F1アメリカGPで優勝したフェラーリのキミ・ライコネンcopyright F1

39歳キミ・ライコネンが113戦ぶりに優勝、満面の笑み!タイトルはメキシコに持ち越し / F1アメリカGP《決勝》2018

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グリッド最年長39歳、スクーデリア・フェラーリのキミ・ライコネンが2044日、113戦ぶりに世界最高峰フォーミュラ1の表彰台の頂点に立った。

2018シーズンF1世界選手権 第18戦アメリカGP決勝レースが現地10月21日に行われ、2番グリッドのライコネンがレッドブル・レーシングのマックス・フェルスタッペンを1.281秒差で退け優勝。2009年のF1ベルギーGP以来となるフェラーリでの勝利を飾った。

マシンを降りてインタビューを受けたライコネンは満面の笑み。笑うだけでニュースになる男は、久しぶりの勝利を心の底から喜んだ。フィンランド国家が鳴り響くセレモニー、サングラスをかけたライコネンは終始笑顔。背負い続けた重圧からの開放感に満ちていた。

3位表彰台にはメルセデスAMGのルイス・ハミルトン。フェラーリのセバスチャン・ベッテルは4位に終わり、選手権でのポイント差は70点に拡大したものの、ドライバーズタイトルは次戦メキシコGPに持ち越しとなった。

トロロッソ・ホンダ勢は最後尾スタートのブレンドン・ハートレーが11位でチェッカーフラッグ。後一歩のところで入賞を逃したかに思われたが、レース終了後にケビン・マグヌッセンとエステバン・オコンの両名に燃料規定違反の裁定が下り最終9位が決定した。

19番グリッドのピエール・ガスリーは14位完走。レースを振り返った田辺豊治テクニカルディレクターは「パッケージの実力不足」との認識を示し、残る3戦での巻き返しを誓った。

前戦日本グランプリから2週間後に行われたシーズン第18戦の舞台は、地形を積極的に使用した高低差が印象的なサーキット・オブ・ジ・アメリカズ、通称COTA。決勝は、日本時間22日(月)3時10分にブラックアウトを迎え、1周5516mのコースを56周する事で争われた。

日曜のオースティンは今週末初めて快晴に恵まれ、チャンピオンシップポイントを争う決勝のフォーメーションラップは気温20℃、路面27℃のドライコンディションで開始された。伊タイヤメーカーのピレリはレース直前にリアタイヤの指定内圧を変更。急遽引き上げる異例の措置を取った。

快晴に恵まれたCOTA、F1アメリカGP決勝レーススタート直後のターン1の様子 2018年10月21日
© Getty Images / Red Bull Content Pool、快晴に恵まれたCOTA、F1アメリカGP決勝レーススタート直後のターン1の様子

今年のF1アメリカGPに持ち込まれたのはソフト(黄)、スーパーソフト(赤)、ウルトラソフト(紫)の3種類のコンパウンド。レースでは最低2種類のコンパウンドを使用する義務があり、多くのチームは硬めのソフトを第二スティントに投入した。

前日20日(土)に開催された予選では、ハミルトンがコースレコードを記録しポールを獲得。予選2番手のベッテルには赤旗減速違反によって3グリッド降格が科せられ、5番グリッドからレースに挑んだ。

予選Q1で縁石に乗り上げサスペンションを破損したフェルスタッペンは、ギアボックス交換を実施。5グリッド降格を受けて18番グリッドからレースに臨んだ。フェルスタッペンとマーカス・エリクソンは唯一、最も硬いソフトコンパウンドをスタートタイヤにチョイスした。

注目のオープニングラップ。ウルトラソフトスタートの2番手ライコネンが最高の蹴り出しを決め、ターン1でハミルトンを交わしてラップリーダーに躍り出た。11番グリッドのカルロス・サインツ(Renault)は、同じターン1でコースオフ。アドバンテージを得たと判断され5秒ペナルティの裁定が下った。

同じくターン1。母国レースのハース、ロマン・グロージャンがシャルル・ルクレール(Sauber)に追突。マシンに損傷を負ったグロージャンは即座にリタイア。ルクレールはそのまま走行を続けていたものの、33周目にピットインの指示。リタイヤを選択した。レース後の審議によって、グロージャンには次戦メキシコでの3グリッド降格とペナルティポイント2点が科せられる事となった。

直後の高速S字区間では、フェルナンド・アロンソ(Mclaren)とランス・ストロール(Williams)が接触。いきなりイエローフラッグが提示された。一件は審議の対象となり、責任を問われたストロールにはドライブスルーペナルティが科せられた。アロンソはピットに戻るも復帰できず、早々にレースを終えた。

5番グリッド・スタートのベッテルは、ターン17でダニエル・リカルドと軽く接触。スピンを喫して14番手にまで大きく後退。前戦F1日本グランプリに続いて、序盤に大きな後退を強いられる厳しい展開となった。元の5番手に戻ったのは13周目。劣勢に追い込まれた。

トロロッソ・ホンダの2台は最後尾からスタートするも、オープニングラップで一気にポジションアップ。ブレンドンハートレーは20番手から12番手に、ピエール・ガスリーは19番手から15番手にまで急浮上した。

9周目、4番手を走行していたリカルドがターン11でトラブル。コース脇に車を止め、今シーズン7度目のリタイヤとなった。これによりコース上にはバーチャル・セーフティカー(VSC)。このタイミングで2番手を走行していたハミルトンが上位勢としては唯一ピットイン。ソフトに履き替え3番手でコースに復帰。勝負に出た。

ライコネンのピットストップによって先頭に復帰したハミルトンであったが、リアにブリスターを抱え徐々に失速。たまらず38周目にピットインし、再びソフトタイヤを履いてベッテルの前、4番手でコースに戻った。その後は前を行くチームメイトに道を譲ってもらい、ポディウム圏内の3番手に浮上した。

レース終盤、ライコネン、フェルスタッペン、ハミルトンの上位3台が3秒以内に接近。1ストップでタイヤの摩耗が進んでいる前の二台目掛けて、シルバーアロー44号車が攻撃を開始した。54周目、ロングストレートエンドでグリップを失ったフェルスタッペンに対してハミルトンがサイドバイサイド。ツイスティーなセクター3で熾烈な攻防戦を繰り広げるも、誤りコースオフ。一歩及ばなかった。

ラスト2周、ボッタスのDRS圏内に入ったベッテルが底意地を見せ、ストレートエンドでオーバーテイクし4番手。執念でハミルトン5度目のタイトルを阻止した。勝負は次のエルマノス・ロドリゲス・サーキットへと持ち越された。

サーキット・オブ・ジ・アメリカズを走るスクーデリア・フェラーリのキミ・ライコネン

終わってみれば、最近では珍しく上位4台が各々異なるタイヤストラテジーを採用。その背景にはレース序盤にコールされたVSCの存在と、プラクティスでのドライの走行が限られた点が上げられる。久しぶりにエキサイティングなゲームとなった。

順位とタイム

Pos No Driver Team Laps Time PTS
1 7 キミ・ライコネン フェラーリ 56 1:34:18.643 25
2 33 マックス・フェルスタッペン レッドブル・タグホイヤー 56 +1.281 18
3 44 ルイス・ハミルトン メルセデス 56 +2.342 15
4 5 セバスチャン・ベッテル フェラーリ 56 +18.222 12
5 77 バルテリ・ボッタス メルセデス 56 +24.744 10
6 27 ニコ・ヒュルケンベルグ ルノー 56 +87.210 8
7 55 カルロス・サインツ ルノー 56 +94.994 6
DQ 31 エステバン・オコン フォースインディア・メルセデス 56 +99.288 0
DQ 20 ケビン・マグヌッセン ハース・フェラーリ 56 +100.657 0
8 11 セルジオ・ペレス フォースインディア・メルセデス 56 +101.080 4
9 28 ブレンドン・ハートレー トロロッソ・ホンダ 55 +1 lap 2
10 9 マーカス・エリクソン ザウバー・フェラーリ 55 +1 lap 1
11 2 ストフェル・バンドーン マクラーレン・ルノー 55 +1 lap 0
12 10 ピエール・ガスリー トロロッソ・ホンダ 55 +1 lap 0
13 35 セルゲイ・シロトキン ウィリアムズ・メルセデス 55 +1 lap 0
14 18 ランス・ストロール ウィリアムズ・メルセデス 54 +2 laps 0
NC 16 シャルル・ルクレール ザウバー・フェラーリ 31 DNF 0
NC 3 ダニエル・リカルド レッドブル・タグホイヤー 8 DNF 0
NC 8 ロマン・グロージャン ハース・フェラーリ 2 DNF 0
NC 14 フェルナンド・アロンソ マクラーレン・ルノー 1 DNF 0

コンディション

天気
晴れ
気温
20℃
路面温度
27℃
周回数
56

レース概要

グランプリ名
アメリカGP
レース種別
決勝
レース開始日時
サーキット名
サーキット・オブ・ジ・アメリカズ
サーキット設立
2012年
コース全長
5516m
コーナー数
20
周回数
56周
周回方向
反時計回り

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