フルウェット・タイヤを履いて雨のザントフォールト・サーキットを走行するオスカー・ピアストリ(マクラーレン)、2024年8月23日F1オランダGP FP1
Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

2024年F1オランダGPアプグレ一覧:マクラーレンとウィリアムズが大規模改良、レッドブルは一部をロールバック

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夏休み明けの初戦、2024年のF1オランダGPでは、フェラーリ、メルセデス、アストンマーティン、ザウバーを除く計6チームが何らかの空力アップグレードを持ち込んだ。

注目すべきはタイトル争いを繰り広げるレッドブルとマクラーレンだろう。チャンピオンシップリーダーは一部仕様をロールバックし、躍進のマクラーレンはフロアを含む大規模な改良を投入した。

チーム フロント フロア サイドポッド カウル コックピット リア
ノーズ ウイング ダクト サス サス ウイング ビームウイング ダクト ディフューザー
レッドブル
メルセデス
フェラーリ
マクラーレン
アストンマーチン
アルピーヌ
ウィリアムズ
RB
ザウバー
ハース

レッドブルRB20

2024年F1第15戦オランダGPでレッドブルRB20に投入された空力アップグレードのエリアを明示した図copyright FIA

2024年F1第15戦オランダGPでレッドブルRB20に投入された空力アップグレードのエリアを明示した図

レッドブルはハンガリーGP仕様、つまりハイショルダー/キャノン型の冷却出口チャネルを廃止したハイダウンフォースのボディワークにロールバックした。このパッケージはモンツァを除く以降のシーズン全てで使用される見通しだ。

ザントフォールト固有の冷却要件に対応したリアボディワークの変更に合わせて、ヘイローのフェアリングとミラーステイが調整された。

マクラーレンMCL38

2024年F1第15戦オランダGPでマクラーレンMCL38に投入された空力アップグレードのエリアを明示した図copyright FIA

2024年F1第15戦オランダGPでマクラーレンMCL38に投入された空力アップグレードのエリアを明示した図

局所的なダウンフォースとフロア全体のパフォーマンスを向上させるべく、新しいフロアエッジが導入された。

フロントブレーキ・スクープは空力効率の向上が図られ、これに合わせてリアを含めて新型サスペンションが持ち込まれた。

更に、高いダウンフォースが要求されるザントフォールト向けにリアウィングとビームウィングが最適化された。

FP1ではランド・ノリスのみが新しいパッケージを使用。FP2ではオスカー・ピアストリを含めて2台がアップデート版のMCL38を走らせた。

アルピーヌA524

2024年F1第15戦オランダGPでアルピーヌA524に投入された空力アップグレードのエリアを明示した図copyright FIA

2024年F1第15戦オランダGPでアルピーヌA524に投入された空力アップグレードのエリアを明示した図

アルピーヌはフロントサスペンションの形状を見直し、車体後方へと向かうエアフローを改善した。リアブレーキダクトには、ザントフォールトの要件に応じたハイダウンフォース仕様のウィングレットが追加された。

RB VCARB 01

2024年F1第15戦オランダGPでRBのVCARB 01に投入された空力アップグレードのエリアを明示した図copyright FIA

2024年F1第15戦オランダGPでRBのVCARB 01に投入された空力アップグレードのエリアを明示した図

リアブレーキダクトの上部に大型のウィングレットを追加した。より高いダウンフォースの生成が期待される。

ウィリアムズFW46

2024年F1第15戦オランダGPでウィリアムズFW46に投入された空力アップグレードのエリアを明示した図copyright FIA

2024年F1第15戦オランダGPでウィリアムズFW46に投入された空力アップグレードのエリアを明示した図

ウィリアムズはマクラーレンと並び、大規模なアップデートをFW46に導入した。フロアは完全に刷新され、ディフューザーは僅かに変更された。

サイドポッドインレットもアップデートが施され、上部リップが拡大された。新型フロアの空力性能を最大化すべくサイドポッドも形状が変更された。

また、重量削減の観点からロールフープ構造、及びその周辺のボディワーク形状も変更された。

ハースVF-24

2024年F1第15戦オランダGPでハースVF-24に投入された空力アップグレードのエリアを明示した図copyright FIA

2024年F1第15戦オランダGPでハースVF-24に投入された空力アップグレードのエリアを明示した図

ハースは荷重分散を見直した新しいフロントウィングを導入した。ウィングの中央部分に負荷を集中させたもので、ノーズ上部を通過するエアフローを整える狙いがある。これらの変更に合わせてフロント側のアッパーウィッシュボーンや垂直デフレクターが調整された。

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