角田裕毅「今のところ最下位」予選に向けて改善マスト…ソフトタイヤで不発
6月2日(金)に行われた2023 F1第8戦スペインGP初日プラクティスを17番手で終えた角田裕毅(アルファタウリ)は、現時点での自分たちのポジションは「最下位」との厳しい見方を示し、予選に向けて改善が必要だと強調した。
アルファタウリはFP1でエアロレイクやフロービズを使い、前戦モナコGPで投入したアップグレード・パッケージと今回新たに追加された新型リアウイングと翼端板の検証作業に加え、イギリスGPでの導入が計画されている構造が強化されたプロトタイプタイヤのテストに注力した。
車両パフォーマンス部門のチーフエンジニアを務めるクラウディオ・バレストリによると、FP2ではAT04から最大限のパフォーマンスを引き出すためのセットアップ作業に取り組んだ。
オープニング・セッションよりも涼しいコンディションの中で行われたFP2では、序盤のミディアムタイヤではトップ10に食い込む競争力を発揮したもののソフトタイヤでは奮わず、角田裕毅はトップから0.933秒遅れの17番手(1分14秒840)に終わった。
ニック・デ・フリースは16番手(1分14秒785)を刻み、初めて2セッション連続でチームメイトを上回るタイムを残したが、バルセロナでのAT04の競争力不足を否定するものではなかった。
2日目に向けての見通しを問われた角田裕毅は「まずまずでしたが今のところ最下位ですので、明日の予選に向けてできる限り上のポジションを獲得するために(クルマの)変更が必要なのは間違いありません」と答えた。
アルファタウリは高速コーナーではさほど遅れていないものの、ストレートと低中速コーナーでのロスが目立った。ロングランもウィリアムズやアルファロメオと最後方を争う状況で、パフォーマンスの全体的な底上げが求められる。
「ラップタイムを改善し、パッケージを最大化する方法を見つけるために、今夜は忙しい夜を過ごすことになりそうです」と角田裕毅は語る。
「明日も走行の時間がありますので気持ち新たに、自分たちの弱点に取り組んでいきたいと思います」
「いつも通り、予選Q2、そしてQ3進出を目指して今夜はエンジニアと一緒になってできる限りクルマを改善できるよう仕事に励むつもりです」
パフォーマンスを改善できない場合、Q1敗退が危惧されるところだが、15番手を刻んだケビン・マグヌッセン(ハース)とはコンマ1秒差と接近しており、また11番手につけたルイス・ハミルトン(メルセデス)ともコンマ3秒差と、中団はかなり拮抗しているだけに僅かなゲインが結果を大きく変え得る状況ではある。
なおカタロニア・サーキットは2023年大会に先立ち、第3セクターのシケインが撤廃され、コーナー数は14、全長は従来より18m短い4,657mへと変化した。
レイアウト変更の影響について角田裕毅は「最終セクションが2つのコーナーになった事でコースは確実に速くなっていますし、タイヤにも厳しくなっています」と指摘し、バレストリは「幾つかの高速コーナーでフロントアクスルに対する要求が非常に厳しくなっている」と付け加えた。
2023年F1スペインGPフリー走行2をトップで締め括ったのはマックス・フェルスタッペン(レッドブル)。フェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)とニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)をそれぞれ2番手と3番手に退けた。
3回目のフリー走行は日本時間6月3日(土)19時30分から、公式予選は同23時から1時間に渡ってカタロニア・サーキットで開催される。セッションの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。