ハンガロリンクでトップチェッカーを受けるマックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)、2023年7月23日(日) F1ハンガリーGP決勝レース
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レッドブル、史上初12連勝の快挙!フェルスタッペンが圧勝逆転劇…角田裕毅15位 / F1ハンガリーGP《決勝》結果とダイジェスト

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2023シーズンのFIA-F1世界選手権第12戦ハンガリーGPの決勝レースが現地7月23日にハンガロリンクで行われ、マックス・フェルスタッペンが逆転の7連勝を飾り、レッドブルが1988年のマクラーレン・ホンダに並ぶ開幕11連勝、昨年のアブダビGPを含むF1史上初となる12連勝を果たした。角田裕毅(アルファタウリ)は15位に終わった。

予選2番手のポイントリーダーは1周目のターン1でポールポジションのルイス・ハミルトン(メルセデス)をパスすると、その後は一度もラップリーダーの座を譲らず、全周リードに加えてファステストラップを記録。後続に33.731秒差をつけトップチェッカーを受け、満額26ポイントを加えた。

予選3番手のランド・ノリス(マクラーレン)は2戦連続の2位表彰台に上がった。9番グリッドに着いたセルジオ・ペレスは、3台がリタイヤしたレースで6ポジションアップを果たし、目標に掲げていたポディウム復帰を果たした。

ハンガロリンクの表彰台に立つ2位のランド・ノリス(マクラーレン)、レッドブルの車両エンジニアリング責任者ポール・モナハン、優勝者のマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、3位のセルジオ・ペレス(レッドブル)、2023年7月23日(日) F1ハンガリーGP決勝レースCourtesy Of Red Bull Content Pool

ハンガロリンクの表彰台に立つ2位のランド・ノリス(マクラーレン)、レッドブルの車両エンジニアリング責任者ポール・モナハン、優勝者のマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、3位のセルジオ・ペレス(レッドブル)、2023年7月23日(日) F1ハンガリーGP決勝レース

ポールシッターのハミルトンは1周目に3ポジションを失い4位でフィニッシュした。オスカー・ピアストリは序盤、2番手を走行していたものの、戦略的観点からチームメイトのノリスにアンダーカットを許す展開となり、その後は7度のF1王者にパスされ5位と、初の表彰台は次戦以降にお預けとなった。

シャルル・ルクレール(フェラーリ)は6位フィニッシュながらもピットレーンでのスピード違反により5秒ペナルティを受けた。この結果、トラフィックの影響で予選Q1敗退の18番手からスタートしたジョージ・ラッセル(メルセデス)が追い抜き困難なハンガロリンクで大逆転の6位を手にした。カルロス・サインツはフェラーリのチームメイトに続く8位でフィニッシュした。

開発競争を通したライバルの前進もあって明らかな競争力の低下に見舞われているアストンマーチンはフェルナンド・アロンソが9位、ランス・ストロールが10位と、それでもダブルポイントを持ち帰った。

アルピーヌ勢は1周目に玉突き事故に巻き込まれダブルリタイヤを余儀なくされた。

キャリアベストの5番グリッドに着いた周冠宇(アルファロメオ)はスタートの蹴り出しで大きく遅れ、ターン1でダニエル・リカルド(レッドブル)に衝突。これによりエステバン・オコン、ピエール・ガスリーと接触が連鎖し、A523は修復不能のダメージを負った。

10ポジションダウンと後方に転落した周冠宇はその後、事故の責任を問われ5秒ペナルティを受けながらもレースを続行。失望の16位でレースを終えた。

アルファタウリ勢は、事故により早々に5つポジションを失いながらもリカルドが復帰初戦で13位を獲得した一方、角田裕毅はオープニングラップで6ポジションアップの11番手に浮上したもの、1回目のピットストップで大きくタイムをロス。15位でクルマを降りた。

レース概要

決勝は日本時間23日(日)22時にブラックアウトを迎え、1周4381mのコースを70周する事で争われた。現地ブダペストは晴れ、フォーメーションラップは週末の中で最も暑い気温28℃、路面49℃のドライコンディションで開始された。

公式タイヤサプライヤーのピレリは最も柔らかいレンジのC3からC5までのコンパウンドを投入。全車が2ストップ戦略を採り、スタートではペレスとラッセルがハードを、サインツ、ストロール、ガスリー、角田裕毅はソフトを、他はミディアムを装着した。

2023年7月23日F1ハンガリーGP決勝レースのドライバー別スタートタイヤCourtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

2023年7月23日F1ハンガリーGP決勝レースのドライバー別スタートタイヤ

ポールシッターのハミルトンはオープニングラップのターン1でフェルスタッペンに先行を許すと、続くターン2ではノリスに、ターン3でピアストリに追い抜かれた。

中団では周冠宇を起点とする4台が絡む玉突き事故が発生。巻き込まれたガスリーを除くソフト勢全車は大きく順位を上げた。

9周目、15番手を走行していたアレックス・アルボン(ウィリアムズ)が先陣を切ってピットストップに動くと、アンダーカットを防ぐべくストロール(10番手)、角田裕毅(11番手)、ボッタス(12番手)がタイヤ交換に動いた。

左フロントの脱着に手間取り、7.3秒もの静止時間を要したために角田裕毅は、アルボンの後方2.3秒の位置でコースに戻っただけでなく、ボッタスに対してもポジションを失った。

上位勢では4番手ハミルトンが16周目にピットイン。マクラーレンは翌周、先にノリスをピットに呼びカウンターを打ったため、その前方を走行していたピアストリはチームメイトにアンダーカットされる結果となった。

ルクレールも同じ周にタイヤ交換を消化したが、こちらは9.4秒ものタイムロスがあった。2回目のピットストップで僚友サインツをアンダーカットして7番手にまで戻ったものの、ピットレーンでのスピード違反という失態を犯して5秒ペナルティを受けた。

ラッセルは誰よりも長く第1スティントを引っ張り、ペレスに5番手を奪われた直後の28周目の終わりにミディアムタイヤに交換。その後は怒涛のオーバーテイクショーを繰り広げながら終盤に向けてハードを履き、文句なしの6位入賞を飾った。

残り3周では、角田裕毅(アルファタウリ)に対して15番手を防衛していたローガン・サージェント(ウィリアムズ)がスピン。その後、ガレージに入ってリタイヤした。

2023年F1第12戦ハンガリーGP決勝リザルト

Pos No Driver Team Laps Time PTS
1 1 マックス・フェルスタッペン レッドブル・ホンダRBPT 70 1:38:08.634 26
2 4 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 70 +33.731s 18
3 11 セルジオ・ペレス レッドブル・ホンダRBPT 70 +37.603s 15
4 44 ルイス・ハミルトン メルセデス 70 +39.134s 12
5 81 オスカー・ピアストリ マクラーレン・メルセデス 70 +62.572s 10
6 63 ジョージ・ラッセル メルセデス 70 +65.825s 8
7 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 70 +70.317s 6
8 55 カルロス・サインツ フェラーリ 70 +71.073s 4
9 14 フェルナンド・アロンソ アストンマーチン・メルセデス 70 +75.709s 2
10 18 ランス・ストロール アストンマーチン・メルセデス 69 +1 lap 1
11 23 アレックス・アルボン ウィリアムズ・メルセデス 69 +1 lap 0
12 77 バルテリ・ボッタス アルファロメオ・フェラーリ 69 +1 lap 0
13 3 ダニエル・リカルド アルファタウリ・ホンダRBPT 69 +1 lap 0
14 27 ニコ・ヒュルケンベルグ ハース・フェラーリ 69 +1 lap 0
15 22 角田裕毅 アルファタウリ・ホンダRBPT 69 +1 lap 0
16 24 周冠宇 アルファロメオ・フェラーリ 69 +1 lap 0
17 20 ケビン・マグヌッセン ハース・フェラーリ 69 +1 lap 0
18 2 ローガン・サージェント ウィリアムズ・メルセデス 67 DNF 0
NC 31 エステバン・オコン アルピーヌ・ルノー 2 DNF 0
NC 10 ピエール・ガスリー アルピーヌ・ルノー 1 DNF 0

コンディション

天気晴れ
気温28℃
路面温度49℃
周回数70

セッション概要

グランプリ名 F1ハンガリーGP
レース種別 決勝
レース開始日時

サーキット

名称 ハンガロリンク
設立 1986年
全長 4381m
コーナー数 16
周回方向 時計回り

F1ハンガリーGP特集