F1アブダビGP予選 最高速度ランキング:意外?最も遅いのは断トツでレッドブル勢
11月24日土曜に開催された2018 FIA F1第21戦アブダビGP公式予選。ドライバー及びチーム別スピードトラップを集計し、ラップタイムデルタとトップスピードとの相関グラフで各チームのマシン特性と勢力図を紐解く。
一発の速さを競う予選セッションで頂点に立ったのは、メルセデスのルイス・ハミルトン。1分34秒794のコースレコードを記録して今季11度目、キャリア通算83回目のポールポジションを獲得した。
スピードトラップ
ヤス・マリーナ・サーキットのスピードトラップは、ターン7から始まるロングストレート終端、ターン8の手前150m地点で計測される。
まずはチーム別に最高速度を見てみる。ここ最近のトレンド通り、フェラーリPU勢と直線番長フォース・インディアが頭一つ飛び抜け上位を独占。セクター3で圧倒的な速さを示したレッドブル勢は意外?にも断トツの最下位。トロロッソ・ホンダ勢は中間、6番手であった。
フロントロウを独占したメルセデスAMGは下から3番目。ヤス・マリーナ・サーキットは”全く抜けない”と言って差し支えない程にオーバーテイクが難しいため、トップスピードを重視する必要性が低い。
ドライバー別に詳しく見てみてみよう。最高速を叩き出したのは予選8番手のシャルル・ルクレール(Sauber)。時速335.9kmを記録しトップに立った。2番手は同じエンジンを搭載するキミ・ライコネン(Ferrari)。両者の差はジャスト1km/h。ポールのハミルトンは驚きの17番手であった。
最も遅かったのは、ルノーエンジンを積む予選6番手のマックス・フェルスタッペン。時速322キロメートルに留まり、ルクレールとの速度差は13.5km/hであった。ホンダの最新スペック3パワーユニットを搭載したトロロッソ・ホンダは、ブレンドン・ハートレー(予選16番手)が時速328.7kmで10番手を記録した。
Pos. | Driver | Team | km/h |
---|---|---|---|
1 | シャルル・ルクレール | Sauber | 335.9 |
2 | キミ・ライコネン | Ferrari | 334.9 |
3 | エステバン・オコン | Force India | 333.8 |
4 | マーカス・エリクソン | Sauber | 333.3 |
5 | セバスチャン・ベッテル | Ferrari | 333.2 |
6 | セルジオ・ペレス | Force India | 331.2 |
7 | ケビン・マグヌッセン | Haas | 329.9 |
8 | カルロス・サインツ | Renault | 329.5 |
9 | セルゲイ・シロトキン | Williams | 328.7 |
10 | ブレンドン・ハートレー | Toro Rosso | 328.7 |
11 | ランス・ストロール | Williams | 328 |
12 | ロマン・グロージャン | Haas | 327.8 |
13 | ピエール・ガスリー | Toro Rosso | 327.4 |
14 | ニコ・ヒュルケンベルグ | Renault | 327.3 |
15 | バルテリ・ボッタス | Mercedes | 327 |
16 | フェルナンド・アロンソ | Mclaren | 325.7 |
17 | ルイス・ハミルトン | Mercedes | 323.9 |
18 | ストフェル・バンドーン | Mclaren | 323.5 |
19 | ダニエル・リカルド | Red Bull | 323.1 |
20 | マックス・フェルスタッペン | Red Bull | 322.4 |
ドライバー毎に、最速ハミルトンとのデルタタイムとトップスピードをプロットした。横軸はトップスピード、縦軸はデルタタイム。3強チームのセットアップの方向性とマシン特性の違いが顕著に表れており興味深い。メルセデスとレッドブルが似通っている一方、フェラーリはトップスピードが伸び過ぎている。
フェラーリ勢はストレートと高速コーナーを持つセクター1のタイムで最上位を占めたものの、メカニカルグリップとトラクション不足だろうか。ストップ・アンド・ゴーの第二セクターと、低速の最終セクターでメルセデスの後塵を拝した。
チームメイトバトルに目を転じてみると、いつものようにレッドブルのフェルスタッペンとリカルドが拮抗。珍しくウィリアムズの2台も好勝負を繰り広げた。バルテリ・ボッタスもハミルトンに肉薄しているが、シルバーアローは2台で異なるセットアップを採用したのだろうか。トップスピードに大きな開きがあるのが見て取れる。