2025年序盤は苦戦か?角田の愛機「VCARB 02」の技術的進化とレーシングブルズの不安要素

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角田裕毅が所属するレーシング・ブルズは、2025年型F1マシン「VCARB 02」のカラーリングと技術的進化の手がかりとなる実車を正式に公開した。チームは「F1 75 Live」のシーズンローンチイベントで新リバリーを披露し、その翌日にはイモラでシェイクダウンを実施した。

イモラ・サーキットでレーシング・ブルズの2025年新車「VCARB 02」をドライブするアイザック・ハジャー、2025年2月19日copyright Racing Bulls

イモラ・サーキットでレーシング・ブルズの2025年新車「VCARB 02」をドライブするアイザック・ハジャー、2025年2月19日

VCARB 02の技術的進化

VCARB 02は、昨年のVCARB 01からさらなる進化を遂げたマシンだ。特に空力設計の改良が注目される。

翼端板を含むフロントウイングとノーズ形状を最適化し、車体後方へと向かう気流を見直したほか、サイドポッドのインレットデザインには最新トレンドである「オーバーバイト型」を採用。これにより、車体全体の空力効率の向上、バランスの最適化が期待される。

チーム代表のローラン・メキーズによると、VCARB 02は昨年モデルで課題となっていた安定性の欠如を改善する方向で開発が進められたという。

イモラ・サーキットでレーシング・ブルズの2025年新車「VCARB 02」をドライブする角田裕毅、2025年2月19日copyright Racing Bulls

イモラ・サーキットでレーシング・ブルズの2025年新車「VCARB 02」をドライブする角田裕毅、2025年2月19日

レーシング・ブルズは今季も引き続き、シニアチームのレッドブルとの技術的な連携を最大限に活用し、ギアボックスやサスペンションなどの主要コンポーネントを共有する。

メキーズは、「我々は規則の範囲内で可能な限りの技術共有を行い、より一貫したパフォーマンスを目指している」と述べる一方、トランスファラブル・コンポーネントの全てを購入しているわけではないと説明した。

新たなチーム運営体制、2025年シーズンの課題

記者会見で様子をうかがうローラン・メキーズ(レーシング・ブルズ代表)、アイザック・ハジャー、角田裕毅、2025年2月18日(火) F1 75 Live(インターコンチネンタル・ロンドンO2)Courtesy Of Red Bull Content Pool

記者会見で様子をうかがうローラン・メキーズ(レーシング・ブルズ代表)、アイザック・ハジャー、角田裕毅、2025年2月18日(火) F1 75 Live(インターコンチネンタル・ロンドンO2)

レーシング・ブルズは2025年1月2日から、英国ミルトンキーンズの施設に一部機能を移転。この決定は技術開発の効率化を目的としているが、短期的には課題となる可能性がある。

メキーズは、「長期的な方向性は正しいと確信している」としながらも、「まだ準備が完全ではないため、シーズン序盤は厳しい戦いになるだろう」と慎重な見方を示した。

レーシング・ブルズは昨シーズン、コンストラクターズランキング8位にとどまった。新たなマシンと強化された体制のもと、今季はミッドフィールド上位争いを目指すことになる。VCARB 02がどこまで戦えるのか、そのパフォーマンスに注目が集まる。