
レーシングブルズ、2025年開幕目前に技術責任者エギントンが離脱―F1を離れRBATへ
2025年シーズンの開幕オーストラリアGPを週末に控えた3月10日、レーシング・ブルズのテクニカルディレクターを務めてきたジョディ・エギントンがチームを去ることが発表された。
51歳のイギリス人エンジニアは、10年以上在籍したイタリア・ファエンツァのチームを離れ、4月1日付でレッドブル・アドバンスト・テクノロジーズ(RBAT)のエンジニアリングディレクターに就任する。
Courtesy Of Red Bull Content Pool
アルファタウリのフランツ・トスト代表とテクニカルディレクターのジョディ・エギントン、2023年2月23日F1プレシーズンテスト
エギントンは1996年にティレルのジュニアデザイナーとしてキャリアをスタート。その後、ミッドランド(後のスパイカー、フォース・インディア)やチーム・ロータスを経て、2014年に当時スクーデリア・トロ・ロッソとして知られていたファエンツァのチームへ加入した。
2017年に副テクニカルディレクター、2019年にはテクニカルディレクターに昇進し、長年にわたりチームの技術部門を牽引してきた。
エギントンの退任後、レーシング・ブルズの技術部門は、最高技術責任者(CTO)であるティム・ゴスが統括し、副テクニカルディレクターのギヨーム・カッテラーニ(車両パフォーマンス担当)とアンドレア・ランディ(車両設計担当)がそれぞれの分野を指揮する形となる。
エギントンは今回の決断について、「このチームで私は10年以上にわたって素晴らしい経験を積み、多くの思い出、そして忘れられない瞬間にも恵まれた。ただ、約20年にわたってF1に専念してきたため、そろそろ変化が必要だと感じた。RBATでは現在、非常に魅力的なプロジェクトが進行しており、私はエンジニアリングディレクターとして幅広い業務に携わることになる。新たな挑戦が待ち切れない」と語った。
レッドブル・アドバンスト・テクノロジーズ(RBAT)は、レッドブル・レーシングの姉妹企業で、F1で培った高度なエンジニアリング、デザイン、技術、シミュレーション、製造能力を多岐にわたる産業分野に提供している。
主な実績としては、ハイパーカー「RB17」の開発や、モビリティ技術企業AVLとの次世代燃料電池技術の共同開発、スイスの自転車メーカーBMCと手がける高速レースバイクの設計などが挙げられる。
レーシング・ブルズのチーム代表ローラン・メキーズは、エギントンの貢献に敬意を表し、次のようにコメントした。
「ジョディは長年にわたりテクニカルディレクターとしてチームを支え、技術革新を推進し、チームの成長を促してきた。彼の専門知識と貢献に心から感謝するとともに、レッドブル・グループ内での新たな挑戦での成功を願っている」