フィオラノ・サーキットでスクーデリア・フェラーリの2023年型F1マシン「SF-23」をドライブするルイス・ハミルトン、2025年1月22日
Courtesy Of Ferrari S.p.A.

早くも試練? ハミルトン、テスト2日目にクラッシュ…新天地フェラーリでのスタートは波乱含みか

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新天地フェラーリでのルイス・ハミルトンの挑戦は予期せぬ形で幕を開けた。7度のF1ワールドチャンピオンは、カタロニア・サーキットで行われたプライベートテスト2日目に、2023年型「SF-23」をクラッシュさせた。

事故は1月29日(水)の午前、最終セクターで発生した。ハミルトンはSF-23のコントロールを失い、タイヤバリアに衝突したとみられている。報道によると、ハミルトン自身に怪我はなく、自力でマシンを降りたものの、サスペンションや一部の空力パーツが損傷するなど、車体には大きなダメージが生じたようだ。

事故の原因は現時点では明らかになっておらず、フェラーリも詳細を公表していないが、テストを統括するジェローム・ダンブロシオ率いるチームは、すでにテレメトリーデータを分析し、何らかの評価を終えているとみられる。

本来であれば、午後にはシャルル・ルクレールがマシンをドライブする予定だったが、クラッシュにより水曜日のテストプログラムは中断された。最終3日目の木曜日には、テストドライバーのアントニオ・ジョビナッツィとディノ・ベガノビッチが走行を担当する予定となっているが、事故を受けてスケジュールが変更される可能性も考えられる。

今回のテストに先立ち、フェラーリは先週、自社テストコースであるフィオラノにて今季初のTPC(旧車テスト)を実施しており、ハミルトンにとってはSF-23での走行3日目に起きたクラッシュとなった。

今季はTPCのルールが厳格化された。各チームは従来通りレギュラードライバーを起用してTPCを実施できるものの、総走行距離は1シーズンあたり1,000kmまでに制限された。

バルセロナでのテストは完全非公開で、ハミルトンが新しいマシンとチームに順応するためのプログラムの一環として行われている。ハミルトンは過去12年間をメルセデスで過ごしており、フェラーリ移籍後の適応が最初の課題となる。

なお、ハミルトンが新チームでの本格始動を前にクラッシュを喫したのは今回が初めてではない。2007年1月には、マクラーレンでのF1デビューを控えたバレンシアで高速事故に見舞われ、2013年2月には、メルセデス移籍後のヘレスでのテスト初日にクラッシュした。

ガレージ内でシャルル・ルクレールの走行を見守るルイス・ハミルトンとフェラーリのチームメンバー、2025年1月22日フィオラノ・サーキットCourtesy Of Ferrari S.p.A.

ガレージ内でシャルル・ルクレールの走行を見守るルイス・ハミルトンとフェラーリのチームメンバー、2025年1月22日フィオラノ・サーキット

今週のバルセロナテストに続いてフェラーリは来週、同じカタロニア・サーキットで2日間のピレリタイヤテストに参加する予定だ。このテストでは、昨シーズン5勝を挙げた2024年型「SF-24」が使用されるが、2026年のレギュレーションに近い特性を再現するために改良が加えられ、走行プランはピレリが決定する。

さらにハミルトンは、2月19日にフィオラノで2025年型フェラーリのシェイクダウンを行い、その後、2月26日から始まるバーレーンでのプレシーズンテストで1日半にわたり新車を走らせる予定だ。