F1バーレーンGP木曜プレスカンファレンスで質問に答えるアストンマーチンのセバスチャン・ベッテル、2021年3月25日
Courtesy Of Aston Martin Lagonda Limited

セバスチャン・ベッテル、”恒例行事”欠かさず…アストンマーチンF1移籍後初の愛車名は「ハニー・ライダー」

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スクーデリア・フェラーリからアストンマーチンに移籍してなお、セバスチャン・ベッテルは”開幕イベント恒例行事”を欠かすことはなく、5号車「AMR21」に”ハニー・ライダー(Honey Rider)”の名を与えた。

2008年のスクーデリア・トロロッソSTR3を「Julie(ジュリー)」と名付けて以来、4度のF1ワールドチャンピオンは毎年の愛車に独断と偏見で女性名を付けてきた。曰く「「マシンと密接な関係になることが重要なんだ。女性に対して、人は男になるからね」との事。

セバスチャン・ベッテルとランス・ストロールにより行われた2021年のアストンマーチンF1「ARM21」のシェイクダウン、2021年3月4日シルバーストン・サーキットにて (1)Courtesy Of Aston Martin Lagonda Limited

アストンマーチンF1「ARM21」のシェイクダウン、2021年3月4日シルバーストン・サーキットにて

レッドブル在籍時は「Kinky Kylie(変態カイリー)」や「Randy Mandy(淫らなマンディ)」といった官能的なネーミングが多かったものの、歳を重ねるにつれて「Loria(ローリア)」や「Lena(リーナ)」など、無難な名付けが増えていった。

フェラーリ離脱後の初の愛車「AMR21」に付けられたのは、所属先のアストンマーチンにちなんだ「ハニー・ライダー」だった。

これは人気スパイ・アクション映画「007」の第一作、1962年公開の「ドクター・ノオ」に登場するウルスラ・アンドレス演じる初代ボンドガールの名前だ。ベッテルはアストンマーチンでの新たな旅路の始まりを共に歩む愛車のネーミングを「007」の第一作に求めた。

アストンマーチンは3月初旬のプレシーズンテストで信頼性を欠き、全チームの中でメルセデスに次いで最も少ない周回数、314周に留まり、期待されたほど十分にデータを集める事が出来なかった。

314周という数字はトップマイレージを稼いだアルファタウリ・ホンダ及びアルファロメオの422周に対して100周以上も不足しているが、ベッテルはシーズン開幕に向けて楽観的な姿勢を示している。

グラフで見る開幕前テストデータ

ベッテルは開幕バーレーンGP初日を前にした公式プレスカンファレンスの中で「望んでいたほど走り込めなかったのは確かだけど、それはもう仕方がない事さ。今季はレース数が多い一方でテストの機会が限られている。でもそれが現実だ」と語った。

「僕としては自分たちが妥当な位置にいると確信しているし、与えられた走行時間を最大限に活かして予選とレースに向けての準備を整えていきたい」

ベッテルのF1愛車名遍歴

気になるのは「ハニー・ライダー」の競争力だ。

ベッテルによると既に新しいマシンにも慣れ、状態も良いとのことだが、27日(土)の公式予選まではチーム間序列をハッキリと見定める事はできない。

ベッテルは「土曜日になれば見当がつくはずだ。明らかに有力なのはメルセデスとレッドブル・レーシングだけど、アストンマーチンは彼らのすぐ背後にいると信じている」と付け加えた。

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