トップチェッカーのラッセルが失格、車重が規定値に1.5kg足らず…技術規定違反でハミルトンがF1ベルギーGPウィナーに
2024年7月28日のF1ベルギーGPでトップチェッカーを受けたジョージ・ラッセル(メルセデス)が車重規定違反により失格となったことで、チームメイトのルイス・ハミルトンが今季2勝目を飾った。
スパ・フランコルシャンで行われた44周のレースでラッセルは、大胆な1ストップ戦略を成功させてメルセデスにサプライズ1-2フィニッシュを献上したものの、レース終了から約90分を経てF1技術規定第4条1項違反の可能性が浮上した。
国際自動車連盟(FIA)のテクニカル・デリゲートを務めるジョー・バウアー立ち会いの下で行われたレース後の重量検査で、ラッセルの63号車W15が最低重量制限の798kgを1.5kg下回っていることが発覚した。
当初は798kgと計量されたが、規定の手順に従って2.8リットルの燃料を排出して再度計測したところ、796.5kgであることが確認され、約1時間に及ぶ調査・検討の末にスチュワードはラッセルに失格を言い渡した。
計量に際しては2つの機器が使われた。いずれも796.5kgという同じ結果が示された。両方の機器が適切に校正されていることはメルセデスによって確認され、立会人も同席した。
聴聞会においてメルセデスのチーム代表者は、測定結果が正しいこと、必要な手続きがすべて正しく行われたことを確認した。また、チーム側は、軽減すべき事情はなく、これはチームの過失であると認めた。
F1技術規定第4条1項は「燃料を除いたクルマの重量は競技期間を通して常に798kgを下回ってはならない」と定めている。
この決定により、サマーブレイクを前にハミルトンが繰り上がりのウィナーとなって通算勝利数を105回に更新し、オスカー・ピアストリが2位、シャルル・ルクレール(フェラーリ)が3位に昇格して逆転の表彰台を獲得した。
チャンピオンシップをリードするマックス・フェルスタッペン(レッドブル)とランキング2位のランド・ノリス(マクラーレン)はそれぞれ4位と5位に繰り上がり、ダニエル・リカルド(RBフォーミュラ1)が入賞圏内最後の一枠に滑り込んで1ポイントを獲得した。
2024年F1ベルギーGP最終確定結果
Pos | No | Driver | Team | Laps | Time | PTS |
---|---|---|---|---|---|---|
DQ | 63 | ラッセル | メルセデス | 44 | 1:19:57.040 | 0 |
1 | 44 | ハミルトン | メルセデス | 44 | +0.526s | 25 |
2 | 81 | ピアストリ | マクラーレン | 44 | +1.173s | 18 |
3 | 16 | ルクレール | フェラーリ | 44 | +8.549s | 15 |
4 | 1 | フェルスタッペン | レッドブル | 44 | +9.226s | 12 |
5 | 4 | ノリス | マクラーレン | 44 | +9.850s | 10 |
6 | 55 | サインツ | フェラーリ | 44 | +19.795s | 8 |
7 | 11 | ペレス | レッドブル | 44 | +43.195s | 7 |
8 | 14 | アロンソ | アストンマーチン | 44 | +49.963s | 4 |
9 | 31 | オコン | アルピーヌ | 44 | +52.552s | 2 |
10 | 3 | リカルド | RB ホンダRBPT | 44 | +54.926s | 1 |
11 | 18 | ストロール | アストンマーチン | 44 | +63.011s | 0 |
12 | 23 | アルボン | ウィリアムズ | 44 | +63.651s | 0 |
13 | 10 | ガスリー | アルピーヌ | 44 | +64.365s | 0 |
14 | 20 | マグヌッセン | ハース | 44 | +66.631s | 0 |
15 | 77 | ボッタス | ザウバー | 44 | +70.638s | 0 |
16 | 22 | 角田裕毅 | RB ホンダRBPT | 44 | +76.737s | 0 |
17 | 2 | サージェント | ウィリアムズ | 44 | +86.057s | 0 |
18 | 27 | ヒュルケンベルグ | ハース | 44 | +88.833s | 0 |
NC | 24 | 周冠宇 | ザウバー | 5 | DNF | 0 |