「僕のジャッキ担当が同意するかは分からないけど…」とピアストリ、F1ベルギーGPはキャリアベストと評価。優勝機会逃すも
最終2位表彰台を獲得した2024年のF1ベルギーGPについてオスカー・ピアストリ(マクラーレン)は、F1キャリアにおける「ベストレースの一つ」であると評価したが、「僕のフロントジャッキマンが同意するかは分からない」と笑った。
ピアストリはトップから1.173秒遅れの3位でフィニッシュ。トップチェッカーを受けたジョージ・ラッセルが重量規定違反で失格となったことで、彼のチームメイトであるルイス・ハミルトン(メルセデス)から1.173秒遅れの2位に昇格した。
しかしながら、ピットボックスを大きく超えて静止したことで約1.5秒を余計に失った最終ピットストップでのミスがなければ、2位ではなく優勝を掴み取っていたかもしれない。
ラッセルの失格が決定される前の段階で、スパでのレースがF1でのベストレースの一つだと思うか?と問われたピアストリは「そう思う。フロントジャッキマンが同意するかは分からないけどね」と冗談めかした。
このミスを経てピアストリは、シャルル・ルクレール(フェラーリ)に追いつき、そして攻略するのに5周を要し、不要なダーティーエアーを受けタイヤを摩耗させた。
「シャルルを追い越すのは楽じゃなかった。あのラップでオーバーテイクできていなければ、おそらくずっとそのポジションに留まることになったと思う。だから、あれはこのレースのかなり決定的な瞬間だった」とピアストリは続ける。
「兎に角、スピードが足りなかったんだと思う。シャルルを追い抜くのに2周くらいかかってしまい、そうこうしている間にタイヤがオーバーヒートしてしまった」
「フロントジャッキマンを轢きかけたのは、今年2~3回目だと思うから、以降はそうなれないように気をつけるつもりだけど、結果には本当に満足しているし、これ以上のことはできなかったと思う」
ピットストップでのミスについてマクラーレンのアンドレア・ステラ代表は「オスカーは無線ですぐに『謝罪する』と言った。それが大きな損失になりかねないことを彼が理解していたからだ」と語った。
「ハミルトンの背後に並ぶだけだった可能性もあるが、アタックできる状況に持ち込めた可能性もある。ピットストップで1.5~2秒を失ったことは最終的に、比較的大きな代償になったと思う」
「あれがなければ、彼よりも先にフレッシュタイヤに履き替えたルクレールにもっと早く追いつけただろうし、もっと簡単に追い越しを決めることができたかもしれない。ちょっとした悪循環だ」
デビュー2年目を迎えたピアストリはこれまで、タイヤの使い方やレースペースにおいて僚友ランド・ノリスに劣っていたが、スパでは各コンパウンドをマネジメントし、ペースを維持してみせた。優勝のチャンスがあったことは重々、承知していることだろうが、それ以上にピアストリはこの日のレースに大きな手応えを得た。
「兎に角、ペースが本当に良かった。だから今週末は本当に気分が良かった。金曜の段階からペースはかなり力強かったように思う」とピアストリは語る。
「予選で上手くやれなかったことについては少しばかり後悔しているけど、本当に力強い、力強い週末だったし、多分、僕のレース人生の中でも最高のレースの一つだったと思う」
2024年F1第14戦ベルギーGPではトップチェッカーを受けたジョージ・ラッセル(メルセデス)が失格となり、僚友ルイス・ハミルトンが昇格の今季2勝目を挙げた。
F1サーカスはこれより4週間弱のサマーブレイクを迎える。ザントフォールト・サーキットを舞台とする次戦オランダGPは8月23日のフリー走行1で幕を開ける。