苛烈な争いを制しハミルトンがポール、ホンダ勢はポテンシャルの高さを披露 / F1アメリカGP《予選》結果とダイジェスト
2018年F1世界選手権 第18戦アメリカGP公式予選が現地10月20日にテキサス州オースティン近郊のサーキット・オブ・ジ・アメリカズ行われ、メルセデスAMGのルイス・ハミルトンが1分32秒237を記録しコースレコードを更新。今季9度目のポールポジションを獲得した。
2番手はスクーデリア・フェラーリのセバスチャン・ベッテル。0.061秒という僅差で選手権ライバルにポールの座を許した。3番手はキミ・ライコネン。最新型のフロアの使用を取り止め旧型に戻して予選に臨んだフェラーリが、惜しくもハミルトンに敗れ去る結果となった。
1回目のフリー走行の際に赤旗減速違反を取られたベッテルは3グリッド降格が決定しており、明日の決勝を5番グリッドからスタートする。決勝で10位以下に終わった場合、自動的にハミルトンの5度目のタイトルが確定する。
エンジン及びギアボックス交換によって最後尾スタートが確定しているトロロッソ・ホンダ勢は、決勝出場要件である最速からの107%以内のタイムを残しさせすれば良い状況。2台揃ってQ1を突破するとQ2ではタイムを出さず、ピエール・ガスリーが13番手、ブレンドン・ハートレーが14番手でマシンを降りた。
午前のFP3に引き続き、現地オースティンの上空は一面薄暗い雲。決勝のスタートグリッドを決する争いは降水確率10%、気温19℃、路面21℃のドライコンディションでスタートした。公式タイヤサプライヤーのピレリは、ソフト(黄)、スーパーソフト(赤)、ウルトラソフト(紫)の3種類のコンパウンドを投入。Q3進出者に追加提供されるコンパウンドはウルトラソフトが指定された。
エントリーした全20台で争われる予選第一ラウンドのQ1。ガスリーは1回目のアタックラップの際にターン19でオーバーラン。事前に告知されていた通りタイム抹消となるも、3回目のランで1分34秒850を記録してベスト・オブ・ザ・レストの7番手。驚きの速さを示した。
6番手タイムを記録していたフェルスタッペンは、ターン14の縁石に乗り上げ右リアサスペンションを破損。辛うじてピットへと戻ったものの時間内での修復は叶わず、Q2ではノータイムに終わり15番手で予選を終えた。
セッション最終盤、続々とタイムシートが入れ替わる中、セクター1でターゲットタイムから0.3秒と大きく出遅れたハートレーがその後の区間で挽回。35秒206を記録してフェルナンド・アロンソを蹴落とし、15番手でQ2進出を決めた。
Q1敗退はアロンソ、セルゲイ・シロトキン、ランス・ストロール、マーカス・エリクソン、ストフェル・バンドーンの5名。マクラーレン勢は日本GPに続きダブルQ1敗退を喫した。アロンソは18戦連続でチームメイトに勝ち越した。
5台が脱落し残る15台のマシンが挑んだQ2では、ベッテル、メルセデスの2台、ダニエル・リカルドの4台が決勝レースを見据えて硬めのスーパーソフトを投入。順当にタイムを残し最終Q3に進出を決めた。
トロロッソ・ホンダの2台は中古のウルトラでコースイン。数周を走ったもののタイムを残す事なく、フェルスタッペンも走行できなかったため、実質的には12台のマシンがトップ10を賭けて争うセッションとなった。
ノックアウトは先の3台に加えてカルロス・サインツとケビン・マグヌッセン。ギリギリのところでQ3進出を決めたニコ・ヒュルケンベルグとサインツのギャップは僅か1000分の2秒であった。
トップ10グリッドを決する予選最終ラウンドのQ3。まずはボッタスが32秒686のトラックレコードを記録。直後にハミルトンが32秒567でこれを塗り替えメルセデスが1-2。だがそれも束の間、ベッテルが1000分の8秒差でハミルトンに食らいつき、2台に割って入った。
裏ストレートで軽く雨が降り出す中、最後のアタックがスタート。ボッタスが自己ベストを更新し2番手に浮上すると、ライコネンが最速を記録しトップへ。その直後にハミルトンが100分の7秒差で上回り再び王座を奪還。最終走者のベッテルは、セクター1でパープルを刻み猛追するも、100分の6秒届かず2番手に終わった。
上位4台に続いたのはレッドブル・レーシングのダニエル・リカルド。4番手ボッタスとのギャップは0.878秒と甚大であった。6番手はレーシングポイント・フォースインディアのエステバン・オコン。7番手にはヒュルケンベルグ、8番手にはハースのロマン・グロージャンが続いた。9番手はシャルル・ルクレール、10番手はセルジオ・ペレスという結果となった。
シーズン18戦目のF1アメリカグランプリ決勝レースは、日本時間10月22日(月)3時10分にブラックアウトを迎える。
2018年F1第18戦アメリカGP予選リザルト
Pos | No | Driver | Team | Q1 | Q2 | Q3 | Laps |
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1 | 44 | ハミルトン | メルセデス | 1:34.130 | 1:33.480 | 1:32.237 | 19 |
2 | 5 | ベッテル | フェラーリ | 1:34.569 | 1:33.079 | 1:32.298 | 17 |
3 | 7 | ライコネン | フェラーリ | 1:34.703 | 1:32.884 | 1:32.307 | 14 |
4 | 77 | ボッタス | メルセデス | 1:34.518 | 1:33.702 | 1:32.616 | 17 |
5 | 3 | リカルド | レッドブル | 1:34.755 | 1:34.185 | 1:33.494 | 14 |
6 | 31 | オコン | フォースインディア | 1:34.876 | 1:34.522 | 1:34.145 | 18 |
7 | 27 | ヒュルケンベルグ | ルノー | 1:34.932 | 1:34.564 | 1:34.215 | 18 |
8 | 8 | グロージャン | ハース | 1:34.892 | 1:34.419 | 1:34.250 | 17 |
9 | 16 | ルクレール | ザウバー | 1:35.069 | 1:34.255 | 1:34.420 | 17 |
10 | 11 | ペレス | フォースインディア | 1:35.193 | 1:34.525 | 1:34.594 | 17 |
11 | 55 | サインツ | ルノー | 1:34.891 | 1:34.566 | 12 | |
12 | 20 | マグヌッセン | ハース | 1:34.972 | 1:34.732 | 12 | |
13 | 10 | ガスリー | トロロッソ | 1:34.850 | 13 | ||
14 | 28 | ハートレー | トロロッソ | 1:35.206 | 13 | ||
15 | 33 | フェルスタッペン | レッドブル | 1:34.766 | 4 | ||
16 | 14 | アロンソ | マクラーレン | 1:35.294 | 6 | ||
17 | 35 | シロトキン | ウィリアムズ | 1:35.362 | 6 | ||
18 | 18 | ストロール | ウィリアムズ | 1:35.480 | 8 | ||
19 | 9 | エリクソン | ザウバー | 1:35.536 | 8 | ||
20 | 2 | バンドーン | マクラーレン | 1:35.735 | 6 |
コンディション
天気 | 曇り |
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気温 | 19℃ |
路面温度 | 21℃ |
セッション概要
グランプリ名 | F1アメリカGP |
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セッション種別 | 予選 |
セッション開始日時 |
サーキット
名称 | サーキット・オブ・ジ・アメリカズ |
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設立 | 2012年 |
全長 | 5516m |
コーナー数 | 20 |
周回方向 | 反時計回り |