STR13をグリッドに運ぶトロロッソ・ホンダのクルー、2018年F1ベルギーGPcopyright Getty Images / Red Bull Content Pool

何故トロロッソ・ホンダは事前の苦戦予想を覆し、ベルギーGPで9位入賞を果たせたのか?

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苦戦が予想されたスパ・フランコルシャンでトロロッソ・ホンダはライバルチームと真っ向勝負を繰り広げ、ツキに恵まれた部分があるとは言えピエール・ガスリーが9位入賞の見事な活躍を見せた。

レースを通じてトロロッソ・ホンダの2台とバトルを繰り広げたザウバーのマーカス・エリクソンは「実際にトラック上で戦ってみて、ホンダが評判以上の力を持っている事を確信したよ。ホンダエンジンは皆が思っている以上に速い」と述べ、シーズン中に改善し続けるホンダのパフォーマンスを称賛した。

カレンダー屈指の超高速サーキットとして知られるスパは、7004mというカレンダー最長の長さ、75%を超えるエンジン全開率、104mの高低差を誇り、他のサーキット以上にエンジン性能が要求される。そのため、グランプリ開幕前からドライバーもチーム関係者もこぞって苦戦を予想。ポイント獲得は非現実的と思われていた。

トロロッソ・ホンダは何故パワー要求の激しいベルギーGPで印象的なパフォーマンスを示せたのだろうか?ホンダF1の副テクニカルディレクターを務める本橋正充は、車体側のセットアップ、パワーユニットのセッティングとオペレーションの2つを主な理由として上げた。

「ハンガリーGP後のテストを経て、車体側の理解が深まってきた点が反映されました」と本橋。ホンダ公式サイトで次のように語った。「ここはパワーサーキットなので、我々ホンダとしてはエンジンの使い方として、性能の出し切りといった部分にトライしました。今回の結果はそういった事の成果だと思います」

「勘どころをつかんだ事で路面変化にも対応できるようになりましたし、メリハリをつけたPUの使い方という部分も上手くいきました。それらが上手く噛み合って、予選での好結果につながったのだと思います」

ホンダF1の副テクニカルディレクターを務める本橋正充
© Honda、本橋正充副テクニカルディレクター

本橋によると、スパでは新しいアップデートを投入しておらず、今回の好成績はあくまでもファクトリーの開発ではなくトラックサイドでの努力の成果であり、エンジン性能を最大限にまで引き出せたがゆえの結果だと言う。スパではオー・ルージュとケメルストレートでのトップスピードがバトルに大きな影響を与えるが、本橋はそれ以外の箇所への対処も同じ様に重要だと説明する。

「ここでのエネルギー配分はさほど難しくはありませんが、1周が長いのでパワーの使い所、抜き所を考える必要があります。オー・ルージュや裏のストレートなどの高速セクションに目がいきがちですが、それ以外の下りの複合コーナーなどにも対処しなければなりません」

「複合コーナー等でエネルギーを使おうとすると、ストレートでのエネルギー配分に影響が出るため、再度の調整が必要です。そのバランスを見極める作業が重要なのです。スパでのPUの使い方の難しさは、そういった部分にまで対応しなければならない点にあります」

ハイブリッドシステムで回生したエネルギーをどう使うか?決勝では予選とは異なるPUマネジメントスキルが要求される。

「決勝レースについては、コンディションや、コースレイアウト、他車との位置関係に応じて、エネルギーマネジメントやICE自体のパフォーマンスをどうコントロールしていくかがポイントになると考えています。このコースはオーバーテイクのポイントが意外と多岐に渡るのですが、そういった情報をチームと共有している事も重要です。メリハリをつけたPUの使い方を随時指示できるかどうかがキーポイントになるのです」

今週末に控えるイタリアGPの舞台は、スパを超えるエンジン全開率と最高速を誇るモンツァサーキット。ベルギーGPで9位入賞を果たしたガスリーは「モンツァはまた別の話」と語り、苦戦を予想。雨でも降らない限りは入賞は極めて難しいとの考えを示している。