エルマノス・ロドリゲス・サーキットを走るトロロッソ・ホンダSTR13、2018年F1メキシコGP 2018年10月26日
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ホンダF1、最新スペック3に再び信頼性の懸念…メキシコGPは旧型エンジンを搭載

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ホンダ「RA618H」の最新版”スペック3改”に再び信頼性に対する懸念材料が確認された。ホンダ・レーシングはF1メキシコGPでのスペック3の継続使用を断念。2台のマシンのエンジン交換を行った。

鈴鹿で実戦投入した”スペック3″エンジンに耐久面での懸念が発生した事に伴い、ホンダは前戦アメリカGPでマイナーチェンジを加えた”スペック3改”とも言うべき新たなパワーユニットの封を切った。

エンジンパワーの上乗せの甲斐もあって、最後尾からスタートしたブレンドン・ハートレーはボジションを大きく挽回し9位入賞を果たしたが、メキシコに姿を見せたホンダF1の現場統括責任者を務める田辺豊治テクニカル・ディレクターは「組立て品質上の懸案が確認された」として、ピエール・ガスリーのマシンに新たなパワーユニットを投入した事を明らかにした。

「今回のP1でガスリー選手のマシンに再度、最新スペックの未使用PUを投入します。これは 米国で使用したガスリー選手のPUに組立て品質上の懸案が確認されたためです。HRD Sakuraに返送し至急確認を行いますが、現状継続判断が出せないため、今回新たなユニットをP1の最初の走行で投入し、残りのシーズンに備えます」

FIA国際自動車連盟は、ガスリー車にICE=内燃エンジン、MGU-H、ターボチャージャーの3つのエレメントが新しく搭載された事を発表した。ホンダは今シーズン、ライバルに比べて豊富なエンジンストックを持っており、エルマノス・ロドリゲス・サーキットでの予選及び決勝レースでは、以前使用していた旧型のパワーユニットを搭載する。

「なお、ガスリー選手に関してはその後、P2に向けて旧スペックに乗せ換えます。ハートレー選手に関しても同様に3日間通しで旧スペックを搭載します。これは、高地というメキシロの特殊な環境下で使い慣れた旧スペックを使用するほうが PUのセッティング面での確実性が高いと判断したためです」

ハートレーはペナルティなしに日曜の決勝に挑む事になるが、ガスリーには20グリッド降格が科せられるため、最後尾からのスタートを余儀なくされる。

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