トロロッソ・ホンダ、入賞に向けて好位置を確保「マシンには上位10台レベルの速さがある」
スクーデリア・トロロッソの技術部門を率いるジェームス・キーは、F1スペインGP予選を終えて、マシンには上位10台に匹敵するだけの速さがあったとの認識を示し、一定の満足感を示すと同時に悔しさをにじませた。
ブレンドン・ハートレーがFP3でマシンを大破するクラッシュに見舞われたため、トロロッソ・ホンダは1台体制で土曜の予選に挑み、ピエール・ガスリーが予選Q2に進出し12番グリッドを獲得。2戦ぶりに予選最終ラウンドに手が届くレベルのパフォーマンスを示した。
初日セッションこそトップから2秒近く遅れていたが、ガスリーは予選前の最終フリー走行で10番手タイムを記録。その差をコンマ4秒縮めてみせた。キーによれば、苦戦した初日からの知見を元に土曜の朝にマシンセットアップを変更、これが功を奏したのだという。
予選ノータイムに終わったハートレーは日曜の決勝をグリッド最後尾からスタートする一方、ガスリーはタイヤ選択の自由を得た上で入賞を射程圏内に捉える12番グリッドから上位10台の追い抜きを狙う。
上位10台に匹敵するだけの速さがある
ジェームス・キーテクニカル・ディレクター
今日は我々トロロッソ・ホンダにとって、両極端な一日だったよ。残念ながら、ブレンドンがFP3でクラッシュを喫してしまい、マシンにかなりのダメージを受けてしまった。修復するには十分な時間がなく、予選を欠場する事になってしまった。
とは言え、あれだけの衝撃を受けたわけだから、時間をかけて細かい部分まですべて調べ上げ、負荷がかかったパーツは全て洗い出しておきたい。何より重要な事は、ブレンドンが無事だという事さ。明日のレースでは、戦闘モードでバトルしてくれるはずだよ。
マシンバランスを改善するため、昨夜は新しい方向性を模索していたんだ。ピエールには今朝のセッションでそれを試してもらった。金曜日のセッションは走行中にアップダウンがあり、二人共バランスの一貫性のなさを訴えていたんだ。FP3開始早々からピエールはマシンに満足してくれたようで、昨日よりも自信を持ってプッシュできていた。
予選は直近のライバル達との激しい接戦になると予想していた。ハースが若干先行している印象はあったが、それ以外は予想がつかない程に接近していた。予選を終えて、”Q3進出のチャンスを逃してしまった…”と思える位には満足しているよ。実際すごい接戦だったから残念ではあるんだけどね。
ピエールは最後のアタックラップの中盤に、少しばかりアンダーステアに苦しみ、セクター2でコンマ数秒を失った結果、後少しのところでトップ10を逃してしまった。Q3も可能だったとは思うけど、不満は言えないよ。上位10台のすぐ後ろだし、自由にタイヤを選択できる事を思えば、ポイントを争う上で良い位置につけていると思う。
シーズン第5戦F1スペインGP決勝レースは、日本時間5月13日(日)22時10分から1周4,655mのカタロニア・サーキットを66周する事で争われる。予選終了後のバルセロナは雨の予報が出ており、決勝開始までに路面に載ったラバーが全て洗い流される可能性がある。