前戦衝突のジョージ&マックスが最前列、角田は2戦連続最後尾スタートへ / F1カナダGP 2025《予選》結果と詳報

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2025年FIA-F1世界選手権第10戦カナダGPの予選が、現地時間6月14日にジル・ビルヌーブ・サーキットで行われ、ジョージ・ラッセル(メルセデス)が昨年に続きポールポジションを獲得した。

角田裕毅(レッドブル)は11番手とQ2で敗退に終わった。だが、最終プラクティス中に赤旗下で他車を追い越したとして10グリッド降格ペナルティを受けるため、決勝は最後尾からスタートする。

昨年と同じ顔ぶれが最前列、冗談交じりの火花も

ラッセルと同じ最前列に並ぶのは、2週間前の前戦スペインGPで衝突したマックス・フェルスタッペン(レッドブル)だ。一件によりフェルスタッペンは、ライセンスポイントの累積が危険水域に達しており、あと1点で出場停止という状況にある。

0.16秒差でポールを獲得したラッセルは、決勝でフェルスタッペンと並ぶことについて「僕の方はまだライセンスに余裕があるから、それを活かさなきゃね」と冗談交じりにコメントした。

両者は2024年のカナダGP予選において全く同タイムを記録。先にラップを終えたラッセルがポールを獲得した。カナダGPのフロントロウは、2年連続でラッセルとフェルスタッペンという同じ顔ぶれが並ぶこととなった。

ポール争いは終盤まで熾烈を極めた。フェルスタッペンが一時的にトップに立ったものの、ラッセルが最後の最後に逆転。選手権リーダーであり、直前のFP3で”チャンピオンズ・ウォール”に接触したオスカー・ピアストリ(マクラーレン)は3番手に甘んじた。

タイヤ戦略分かれたQ3、マクラーレンの明暗

ポール争いを繰り広げた上位2台は、Q3の最後のアタックでミディアムタイヤを選択した。一方のピアストリはソフトを装着。フェルスタッペンは「正解だったと思う」と戦略に対する手応えを示した。

ピアストリが2列目を確保した一方、チームメイトのランド・ノリスは新型フロントサスペンションを装着したものの、壁との接触もあってタイムを伸ばせず7番手に終わった。

角田、僅差でQ3進出逃す

角田はQ2終盤までQ3圏内を維持していたが、最終盤にアイザック・ハジャー(レーシング・ブルズ)に蹴落とされ、至上命題としていたQ3進出を0.099秒差で逃す11番手に終わった。

最終プラクティスにおいて、赤旗下でピアストリを追い越したとして10グリッド降格ペナルティが科されたため、スペインGPに続き2戦連続で最後尾からのスタートとなる。

フェラーリは失速、ルクレールとハミルトンに明暗

スクーデリア・フェラーリ勢は、FP3では上位に顔を出していたものの、予選では結果を残せなかった。

シャルル・ルクレールはセクター1で最速を記録するも、アタックを途中で断念し8番手に終わった。前方を走行していたハジャーのダーティーエアーの影響を受けたと主張し、不満を露わにした。

一方、僚友ルイス・ハミルトンは5番手を記録。ただし、ポールのラッセルからは0.6秒以上遅れた。

アロンソ6番手、母国GPのストロールは沈む

イモラでのアップグレード導入以降、好調を維持するアストンマーチンは、フェルナンド・アロンソが6番手の好結果を残した。一方で、ランス・ストロールは母国観衆が見守る前で18番手に終わった。

ウィリアムズにトラブル続出

Q1残り6分、バックストレートを走行中のアレックス・アルボン(ウィリアムズ)のエンジンカバーが破損。大量のデブリが飛散し、セッションは赤旗中断となった。

その後、ウィリアムズのメカニックは限られた時間で修復作業を完了。この努力に応えるように、アルボンは残り1回のフライングラップで8番手を記録。見事に巻き返すると、最終的に10番グリッドを持ち帰った。

一方のカルロス・サインツは、ハジャーに走行を妨害された格好となり、17番手でQ1敗退。ウィリアムズ代表のジェームズ・ヴァウルズは「ハジャーには間違いなくペナルティが下るはずだ」とコメントした。

レーシングブルズに暗雲、ガスリー最下位

ハジャーはQ3に進出し、9番手タイムを記録したが、サインツとのインシデントにより降格ペナルティが科せられる可能性がある。

リアム・ローソンは19番手。レーシング・ブルズ復帰後最悪の予選結果となった。「一体何が起きたんだ?全く分からない」と無線で困惑した様子を見せた。

アルピーヌ勢は、フランコ・コラピントが自身最高の予選12番手を獲得し、初めて僚友ピエール・ガスリーを上回った。ガスリーは赤旗により計測ラップを断念せざるを得ず、最後のフライングラップではミスを犯し、最下位に終わった。

ガブリエル・ボルトレート(ザウバー)はわずか0.007秒差でQ1敗退。チームメイトのニコ・ヒュルケンベルグは13番手を記録した。

ハース勢はともにQ2進出を果たすも、オリバー・ベアマンは14番手、エステバン・オコンは15番手と振るわなかった。


決勝レースは日本時間6月16日(日)27時にフォーメーションラップが開始され、1周4361mのジル・ビルヌーブ・サーキットを70周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNフジテレビNEXTで生配信・生中継される。

2025年F1第10戦カナダGP予選リザルト

Pos No Driver Team Q1 Q2 Q3 Laps
1 63 ジョージ・ラッセル メルセデス 1:12.075 1:11.570 1:10.899 21
2 1 マックス・フェルスタッペン レッドブル・ホンダRBPT 1:12.054 1:11.638 1:11.059 20
3 81 オスカー・ピアストリ マクラーレン・メルセデス 1:11.939 1:11.715 1:11.120 23
4 12 アンドレア・キミ・アントネッリ メルセデス 1:12.279 1:11.974 1:11.391 21
5 44 ルイス・ハミルトン フェラーリ 1:11.952 1:11.885 1:11.526 27
6 14 フェルナンド・アロンソ アストンマーチン・メルセデス 1:12.073 1:11.805 1:11.586 27
7 4 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 1:11.826 1:11.599 1:11.625 22
8 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 1:12.038 1:11.626 1:11.682 27
9 6 アイザック・ハジャー レーシングブルズ・ホンダRBPT 1:12.211 1:12.003 1:11.867 21
10 23 アレックス・アルボン ウィリアムズ・メルセデス 1:12.090 1:11.892 1:11.907 30
11 22 角田裕毅 レッドブル・ホンダRBPT 1:12.334 1:12.102 15
12 43 フランコ・コラピント アルピーヌ・ルノー 1:12.234 1:12.142 20
13 27 ニコ・ヒュルケンベルグ ザウバー・フェラーリ 1:12.323 1:12.183 18
14 87 オリバー・ベアマン ハース・フェラーリ 1:12.306 1:12.340 19
15 31 エステバン・オコン ハース・フェラーリ 1:12.378 1:12.634 21
16 5 ガブリエル・ボルトレート ザウバー・フェラーリ 1:12.385 11
17 55 カルロス・サインツ ウィリアムズ・メルセデス 1:12.398 13
18 18 ランス・ストロール アストンマーチン・メルセデス 1:12.517 12
19 30 リアム・ローソン レーシングブルズ・ホンダRBPT 1:12.525 10
20 10 ピエール・ガスリー アルピーヌ・ルノー 1:12.667 12

コンディション

天気晴れ
気温21℃
路面温度44℃

セッション概要

グランプリ名 F1カナダGP
セッション種別 予選
セッション開始日時

サーキット

名称 ジル・ビルヌーブ・サーキット
設立 1978年
全長 4361m
コーナー数 14
周回方向 時計回り

F1カナダGP特集