1:18.695 | 1:17.652 | 1:17.186 | 20 |
11 | 55 | サインツ | フェラーリ | 1:18.393 | 1:17.703 | 15 | |
12 | 31 | オコン | アルピーヌ | 1:18.854 | 1:17.841 | 16 | |
13 | 3 | リカルド | アルファタウリ | 1:18.906 | 1:18.002 | 15 | |
14 | 18 | ストロール | アストンマーチン | 1:18.782 | 1:18.144 | 18 | |
15 | 10 | ガスリー | アルピーヌ | 1:18.743 | 1:18.217 | 16 | |
16 | 23 | アルボン | ウィリアムズ | 1:18.917 | 8 | ||
17 | 22 | 角田裕毅 | アルファタウリ | 1:18.919 | 9 | ||
18 | 63 | ラッセル | メルセデス | 1:19.027 | 9 | ||
19 | 20 | マグヌッセン | ハース | 1:19.206 | 8 | ||
20 | 2 | サージェント | ウィリアムズ | 1:19.248 | 8 |
コンディション
天気 | 晴れ |
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気温 | 26℃ |
路面温度 | 45℃ |
セッション概要
グランプリ名 | F1ハンガリーGP |
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セッション種別 | 予選 |
セッション開始日時 |
サーキット
名称 | ハンガロリンク |
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設立 | 1986年 |
全長 | 4381m |
コーナー数 | 16 |
周回方向 | 時計回り |