アルピーヌA523から降りるエステバン・オコン、2023年10月7日F1カタールGP(ロサイル・インターナショナル・サーキット)
Courtesy Of Alpine Racing

F1カタール多重事故、起点のエステバン・オコンがペナルティを逃れた理由…ヒュルケンベルグとペレス巻き込む

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F1カタールGPのスチュワードは2023年10月7日(土)に発生したスプリント中の多重クラッシュについて「完全に、または主に責任を負うべきドライバーはいなかった」と結論づけ、3名のいずれにもペナルティを科さないとする決定を下した。

19周のレースの11周目、8位争いを繰り広げていた3台が、完全なスリーワイドでターン2に向かい衝突した。車両回収のために3回目のセーフティーカー(SC)が導入された。事故の起点となったのはイン側にいたエステバン・オコン(アルピーヌ)だった。

オコンはニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)とポジションを争っていた事でターン1での脱出が遅れた。後方にいたセルジオ・ペレス(レッドブル)はこの利を得てアウト側から2台に並んだ。

オコンはヒュルケンベルグを右手に、ターン2に向けてコースの左端から中央方向へと移動した。サンドイッチ状態のヒュルケンベルグに逃げ場はなく、オコンがVF-23の左フロントに足を引っ掛ける形となり衝突が発生した。

ペレスはスピンしたアルピーヌA523にサイドポッドを叩かれ、2台揃ってグラベルへと飛び出した。ヒュルケンベルグは自力でガレージへと戻りクルマを降りたが、他の2人はその場でリタイヤした。

オコンについてスチュワードは「ヒュルケンベルグに視界を遮られていたために、右側でペレスが並走している事に気が付かなかった」と説明し、ターン2に向けてのオコンの動きは、仮にペレスがいなければヒュルケンベルグと並走してターン2を通過できるものだったと判断した。

そして今回の一件を「レーシング・アクシデント」と結論づけ、これ以上の措置を採らないと決定した。

この事故に巻き込まれたリタイヤした事でペレスは、今季ドライバーズ・チャンピオンシップ争いでチームメイトに敗れる事となり、マックス・フェルスタッペンがスプリント終了を待たずに3年連続のタイトルを獲得した。

VF-23に乗り込みグリッドへと向かうニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)、2023年10月7日F1カタールGP(ロサイル・インターナショナル・サーキット)Courtesy Of Haas

VF-23に乗り込みグリッドへと向かうニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)、2023年10月7日F1カタールGP(ロサイル・インターナショナル・サーキット)


2023年F1カタールGPスプリントではオスカー・ピアストリ(マクラーレン)がポール・トゥ・ウインを飾った。マックス・フェルスタッペン(レッドブル)は2位フィニッシュで3年連続、3度目のドライバーズタイトルを獲得した。

決勝レースは日本時間10月8日(日)26時にフォーメーションラップが開始され、1周5,419mのロサイル・インターナショナル・サーキットを57周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNフジテレビNEXTで生配信・生中継される。

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