ピエール・ガスリー、初優勝決めた記念的シーズンも「例年より楽しみが減った…ファンがいなかったからね」
アルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリーが、2020年FIA-F1世界選手権最終第17戦アブダビGPに先立って抱負を語った。
昨年のレースでガスリーは、1周目にレーシングポイントの2台と交錯してフロントウイングを破損。早々に戦線離脱を強いられ、18位でフィニッシュラインを駆け抜けた。カルロス・サインツ(マクラーレン)が10位入賞を果たした事で、ドライバーズランキング6位の座を明け渡す結果となった。
ガスリーは現在ドライバーズランキングで71点を獲得して11位につけている。10位ランス・ストロール(レーシングポイント)との差は3点、9位ランド・ノリスとは16点差だ。
ピエール・ガスリー今年はファンがいなかったのが大きい
中東での第3戦も投光照明の下で行われるレースだから、今の僕らは闇夜のフクロウって感じだね。でも、少し気温が下がる夜にレースをするのはナイスだ。アブダビやシンガポールなんかは、いつもとは違った雰囲気だから僕は好きだよ。
伝統的にアブダビでのこのチームの戦歴はあまり良くはないけど、今年はそれを変えることができるはずだし、僕は楽観的な性格だから、良い週末を過ごせると思ってる。
ヤス・マリーナ・サーキットはお気に入りのコースなんだ。特に最終セクターは非常にテクニカルで、コーナーが多いからリズムを掴んで走る事が大切だ。最初の2つのセクターにあるストレートはエンジンパワーが重視されるセクションだけど、今年はこの領域で次の一歩を踏み出せているし競争力もあるから、良いレースペースで走れるはずだ。
5ヶ月半という中で17戦を戦ってきたわけで、パドックのみんなにとっては何だか凄く奇妙で強烈に忙しいシーズンだったと思う。僕らドライバーにとっても息つく暇もない慌ただしさだったけど、メカニックやチーム関係者にとっては、移動やフライトの連続で自宅で過ごす時間がほとんどないほどだった。年末は家族と一緒に過ごせると良いね。僕もそうするつもりだし、例えウイルスに気をつけ続けなきゃならないとしても、シーズンを終えて少しリラックスできるのは嬉しい。
色々制限が厳しかったから例年より楽しみが少なくなってしまったのは確かだ。何よりも今年はサーキットでファンに会えなかったのが大きい。パドックのエネルギーや雰囲気が少し欠けていた。でも、他のスポーツは開催すら難しいものもあったわけで、全体的に言えば忙しいシーズンを過ごせたのは本当に幸運だったのだと思う。
人によっては辛い時期や嫌な思い出があったと思うけど、僕にとってはF1で初優勝を果たしたシーズンとして歴史的な1年として記憶される事になると思う。このチームにとっては過去最高のシーズンだったし、(優勝した)モンツァで感じたあの感情は決して忘れる事はできない。
アブダビGPの舞台となるのは、1周5,554m、全21コーナーを有するヤス・マリーナ・サーキット。レースは夕暮れ時から日没にかけて行われるトワイライトレース。
ドライコンディションとなった昨年のグランプリでは、ルイス・ハミルトン(メルセデス)が全周リードラップとファステストラップを記録。後続を17秒引き離してのポール・トゥ・ウインを飾った。2位はマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)、3位はシャルル・ルクレール(フェラーリ)という結果だった。
F1アブダビGPは、日本時間12月11日(金)18時からのフリー走行1で幕を開ける。