風に過剰反応したRB20…ノリスとの大差を背景に「現実的」なフェルスタッペン、一方で望みを捨てないマルコ
予選での競争力不足と、これに伴うランド・ノリス(マクラーレン)との大差を背景にマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が決勝に向けて「現実的」なスタンスを取る一方、ヘルムート・マルコは望みを捨てていない。
オランダがF1カレンダーに復帰して以来、一貫してポール・トゥ・ウインを続けてきた地元の英雄は、最終ラップで力強いミドルセクターを走り、一時、タイムシートのトップに立って観客の大声援を受けたが、その後に暫定ポールのノリスが自己ベストを大きく塗り替えた。
70秒サーキットにおける0.356秒という差はかなり大きい。実際、パーセンテージに換算すると0.51%となるが、これはレッドブルにとって今季最大のギャップだ。
母国グランプリでフェルスタッペンがポールを逃したのは今回が初めてのことだが、同じくドライ・コンディションで行われたFP2ではマクラーレン勢とメルセデス勢の計4台に遅れを取っただけに、内容は兎も角、最前列2番グリッドというこの日の結果には満足しているという。
「全体的に少しペースが足りなかったと思う。できる限りのことはしたし、フロントロウを獲得できて本当に満足している」とフェルスタッペンは語った。
敗因の一つは風に対してセンシティブに反応したRB20だった。
「ターン11と12で少しヒヤッとする瞬間があった。予選を通してずっとそんな感じだった。風が強くて本当に厄介だった。風の影響でラップ毎に感覚が変わってしまい、基準になるものがなかった」とフェルスタッペンは説明する。
「走るたび、突風の影響でタイムを酷く失っているなと感じたコーナーが1つか2つあった。クルマが風に過剰に反応しているみたいな感じだった。その影響でラップ毎にバランスが変わってしまい、それが本当に難しかった」
「Q3の最初のラップはさほど悪くなかったと思うけど、もう少しプッシュしようとしたら、全部がかなりナーバスで、ほんとギリギリの感じだった」
予選に入るに際してライバルよりソフトタイヤのセット数が少なかったため、フェルスタッペンは制約を抱えた状態での争いを強いられた。
「Q1でもQ2でも僕はトップ5に入れなかった。もちろん、4セットしかなかったから、タイヤを温存しようとはしていたけどね。それでもポールを争っているとは一度も感じなかった」とフェルスタッペンは語る。
「だから予選を終えてフロントロウを穫れたって分かった時、まあまあかなって思ったんだ」
一転、レースでは逆にマクラーレンを凌ぐペースを発揮するというシナリオはあり得るのだろうか?
「そう願っているけど、この差を考えるとかなり厳しいと思う。それにランドが全体的にドライビングや感触に満足しているように見える一方、僕の方はバランスに苦戦しているしね。明日は少し落ち着くかもしれないけど、分からない」とフェルスタッペンは答えた。
「全力を尽くすつもりだけど、予選でコンマ3秒以上の差をつけられているわけだから、当然、現実的にならざるを得ない。兎に角、明日は良いレースをしたい」
フェルスタッペンが逆転優勝を悲観的に見ている一方でマルコは、初日を経て施した対策によって「正しい方向に進んだ」との見方を示し、クルマが安定しているため決勝に向けては「タイヤの摩耗という点で良いはずだ」と述べ、レースペースに対する期待を示した。
またノリスとのギャップについては、リアを失いフェルスタッペンが冷や汗をかいたターン11・12でのロスが響いた結果であるとの見方を示し、それがなければこれほどの差には至らなかったと仄めかした。
2024年F1オランダGP予選では、ランド・ノリス(マクラーレン)がマックス・フェルスタッペン(レッドブル)に0.356秒の大差つけてポールポジションを獲得した。
決勝レースは日本時間8月25日(日)22時にフォーメーションラップが開始され、1周4307mのザントフォールト・サーキットを72周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。