混沌の三重奏―ノリスが逆転優勝、角田は最後尾から6位入賞 / F1マイアミGP 2025《スプリント》結果と詳報

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2025年FIA-F1世界選手権第6戦マイアミGPのスプリントが現地時間5月3日に行われ、雨、クラッシュ、そしてペナルティが絡み合う混沌とした18周のレースを、2番手スタートのランド・ノリス(マクラーレン)が制した。角田裕毅(レッドブル)は最後尾からスタートし、6位入賞を果たした。

レースの大半は、僚友オスカー・ピアストリ(マクラーレン)がリードする展開となったが、残り5周で起きた事故がノリスに味方した。リアム・ローソン(レーシング・ブルズ)に追突されたフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)がターン12でクラッシュ。このタイミングでノリスはピットインし、1周前にタイヤ交換を終えたピアストリの前でコースに戻った。

デブリと車両の回収に時間を要したことから、レースはセーフティーカー(SC)先導下でチェッカーフラッグを迎えた。ローソンは7位でフィニッシュしたが、接触事故の責任を問われ、5秒ペナルティを受けて13位に降格した

結果として、アロンソとローソンの事故により勝利のチャンスを逃したピアストリは、チェッカーフラッグを受けた後、無線を通して「ここで宝くじを買うことはないだろうね」とコメント。担当レースエンジニアのトム・スタラードは「運は明日に取っておけよ」と返した。

悪天候と混乱の中、フォーメーションラップが延期

フォーメーションラップはSC先導で開始されたが、路面の水量が非常に多く、エクストラフォーメーションラップが追加されたものの、安全が確保できないとして中止。最終的に赤旗が振られ、28分遅れで再度フォーメーションラップがSC先導で再開された。全車インターミディエイトタイヤを装着し、スタンディングスタートとなった。

シャルル・ルクレール(フェラーリ)はレコノサンス・ラップ中に壁に衝突。車体右側にダメージを負い、スプリント欠場を余儀なくされた。無線を通して「本当にごめん」とチームに謝罪した。危険な状態のマシンで走行を続けたとして、今季1回目の戒告処分を受けた

ハミルトン、先行ピットで3位フィニッシュ

終盤に向けて路面が乾いていく中、ルイス・ハミルトン(フェラーリ)は先行してソフトタイヤに交換し、3位フィニッシュと躍進した。アレックス・アルボン(ウィリアムズ)が4位に続いたが、レース後にSC規定違反で5秒ペナルティを受け11位に降格した。

代わってジョージ・ラッセル(メルセデス)が4位に、1周目に大きくポジションを上げたランス・ストロール(アストンマーチン)が5位に繰り上がった。オリバー・ベアマン(ハース)は11ポジションを上げて8位でフィニッシュ。入賞圏内最後の一枠に滑り込んだが、アンセーフ・リリースにより5秒ペナルティを受け14位に降格した。

ポールシッターのアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)は、1周目のターン1でピアストリとサイド・バイ・サイドとなり、コース外に飛び出して一気に4番手に後退。最終的には10位でフィニッシュしたが、繰り上がりの7位入賞を飾った。

角田は挽回、マックスはペナルティ

前日のスプリント予選でSQ1敗退を喫した角田は、パルクフェルメ下でセットアップを変更。赤旗によってスタート手順が変更されたため、手順再開後はピットレーンではなく、19番グリッドからのスタートとなった。

1周目にジャック・ドゥーハン(アルピーヌ)とガブリエル・ボルトレート(ザウバー)を交わして17番手に浮上すると、均衡を破って先陣を切り、11周目にミディアムタイヤに交換し、9位でフィニッシュ。上位3台に対するペナルティを受け6位に昇格した。

角田に合わせて、翌周には6番手を走行していたハミルトンがピットイン。さらに、4番手争いをしていたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)とアントネッリも次々とタイヤ交換に動いたが、フェルスタッペンはファストレーンに合流する際にアントネッリと接触し、左フロントにダメージを負った。これにより10秒ペナルティが科され、最終17位に終わった。

カルロス・サインツ(ウィリアムズ)はターン14のシケインでリアを壁に当ててしまい、パンクに見舞われ、13周目にレースを終えた。


全3ラウンド、計1時間が予定されるF1マイアミGPの公式予選は、日本時間5月3日(土)29時からマイアミ・インターナショナル・オートドロームにて行われる。セッションの模様はDAZNフジテレビNEXTで生配信・生中継される。

2025年F1第6戦マイアミGPスプリントリザルト

Pos No Driver Team Laps Time PTS
1 4 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 18 36:37.647 8
2 81 オスカー・ピアストリ マクラーレン・メルセデス 18 +0.672s 7
3 44 ルイス・ハミルトン フェラーリ 18 +1.073s 6
4 63 ジョージ・ラッセル メルセデス 18 +3.127s 5
5 18 ランス・ストロール アストンマーチン・メルセデス 18 +3.412s 4
6 22 角田裕毅 レッドブル・ホンダRBPT 18 +5.153s 3
7 12 アンドレア・キミ・アントネッリ メルセデス 18 +5.635s 2
8 10 ピエール・ガスリー アルピーヌ・ルノー 18 +5.973s 1
9 27 ニコ・ヒュルケンベルグ ザウバー・フェラーリ 18 +6.153s 0
10 6 アイザック・ハジャー レーシングブルズ・ホンダRBPT 18 +7.502s 0
11 23 アレックス・アルボン ウィリアムズ・メルセデス 18 +7.522s 0
12 31 エステバン・オコン ハース・フェラーリ 18 +8.998s 0
13 30 リアム・ローソン レーシングブルズ・ホンダRBPT 18 +9.024s 0
14 87 オリバー・ベアマン ハース・フェラーリ 18 +9.218s 0
15 5 ガブリエル・ボルトレート ザウバー・フェラーリ 18 +9.675s 0
16 7 ジャック・ドゥーハン アルピーヌ・ルノー 18 +9.909s 0
17 1 マックス・フェルスタッペン レッドブル・ホンダRBPT 18 +12.059s 0
NC 14 フェルナンド・アロンソ アストンマーチン・メルセデス 13 DNF 0
NC 55 カルロス・サインツ ウィリアムズ・メルセデス 12 DNF 0
NC 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 0 DNF 0

コンディション

天気
気温24℃
路面温度31℃

セッション概要

グランプリ名 F1マイアミGP
セッション種別 スプリント
セッション開始日時

サーキット

名称 マイアミ・インターナショナル・オートドローム
設立 2022年
全長 5412m
コーナー数 19
周回方向 時計回り

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