フェラーリ去るベッテル、ルクレールとヘルメット交換…綴られた手書きメッセージがあまりにも素敵な件
近年はチャンピオンシップが最終戦までもつれ込む事は殆どなく、盛り上がりという点でヤス・マリーナ・サーキットでのイベントに物足りないところがあるのは確かだが、それでも長きに渡った一年の終わりには、やはり感動的なシーンが幾多もあるものだ。
レッドブル・レーシングでの成功を経てマラネッロのチームへと新天地を求めたセバスチャン・ベッテルは、6年に渡るスクーデリア・フェラーリでのキャリアに終止符を打つ。
© Ferrari S.p.A.
友人でもある年上のキミ・ライコネンをチームメイトとしていた時は、特に目立った軋轢はなかったものの、赤きイタリアチームの将来を背負って立つとの周囲の高い期待の下でザウバーからやってきた天性の才を持つモナコ人ドライバー、シャルル・ルクレールと共に過ごした時は常に順風満帆というわけではなかった。
だが、ふたりの間には確かにリスペクトの念があった。
ルクレールはベッテルの跳馬ラストランとなったアブダビでのフィナーレに向け「Danke Seb(ありがとう、セブ)」のメッセージを刻んだ特別なヘルメットを被り、55周を戦い抜いた後、これを4度のF1ワールドチャンピオンに贈った。
ベッテルもまた、自身を象徴するようなドイツカラーを配したヘルメットをルクレールにプレゼントした。バイザー上部には次の手書きのメッセージが書かれていた。
「シャルルへ、君は15年間のF1生活で出会った中で最も才能のあるドライバーだ。どうかそれを無駄にしないで。でも同時に、いつ何時でも幸せで、そして笑顔を絶やさないでね。感謝してる!」
ルクレールはベッテルとのヘルメット交換の際の写真をSNSに投稿し、次のメッセージを添えた。
「僕はこの2年間を共に過ごす中で、人として、そしてドライバーとして、あなたから本当に多くの事を学んだ。僕の成長のために常にプッシュし続けてくれた事に感謝している」
「君のチームメイトになれて光栄だった。これからも真にベストなトップドライバーで、素晴らしい人であって欲しい。心からそう思ってる」
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