スクーデリア・フェラーリの2025年型F1マシン「SF-25」のイメージ画像
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フェラーリ「SF-25」何がどう変わる?浮かび上がる設計変更と外観

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コードネーム「677」として開発が進められてきたスクーデリア・フェラーリの2025年型F1マシンの名称は、過去2シーズンの命名規則を踏襲する形となった。シャルル・ルクレールとルイス・ハミルトンに託される新車について、これまでに浮かび上がってきた内容をまとめる。

フェラーリは毎年、新型マシンの名称を厳重に秘匿してきた。かつてはマーケティング担当者が独自の名称を考案していたが、その結果として、マシン名からシーズンを判別するのが困難になることもあった。

たとえば「F138」「SF71H」「150° Italia」「SF1000」といった名称がどのシーズンのものか、すぐに答えられるだろうか。これらはすべて過去15年の間にグリッドに登場したフェラーリのF1マシンだが、一貫した命名規則がなかったため、ファンの混乱を招くこともあった。

しかし直近の2シーズンでは、統一された命名ルールが採用されている。2023年型は「SF-23」、2024年型は「SF-24」と、シンプルに数字の連番が用いられた。そして2025年型もこの流れを継続し、「SF-25」という名称が正式に発表された。

色調に変化? 2月19日に初走行へ

「SF-25」のカラーリングは、2月18日にロンドンで開催されるF1史上初の合同シーズン・ローンチイベントで初披露される予定だ。

上記の動画においても示唆されているように、今年のカラーリングには若干の変更が加えられる可能性がある。従来の赤よりもややダークな色調となり、2024年型で採用された黄色のアクセントは廃止され、代わりに白が用いられる可能性が囁かれている。

さらに、マシン最低重量の増加(798kg→800kg)により、近年のトレンドであるカーボン剥き出しの”軽量化デザイン”も影を薄める見込みだ。

イベント翌日の2月19日にはフィオラノでシェイクダウンが実施され、ハミルトンとルクレールが初走行を担当する。その後、2月末のバーレーンでのプレシーズンテストでは、本格的なテスト走行が予定されている。

フロントサスにプルロッド採用か?

カラーリングの変更だけでなく、技術面でもSF-25には大きな進化が施される。フェラーリのエンジニア陣は詳細を明らかにしていないものの、チーム代表のフレデリック・バスールは昨年末、「前季型からの流用はほとんどなく、99%が刷新される」と語っている。

特に注目されるのが、フロントサスペンションの設計変更だ。

ハースの小松礼雄代表は英国メディアに対し、2025年型マシンではフェラーリの最新型フロントサスペンションを採用しない意向を示した。チーム創設以来、ハースがフェラーリの最新パーツを導入しなかった例は一度もない。

持ち越しの理由について小松礼雄は、新型サスペンションの導入による空力的影響とリスクを挙げている。つまり、それだけ変化の影響が大きく、適応期間を考慮すると一時的にパフォーマンスが低下するリスクがあるということだ。

これは、フェラーリが従来のプッシュロッド方式から、レッドブルやマクラーレンが採用するプルロッド方式へ移行する可能性を示唆するものと考えられる。

トラクション性能についても、SF-24は気温の変化に対して脆弱で一貫性に欠けていたため、リアサスペンションの設計も大幅に見直される可能性がありそうだ。