ガレージからピットレーンに向かうアレックス・アルボン(ウィリアムズ)、2024年8月23日F1オランダGP FP2
Courtesy Of Williams

アルボン、フロアの技術規定違反でF1オランダGP予選失格…ウィリアムズ徹底調査へ

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フロアボディがレギュレーションで許可された寸法に収まっておらず、車体がF1技術規則に違反していたことが発覚し、アレックス・アルボン(ウィリアムズ)がF1オランダGP予選で失格となった。

アルボンは2024年8月24日にザントフォールト・サーキットで行われた予選で、ランス・ストロール(アストンマーチン)とピエール・ガスリー(アルピーヌ)を抑えて8番手タイムを記録したが、失格処分により最後尾からレースをスタートすることになる。

英国グローブのチームはサマーブレイク明けの初戦に向けて、ディフューザー、サイドポッド・インレット、エンジンカバー、中央エアインテーク、フロアボディを含む今季初のメジャーアップグレードを投入した。

しかしながら予選後の車検でフロアボディが違法であるとの疑いが浮上。FIAのテクニカル・デリゲートを務めるジョー・バウアーの報告を受けたスチュワードは、アルボンとチーム代表者を召喚し、現地時間18時30分より聞き取り調査を行った。

スチュワードによると23号車FW46のフロアボディはF1技術規定第3条5項1号a)にて定められた規定寸法を超えていた。ウィリアムズの最高技術責任者を務めるパット・フライは「クルマの幅が広すぎたのは確かだ」と認めた。

聴聞会でウィリアムズは、FIAの測定システムのキャリブレーションおよび測定結果について異議を唱えることはしなかったが、チーム独自の測定結果はそれとは異なると主張した。

スチュワードは、FIAのシステムを使用して規則で定められた手続きの下、予選後のパルクフェルメにて行われた測定結果を有効と判断。技術規則違反と認定した。

この結果はイギリスGP以来のポイント獲得に期待を寄せていたウィリアムズに大きな衝撃を与えた。

失格裁定を受けウィリアムズは声明を通して「残念ながらフロアボディがFIAの定める規制値を超えていたためアレックスは今日の予選で失格となった。我々はこの結果に大いに失望している。徹底的な調査を行い、近日中に更新情報を提供する予定だ」と語った。

同じFW46をドライブするローガン・サージェントはFP3でのクラッシュにより、クルマの修復が間に合わず予選を欠場した。アルボンと同じスペックのフロアを装着して予選に出場していた場合、2台揃って失格の危機に立たされた可能性がある。

アルボンとサージェントは共に予選でラップタイムを記録しなかったためレースに出走する権利を持たないが、チームからの要請を受けスチュワードは、プラクティスを通して参加に足るタイムを記録していたとして2人に出走許可を与えた。

アルボンの失格に伴い9番手以降のドライバーは各々、一つ上のポジションに昇格する。ルイス・ハミルトン(メルセデス)が3グリッド降格ペナルティを受けたため、予選13番手の角田裕毅(RB)は11番グリッドに着く。

サージェントは19番グリッド、アルボンは20番グリッドからレースに臨む。

2024年シーズンの第8戦モナコGPでは、新型リアウィングのクリアランス違反により、ハースのニコ・ヒュルケンベルグとケビン・マグヌッセンが予選失格処分を受けた

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